少年少女世界推理文学全集(NO.8) の商品レビュー
【十四のピストルのなぞ】 同時収録の「エジプト十字架の秘密」よりもページ数が少ないのですが、私としてはこちらの方が面白かった。 なお、このタイトルは本バージョンオリジナルであって、完訳版では『靴に棲む老婆』『生者と死者と』というタイトルで出ているようです。 舞台となる...
【十四のピストルのなぞ】 同時収録の「エジプト十字架の秘密」よりもページ数が少ないのですが、私としてはこちらの方が面白かった。 なお、このタイトルは本バージョンオリジナルであって、完訳版では『靴に棲む老婆』『生者と死者と』というタイトルで出ているようです。 舞台となるポッツ家の家族構成や屋敷の構造が面白い。さらにマザーグースの見立て殺人でもあります。映像化すればどんな風に描かれるのでしょうか。 最後、「衝撃の真相!」の連続で、お見事です。 【エジプト十字架の秘密】 「読者のみなさんへ たたかいをいどみます 犯人は、だれでしょう?」 当然、私に分かるはずなかった。 犯人の思考と行動があまりにも異常すぎます。単純過ぎる私には到底思いもよらない真相です。 しかしミステリーの知識を増やしていけば、トリックを見破る可能性が高くなっていくはずだ。 その考え方でいくと、ミステリーも時代が下がるごとに描かれたトリックやパターンのネタが増えていきます。 ネタ切れにはならないのでしょうか。 しかしそんな心配はよそに、次々と「衝撃の真相!」と銘打ったミステリーが生まれていっています。 「衝撃の展開!」のミステリーが生み出されている限り、人間の能力を人工知能が超えるという技術的特異点(シンギュラリティ)の心配はなさそうです。 というより、私はミステリーの種切れを心配するより前に、まず基本的なミステリーを読んで基礎的知識を充実させないといけない。 以上、本巻の翻訳は亀山龍樹さん。なかなかこなれた読みやすい文体だと思いました。 挿絵は横尾忠則さん。洒落た感じで、クイーンの作品世界にマッチしていると思います。 http://sfclub.sblo.jp/article/181417176.html
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