殺人鬼フジコの衝動 の商品レビュー

真梨幸子【著】

2011/12/30

主人公であるフジコの思考がまったく理解できないまま物語が悪い方悪い方へと転がっていくから、読んでいて実に気分が悪い。もちろんそれが作者の狙いでしょう。
誰も救われないし、なにか教訓があるわけでもない。しかも終盤、夢と現実がごっちゃになっているものだから、なおのこと読んでいて不快感が募る。
愚かで、身勝手で、顔も心も醜い殺人鬼へと転落していったフジコの一生が描かれているだけです。

それがこの小説の素晴らしいところ。だから最後まで読んでしまった。

2011/12/30

読み始めたら止まらなくて、思わず一気読み。地の文で口語的な心情描写？が圧倒的に多いからだと思う。最後の方まで読み進めてまんまと叙述トリックにはまっていたと気付かされて、同時に何とも言えない気持ちに…。帯にある通り後書きまで読んでさらに気分が沈んだ。
でもここまでやられると逆に気持ちいい。平積みされてただけあって外れじゃなかった。

2011/12/29

いつだったか「この本を読み終えた後あなたはフジコを検索するだろう」みたいな謳い文句が付されていたような。それで気になっていたんですが。

残念でした。
描写はえぐいところもありますが、
後半は、まあ命を軽んじる描写をねらっているのかもしれませんが、単調な表現だったと思います。

2011/12/28

子は親の背中を見て、同じように育つ。
痛いほど気分の悪くなる内容。
ただ
「頭が良くなくても、才能がなくても、器量が良くなくても、
要領さえ良ければ、この世は渡っていける」
この文章には共感できる。
最近、似たようなことを
幼なじみに言われたっけ。

2011/12/28

虐待する側、される側双方の心理描写が妙にリアル過ぎて怖い。
作者虐待経験があるのかな。
途中で読めなくなる人がいると思うけど、こういう救いようのないダークな本は意外とはまる事がわかって、それもまた怖かったりする。
ノンフィクション手記風に書かれたフィクションで、本当に過去にあった話だと勘違いする人がいそうな奇妙な本。
あとがきを最後まで読むと、よりディープでダークな世界が・・
ここまで書けるのはすごいな、ということで満点

2012/03/11

守山２０１１．１２・３自己購入
虐めといってもあり得ないようなあり得たような虐め！
しかし此処まで酷い生涯を送る事は無いような気がしますが.....
この小説を通じて真梨幸子という作者に興味を持ってしまいました
言葉やリアリティー遠慮の無い着飾らないところが面白い
是非他の作品も挑戦したい
貸出；油谷（2012.2.4）返却（2012.2.11）
15人も惨殺した殺人鬼フジコの生涯を書いている本です。次々と人が死んでいきます・・・
「この本はあとがきまでが物語りです」と帯に書いてあったのですが、確かにあとがきを読んで自分が想像出来なかった結末だったので衝撃でした！
貸出：赤木　2012.2.12→2.22
小説とは言え、物事（人生）が最悪の状況に進んで行く時は、案外小説にあるようなストーリーなのかも？っと感じながら読んで行くと・・・・・・・・・・・
なかなか、スリルのある小説でした。

2011/12/26

帯のインパクトに負けて買った本。
帯のせいでハードルあがりすぎてて逆に期待せずに読んだ。
どんでん返しも予想通り？ぱっとせず、親子二代に渡るカルマ的な何かも分かりにくくて理解に苦しんだ。
読解力のなさが原因かも。
とにかく救われない話だったから今すぐ二回読む気にはならない。
ぐいぐい読みすすめられる作品ではあったと思う。

2011/12/25

一家惨殺事件の生き残りとなった１１歳のフジコ。
その彼女がいつしか人を殺すことを止められない殺人鬼になってしまう。
もちろん、殺人はいけないことですが、この小説の怖さは人間の汚い部分が、周囲の人にもたくさん現れているところかも。
虐待、苛め、教師の無関心、見栄っ張り。。

そして、自分の意思で殺人を犯しているように見えるフジコも、実は周囲の善良者に操られていたのかもしれないという結末（あとがき）。

クリスマスの日に風邪で寝込みながら、一気に読み終えてしまいました。

2011/12/25

すごーく、すごーく暗くて救いのない話。
もーフジコが救いようもない…
ネグレクトで美波を殺してしまったのがどうしようもない程切なかった…
あと裕也を殺すなら裕也の両親も（特に父親）も殺せば良かったのに…と思ってしまった（笑）
最後の方は簡単にドンドン殺しちゃうからちょっと感情移入できなかったかな？
帯に書いてある通り最後の最後まで読むべき。
読み終わった後は最後にフィクションですって書いてあったにも関わらず思わずググってしまった。

2011/12/23

読ませる読ませる。流れるようにサラサラっと。最後まで楽しんだが、衝撃のラストはちょっと間違い…ただ凄惨なシーンが好み。