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親鸞に学ぶ信心と救い の商品レビュー

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2021/05/16
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 法藏館から1,000円(税抜)で本多弘之師の本が読めるなんて!と思って購入。  内容は「藤秀璻先生を偲ぶ会」の第五十回の最終回でのお話。50年毎年開催されたということか。そして半世紀の間には、その藤師を知る方も次々とお浄土に往かれたであろう。その中での区切りのお話であった。そういう会が続けられていくということに対しても伝えていく人が絶えないということを見せていただいた気がした。 ”慶ばしいかな、心を弘誓の仏地に樹て、念いを難思の法海に流す(『教行信証』「化身土巻」)”  我々は仏地に自力で立とうとする。著書中、「われわれの実存とメリトクラシー」という段で、メリットを積み上げていくという縦型の発想のお話があり、これが13年前のお話とは。今の自分にぐっさぐさに刺さってくる話なのだ。自分でなんとか出来ると思っている自意識過剰な自分。  今現在、生きていくという行為(生活、仕事)である意味自分を追い詰めているため、この現代人の孤独を指摘されるお話などはもう今の自分に書かれているのかと思うほど腹の底に来た。解決の指針ではなく、いまの自分がどういうものかというのを見せられた。  このお話はずっと本願のお話をされている。「本願が動き出す」ここだけとりだすとなんだそれとなりそうだけど、本多師のこういう表現のひとつひとつにハッとする。 ”親鸞聖人のおっしゃる救いというのは、横超の救いですから横から来るということです。本願力によって支えられるということを本当に感じるならば、それでいいのだと。そこからどうにかなろうという話ではないわけです。”  自分は「どうしたら本当のことがわかるのか」「自分が救われるにはどうしたらいいのか」というところから出られない。出ていると自分で思い込んでもまた戻っている。でもそこへ「南無阿弥陀仏」が届いたわたしに横超の救いというか支えが気づかずしてあり、その仏地に樹つ。弘誓の仏地に樹つ。如来からの信心をもって、根を張り樹たせられていたようだ。というように自分は感じた。自分の実感はないところで。  この本最期に、『正像末和讃』について触れられている。この本の後は、『晩年の親鸞』を続けて読むといいなと思った。

Posted byブクログ