七つの夜 の商品レビュー
7つの夜。神曲、悪夢、千一夜物語、仏教、詩について、カバラ、盲目について。この並びを見ただけでヨダレが出そうだと、思わず買ってしまった。 中でも、「神曲」の夜は群を抜いていると思った。必ずいつか読もうと決意させるほどの、もうなんというか魔術的な魅力があって、それは例えば「仏教」...
7つの夜。神曲、悪夢、千一夜物語、仏教、詩について、カバラ、盲目について。この並びを見ただけでヨダレが出そうだと、思わず買ってしまった。 中でも、「神曲」の夜は群を抜いていると思った。必ずいつか読もうと決意させるほどの、もうなんというか魔術的な魅力があって、それは例えば「仏教」の夜にはないものだ。ボルヘスという人の住処を感じる本だった。
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- ネタバレ
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以下の引用だけでこの本の魅力は伝わると思います。 (ホメーロスは)『オデュッセイア』の中でこう言っています。「神々は、来るべき世代が何か歌うことを持てるように、人間たちに不幸を用意する。」もうひとつは、ずっと後になりますが、マラルメの句で、ホメーロスが言ったことを、ホメーロスほど美しくはありませんが、繰り返しています。tout aboutit en un livre.(すべては一冊の本となる)。両者の相違は次のとおりです。ギリシア人のほうは歌う世代のことを語っているのに対し、マラルメはある物、いくつもある中のひとつの物、すなわち一冊の書物について語っている。だが、考えは同じです。その考えとは、私たちは芸術のために作られている、私たちは記憶のために作られている、私たちは詩のために作られている、あるいはおそらく私たちは忘却のために作られているというものです。しかし何かが残る、そしてその何かが歴史もしくは詩なのですが、両者に本質的な違いはありません。
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