フリークス の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
Anotherで著者の作品と出会い、読み進める中で本作と出会いました。 著者の殺人鬼で感じた圧倒的な恐怖の世界とは違い、ガチンコのミステリーやスプラッター作品を期待していた方には違った世界観を感じることが出来る作品。 患者シリーズとも言うべき三遍の中短編が納められ、物語はK※※総合病院の精神科病棟に入院する患者の思考を描き出す。 タイトルでもある「フリークス」は一見すると非現実的な奇形も登場してくるが、その中にもしっかりとミステリーとしての要素も含まれている。 本作を読み終えて思うのは著者の描写には一貫して読者は作品の主人公に置き換わることなく、どこか少し離れたところ(空気感や音、臭いなど感じられるる程度)から、あくまでも第三者の視点で作品(世界観)を見せてくれることだと感じた。 その描写の巧さはこれからも私を虜にし続ける。 説明 内容紹介 その歪みこそが、愛のしるし。 狂気の科学者J・Mは、五人の子供に人体改造を施し、“怪物”と呼んで 責め苛む。 ある日彼は惨殺体となって発見されたが! ――本格ミステリと恐怖、そして異形への真摯な愛が生みだした三つの物語。 内容(「BOOK」データベースより) 「J・Mを殺したのは誰か?」―巨大な才能と劣等感を抱えたマッドサイエンティストは、五人の子供に人体改造術を施し、“怪物”と呼んで責め苛む。ある日、惨殺死体となって発見されたJ・Mは、いったいどの子供に殺されたのか?小説家の「私」と探偵の「彼」が謎に挑めば、そこに異界への扉が開く!本格ミステリとホラー、そして異形への真摯な愛が生みだした、歪み真珠のような三つの物語。
Posted by
精神病棟が舞台の3つの中編です。ホラーテイストですがしっかり本格で、2編目は別出版社で単行本でも出ていました。患者の目から語られる時点で既に何が本当のことかがわからないのですがそれを探りながらあっと思わせるところは流石だと思います。既読でしたが全く覚えていなかったのでぐるんと情景...
精神病棟が舞台の3つの中編です。ホラーテイストですがしっかり本格で、2編目は別出版社で単行本でも出ていました。患者の目から語られる時点で既に何が本当のことかがわからないのですがそれを探りながらあっと思わせるところは流石だと思います。既読でしたが全く覚えていなかったのでぐるんと情景がひっくり返される醍醐味と作者ならではの味を楽しみました。表題作は特に作者の上手さを感じます。こんなテイストですが表紙絵のようなおどろおどろしさはなく、意外とあっさりと読めて読後感も悪くはなかったです。
Posted by
精神崩壊のような狂気的な本を探していたところ、この本に出会いました。 綾辻行人は初めて読んだのですが、推理小説のイメージがあったので怪奇的で不思議な物語にまず驚きました。 短篇集で内容的にはとある精神病院の入院患者たちの事件でしたが、統合失調とも取れる精神錯乱状態の入院患者たちの...
精神崩壊のような狂気的な本を探していたところ、この本に出会いました。 綾辻行人は初めて読んだのですが、推理小説のイメージがあったので怪奇的で不思議な物語にまず驚きました。 短篇集で内容的にはとある精神病院の入院患者たちの事件でしたが、統合失調とも取れる精神錯乱状態の入院患者たちの果たして何が真で何が嘘なのか? 自分は誰なのか?という謎は、ドグラ・マグラ的な読者を錯乱させるミステリーで面白かったです。 特に表題作「フリークス」は殺人事件に関しての謎解きもしっかりしていて、気持ち悪さや猟奇的な文章に加えて 綾辻行人らしいトリックと推理も含まれているので、読み応えがあって面白かったです。
Posted by
表題作のフリークスが面白かった。個人的に乱歩の孤島の鬼には諸戸の存在といい奇形の存在といいそこはかとなくエロさが漂ってるなって思いながら読んでいたんだけど、こっちのフリークスは気持ち悪さの方を押してるなって感じ。
Posted by
三つの病室に収容されている患者たち。 手記 悪夢 畸形 精神病 共通のモチーフをいくつも持って並んだ三作は綾辻行人の怪奇趣味の表出か。 閉じ込められた空間で自分の形に懐疑を抱く人々の禁断の鏡のような。
Posted by
一気読みでした。 精神病院が関わる話。 母のお見舞いに来た話、夫を亡くした記憶障害の妻の話、仲良くなった精神科医から手渡された患者の小説の犯人について考える小説家の話。 けれど、その結末には後味の悪い展開が待っていた。 日記形式で非常に読み進め易く、先も気になってしまい、あ...
