逝年 の商品レビュー
リョウ君の娼夫としての仕事ぶりを見てると、茶の湯=もてなしの心という言葉が浮かんでくる。本当にこんなに心を込めてもてなしてくれるコがいたら自分へのご褒美として呼び出したくなる気持ちもわからないでもないなあ。しかし、二十歳過ぎでこんなに洞察力のある人がいるとは思えないからやっぱりフ...
リョウ君の娼夫としての仕事ぶりを見てると、茶の湯=もてなしの心という言葉が浮かんでくる。本当にこんなに心を込めてもてなしてくれるコがいたら自分へのご褒美として呼び出したくなる気持ちもわからないでもないなあ。しかし、二十歳過ぎでこんなに洞察力のある人がいるとは思えないからやっぱりファンタジーなんだろうな。実際に昼間から高級スーツを着てシャンパン飲んでる若い子がいたら何やねんこいつらとしか思えないだろうしなあ。
Posted by
ひさびさに石田衣良作品が読みたくなったので手にした本。 だいぶ前に読んだ「娼年」という作品の続編なのだけれど、 その内容をすっかり忘れてしまった。 石田衣良さんの文章は読みやすくて、 ときどき、すごく好きな情景の描写が入る。 何かを考えさせられるといったタイプのものではないけ...
ひさびさに石田衣良作品が読みたくなったので手にした本。 だいぶ前に読んだ「娼年」という作品の続編なのだけれど、 その内容をすっかり忘れてしまった。 石田衣良さんの文章は読みやすくて、 ときどき、すごく好きな情景の描写が入る。 何かを考えさせられるといったタイプのものではないけれど、 おだやかな読後感が、とても心地よかった。
Posted by
ずいぶんと前に読んだ、『娼年』の続編。 以前だれかがレビューで、この著者の作品は設定自体に意外性を持たせるけれど、実はストーリー自体は何もないと書いていて、まさにわが意を得たり!と思った。 設定は娼年そのまま。そこに唐突にHIVや死を持ってきた感じ。 その割にはそのテーマと正面か...
ずいぶんと前に読んだ、『娼年』の続編。 以前だれかがレビューで、この著者の作品は設定自体に意外性を持たせるけれど、実はストーリー自体は何もないと書いていて、まさにわが意を得たり!と思った。 設定は娼年そのまま。そこに唐突にHIVや死を持ってきた感じ。 その割にはそのテーマと正面からは向き合っていない気が。 主人公のセックスのスパイスのひとつに過ぎないよ、これじゃ。 40代以降の女性を称える描写は、石田衣良の作品に多く見受けられるけれど、実際に『下降』『たるみ』って表現しちゃっている時点で、本心からの言葉か疑ってしまう。 最近はやりの、熟女好き芸人に迎合するひとみたいに。
Posted by
娼年とあわせて読むことを薦められていた1冊 ハッピーエンドでは決して無い でも心から 穏やかな物語の締めだとは思う ただ綺麗過ぎてリアリティがなくて 娼年よりは文字が画像になる感覚を味わえなかったのが残念 ただ人の欲望や愛等の持ち方の多様性 そういうものは心底感じることが出...
娼年とあわせて読むことを薦められていた1冊 ハッピーエンドでは決して無い でも心から 穏やかな物語の締めだとは思う ただ綺麗過ぎてリアリティがなくて 娼年よりは文字が画像になる感覚を味わえなかったのが残念 ただ人の欲望や愛等の持ち方の多様性 そういうものは心底感じることが出来る
Posted by
人の欲望は深く、人生は儚い。 花と女性は月日と共に枯れていくけど 花と違うのは枯れ方を選択できる事だ。 体を売るなんて 非社会的だからこそ 人の深い部分が見えるのかもしれない。 枯れ逝く花を 精一杯綺麗にしていく そんな人達の話。
Posted by
娼年の続編があると知り、すぐに借りてきました。 最初から最後までいっき読みしました。 リョウがどんな新人を発掘するか自分なりに想像してみたが、 さすが石田衣良、アユムのような性質のキャラはとは完全に想定外。 そして、静香との最後はとても美しかった。 娼年から逝年へまさにタイ...
娼年の続編があると知り、すぐに借りてきました。 最初から最後までいっき読みしました。 リョウがどんな新人を発掘するか自分なりに想像してみたが、 さすが石田衣良、アユムのような性質のキャラはとは完全に想定外。 そして、静香との最後はとても美しかった。 娼年から逝年へまさにタイトル通り。 また、妻との行為の仕方も考えさせられました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
娼年に続く、コールボーイのお話。 若い男性が年配の女性にお金で買われて、ベッドをともにしたりお話をするお話。 石田さんの本は3ヶ月ぶりによんだんだけど、相変わらずとても読みやすい。 文章も綺麗で、目に見えているように情景が描かれているようで、映像のような強烈さはなくって、どの描写も淡い。 ラストの静香さんとのセックスが印象的でした。 いくつになっても女でいたいものです。
Posted by
前作「娼年」もそうだったけど、読み始めたら一気に読まんと気が済まない感じです。今回は男と女の違いがポイントになる部分が出てきて、性別のことをこんなに真剣に考えたことなかったなと気づかされたし、いろんな切り口から人間の生き方を見つめることができる作品だと思います。
Posted by
石田衣良さんの作品が好きでほとんど読んでいますが、若者が主人公よりも、中年層が主要人物の作品が特に好きです。 解説にもよく書いてありますが、石田さんは女性の加齢をとても素敵に表現できる数少ない作家さんだと思います。
Posted by
『娼年』の続編。 石田衣良はIWGPとかのイメージが強いけれど、この作品を読むとこんなにも描写が繊細な人だったかと驚く。解説で「女性が年齢を重ねることをとても丁寧に描いた小説」という表現があるけれど、本当にそうだと思う。石田衣良の書く女性の描写はすごく緻密だ。こういう表現をしても...
『娼年』の続編。 石田衣良はIWGPとかのイメージが強いけれど、この作品を読むとこんなにも描写が繊細な人だったかと驚く。解説で「女性が年齢を重ねることをとても丁寧に描いた小説」という表現があるけれど、本当にそうだと思う。石田衣良の書く女性の描写はすごく緻密だ。こういう表現をしてもらえるのなら、歳をとるのも悪くないと思えるほどに(笑) 『娼年』と合わせて、あらゆる性の形に挑んだ小説でもある。まさか今回、新メンバーとしてGIDでFTMのキャラクターを投入してくるとは思わなくて。アグレッシブだなぁ、この人は。アユムがまた魅力的なキャラクターなのです。お父さんとの対決のシーンはちょっとあっさりしすぎてる感もあるけれど…。 2作通して、出てくる女性たちがとても魅力的でした。こんな人で在れるように、心がけながら自分も生きていきたい。
Posted by