フリークス の商品レビュー
とても読みやすくてすぐに読み終えた。 精神異常者の心のあり方が手にとるように読み取れる。どれが真でどれが偽物か、それは全て内にあるものなのかなあ。
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ずっと気になってた1冊です。 読んでいる間、ずっと背筋がゾクゾクしてました。安定の読みやすさでサクサク読めます。 お化けの怖さとかはなくどちらかと言うと今の世界が、現実か妄想の世界なのか不安で仕方なくなる怖さがありました。途中で何度か寝落ちしながら読んだので尚更そう感じました。...
ずっと気になってた1冊です。 読んでいる間、ずっと背筋がゾクゾクしてました。安定の読みやすさでサクサク読めます。 お化けの怖さとかはなくどちらかと言うと今の世界が、現実か妄想の世界なのか不安で仕方なくなる怖さがありました。途中で何度か寝落ちしながら読んだので尚更そう感じました。今の世界が完全に〝現実〟と言いきれないのがまたなんとも…。 ただ、自分の理解力が乏しいのか最後のお話の解釈がいまいち分かりませんでした。難しい…。 個人的には『四〇九号室の患者』が好き。
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「ジャケ買い」という言い方が本にも通用するかどうかという問題は別にして、ジャケ買いした本。 もちろん、綾辻行人さんのお名前や著作は知った上での「ジャケ買い」でした。 他の方からもちらほら上がっている意見ではありますが、私もあらすじにさっとしか目を通さなかったもので、長篇な...
「ジャケ買い」という言い方が本にも通用するかどうかという問題は別にして、ジャケ買いした本。 もちろん、綾辻行人さんのお名前や著作は知った上での「ジャケ買い」でした。 他の方からもちらほら上がっている意見ではありますが、私もあらすじにさっとしか目を通さなかったもので、長篇なのだと勘違いしておりました。実際には三篇から成る短~中篇集です。 個人的に好きだったのは、「夢魔の手――三一三号室の患者――」ですね。どんでん返しの感じやストーリーそのもののスピード感が心地よい作品です。 次の「四〇九号室の患者」はトリックを考えながら読み進めているとくどいほど丁寧な説明台詞が出てくるので、仕掛けが分かってしまいました。 最後の「フリークス――五六四号室の患者――」については、好みの問題だとは思うのですが、作家と探偵のやりとりが長すぎて中だるみを起こしてしまいました。 最近はグロテスクな作品が世間的にも迎合されつつある雰囲気があるせいか、今となってこの作品を読むと少し見劣りしてしまうように感じました(それぞれの発表年は本書末にあるように、92年、89年、96年)。 コンセプトに惹かれましたし、患者ごとのエピソードということで短~中篇集ながら読みやすい工夫がされていると感じました。ただ、想像していたようなエモーショナルな展開に劣ったので期待したものとは少し異なりました。
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フリーク(畸型)達の記録。 それは見た目の異常さであり 心の異常さでもある まさかの短編集だった。 内容のグロテスクさで言えば表題作の「フリークス」が一番だったが、ある程度ストーリーは読めてしまった。 終わり方で意表を突かれたのが一作目の 「悪魔の手」かな。 暗くて気持ち悪い...
フリーク(畸型)達の記録。 それは見た目の異常さであり 心の異常さでもある まさかの短編集だった。 内容のグロテスクさで言えば表題作の「フリークス」が一番だったが、ある程度ストーリーは読めてしまった。 終わり方で意表を突かれたのが一作目の 「悪魔の手」かな。 暗くて気持ち悪い雰囲気もさすがだし、二転三転でストーリーも面白かった! 二作目は結局死んだのはどっちなの?って疑問が置いてきぼりに_:(´ཀ`」 ∠): 精神病院が舞台の本作。 ずーっと暗鬱とした感じで、これが異常者の世界…って面白がって読んでたけど 最後のメッセージに痺れたよ… 「この世界に厳密な意味での正常(ノーマル)など存在しない。多かれ少なかれ、僕たちはみんな畸型(フリーク)なのさ。 そもそも人間なんていう動物そのものが、突然変異的に生まれた恐るべき畸型種なんだ。 ねえ、そうだろう?」
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3作ある内の1番最初が面白かった。2作目はあーこういうことかなって予想出来てしまったし、3作目は納得感はあったけどそう来たかみたいな感じではなかった。
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3編の短編小説から成る、長編だと思ってたのでちょっとがっかり。 どれも主人公=ヤバいやつっていうお決まりな感じで、読んでるうちにだんだんラストのオチが読めてしまって残念。
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10年近く前に「Another」を読んで以来、久しぶりの綾辻行人さんの作品。「Another」とはまた違った独特の怖さがありましたが、どこか似たような雰囲気があり、懐かしい気持ちも味わいながら読むことが出来ました。 「精神患者」を主題にしたミステリーを読むのは初めてでしたが、荘子...