一気読みでした。 精神病院が関わる話。 母のお見舞いに来た話、夫を亡くした記憶障害の妻の話、仲良くなった精神科医から手渡された患者の小説の犯人について考える小説家の話。 けれど、その結末には後味の悪い展開が待っていた。 日記形式で非常に読み進め易く、先も気になってしまい、あっという間に読了しました。 後味の悪さは流石綾辻さんと言えるのではないでしょうか。最後の話だけ、疑問が少し残る感じで終わったので、ネットで考察を読みたいと思います。 遠田さんの絵もとても好きです。
Posted by
狂気の科学者が5人の子どもに人体改造をほどこします。ある日、その科学者が殺されるのですが、犯人となり得るのは子どもたちのうちの誰かしかいません。科学者から“怪物”と呼ばれ、虐待を受けつづけてきた彼らには動機は十分。しかし、奇形の彼らがどうすれば惨殺をおこなえたのか。かなりグロな描...
狂気の科学者が5人の子どもに人体改造をほどこします。ある日、その科学者が殺されるのですが、犯人となり得るのは子どもたちのうちの誰かしかいません。科学者から“怪物”と呼ばれ、虐待を受けつづけてきた彼らには動機は十分。しかし、奇形の彼らがどうすれば惨殺をおこなえたのか。かなりグロな描写でゲンナリはしましたが、困ったことにおもしろい。ミステリーとしても随所に仕掛けがちりばめられていて楽しめます。
Posted by
収録作品3編。 「409号室の患者」感想 乗っていた自動車が転落事故を起こした。 同乗していた夫は死に、妻である自分はどうやら生き残ったらしい。 らしいとしか言いようがないのは、記憶がまったくないからだ。 自分の名前さえ覚えていない私は、本当は誰なのだろう・・・。 思うように動く...
収録作品3編。 「409号室の患者」感想 乗っていた自動車が転落事故を起こした。 同乗していた夫は死に、妻である自分はどうやら生き残ったらしい。 らしいとしか言いようがないのは、記憶がまったくないからだ。 自分の名前さえ覚えていない私は、本当は誰なのだろう・・・。 思うように動くことも出来ない。自分の顔を見ることも出来ない。 九死に一生を得た私は、事故によって記憶を失い自分が誰なのかさえわからなくなっていた。 しかし、徐々に断片的によみがえってきた記憶が、私を追い詰めていく。 私は誰かを殺したことがある・・・。 殺人をおかした私は誰で、殺されたのは誰なのか? やがて記憶の底に眠っていた殺人をはっきりと思い出した私は、担当医にそのことを告げる。 覚えていたとおりの場所から白骨死体が発見されたのだが、殺害時期がどうしてもあわない。 「夢魔の手」を読んだあとだったので、かなり注意深く読んだつもりだった。 なのに、また見事に裏切られてしまった。 示された結末の可能性が少しも思い浮かばなかった時点で、完全に負けている・・・。 いや、別に綾辻さんと勝負しているつもりはないのだけれど。
Posted by
freaks。 物語が不思議な雰囲気で始まって、後味の悪い終わり方をする。3つ目の作品が結局意味が分からなかったのでもう一度読みたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ある人に勧められて購入。 それぞれの話が繋がっているのかと思っていたがそんなことはなかった。 どの話もどこか歪んでいて、その不安定感が心地よく、世界に浸ってしまいました。
Posted by