10年近く前に「Another」を読んで以来、久しぶりの綾辻行人さんの作品。「Another」とはまた違った独特の怖さがありましたが、どこか似たような雰囲気があり、懐かしい気持ちも味わいながら読むことが出来ました。 「精神患者」を主題にしたミステリーを読むのは初めてでしたが、荘子の「胡蝶之夢」を思い出させ、「今この私が見ている世界も狂った自分の妄想なのではないか」と考えてしまう内容でした。背筋が寒くなる内容でしたが、昔から「胡蝶之夢」について想像を膨らましている私にとってはその恐怖が面白かったです。
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精神患者の記載した日記を主題とした作品。 「精神患者」としている部分から、色々な箇所に仕掛けを入れてあり、楽しく読めた。特に、3作目は良かった。幾つかの謎の答えをわざと提示せずに終わっている感じも良い。
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最初の話が1番良かった。 毎日、毎日同じようにお見舞いして、同じように贖罪をして、同じように記憶を無くすというのが世にも奇妙な物語感がある。 終盤の若い看護婦の戸惑いと婦長の手慣れたドライ感の対比もよかった。 2番目の話は園子と沙奈香のどちらなのか?というのが繰り返されて、逆に夫だけが生き残ってしまったのかも?と勘ぐる材料に。 園子と沙奈香の言葉遊びは気づかなかった。 3番目の話にはあまり魅力を感じなかった。 密室とフリークスというのが現実と非現実という感じで、うまく結びつかずに終わってしまった。
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五、六年前に購入して積んでいたものをようやく消化。綾辻行人作品はミステリを手当たり次第に読んでいた時期にいくつか読んだことがあるような気もするが、何を読んだか覚えていない程度。 最近翻訳小説ばかり読んでいたので文章があまりにも読みやすく少し感動した。言葉運びのテンポもいい。描写は比較的さっぱりしており、テーマに反して口当たりが軽く、短編ということも相まって(そして三作品集めても一冊が非常に薄いので)サッと読める。 短編三作からなる連作集。いずれも舞台は同じだが各話に直接的な繋がりはない。 本屋で表紙買いしたため事前情報なく、単なるサスペンス小説のつもりで読んでいたところ、まず一作目の叙述トリック的結末にパンチを食らう。そういえばこの人ミステリ作家だった。それもあり二作目、三作目はつい穿った見方をしてしまい、結末は予想通り。一作目のパンチが良かっただけに、短編という短いスパンで同じ手を繰り出されるとネタが読めてしまうのが辛いところ。 ただ、ネタは割れつつも三作目「フリークス」ではきちんとした「解ける謎」が胡乱な舞台設定(乱暴な言い方をするなら単なる妄想)の中にあったところは大変良かった。舞台自体を「これは何か?」と考える線とは別に、その舞台の中に秩序立ったフーダニットが仕込まれており、面白かった。 一点、フリークスの「探偵」の正体(本作において正体という言葉を使うのも野暮ではあるが)は、地の文の挙動の描写などから「(物理的に)鏡に映った主人公自身」だと思ったのだが、主人公も探偵も指の欠損箇所はどちらも左手である。鏡は作中作でも登場しており、特に拷問部屋で大鏡が粉々に壊されていた描写は意味深に感じたが、主人公が鏡と対話しているなら探偵の欠損は右手になるかと思うので、結局主人公は一作目の患者のように単なる幻覚と会話していただけなのだろうか。 他人の考察を読み漁りたい作品である。面白かった。
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