無趣味のすすめ 拡大決定版 の商品レビュー
雇用、国際、政治、あらゆる社会問題について あらゆる角度から語られたエッセイ集。 読む前イメージしていた内容とかなりギャップがあったが、私のような甘ったれ社会人としては大変痛いところを突かれる思いであり、重く受け止めながら読んだ。 あと興味深かったのは、「成熟したくない」「洗練...
雇用、国際、政治、あらゆる社会問題について あらゆる角度から語られたエッセイ集。 読む前イメージしていた内容とかなりギャップがあったが、私のような甘ったれ社会人としては大変痛いところを突かれる思いであり、重く受け止めながら読んだ。 あと興味深かったのは、「成熟したくない」「洗練されたくない」という著者自身の思いについて。 以前わたしの好きな作家も、成熟に興味がない、と話しており、その時は単純に凄いなあ…程度にしか受け取れていなかった。 しかし、『無趣味のすすめ』の中で、 「曖昧な共通理解に依存した小説は限りなく堕落する。」 という一文を読んだ時彼らの言葉の意図が少し開けた気がした。
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政治、経済などの社会問題に、著者が物申すエッセイ集。個人的に共感したものをあげると、作品としての「最高傑作」の考えである。天才の定義として、著者は作品群を残すことが重要で、しかも、その作品群が体系的、重層的であることが必要条件だという。そのため、同じようなテイストやモチーフを作...
政治、経済などの社会問題に、著者が物申すエッセイ集。個人的に共感したものをあげると、作品としての「最高傑作」の考えである。天才の定義として、著者は作品群を残すことが重要で、しかも、その作品群が体系的、重層的であることが必要条件だという。そのため、同じようなテイストやモチーフを作り続けるのは、単に焼き直しだと批判する。また、表現者側としては、これが最高傑作だと自負する必要はなく、より良い作品群を作り続けることがはるかに大事だという。最高傑作は批評家やメディア側が勝手に言えばいいと考える。(本書で言及してるが、小説家である著者は、文章は常に正確さと簡潔性を意識しており、読者が内容を理解できるように配慮してる。そうしないと、意図が伝わらない。) また、国民の政治および政治家に対する向き合い方にも共感できる。たとえ政権が交代したとしても、国民は、政権政党が掲げたマニュフェストを、適切に実行してるかを監視し、評価し、批判する。それが大事だという。これと関連して、ダメな指導者に共通するのが、演説や会見等で、主語と述語は明確にせず、やたら修飾語でごまかす(命がけで、しっかりと、きちんと、粛々と、など)らしい。
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小説家のエッセイを読むのはほぼ初に近かった。 だからなのかまず初めに驚いたのは自分の考えの言語化能力の高さだ。 そして、それこそが本来の言葉の使い方だな。と思った。 原因が分からないトラブルが1番怖い。対処法が分からない。というのは納得出来た。
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書かれた時期としては10年くらい前のものですが、今読んでも新鮮に納得出来る内容で、村上龍さんの言葉1つ1つがしっかりと伝わる内容でした。通勤で読みましたが、短い文章なので読みやすくてあっという間に読めました。
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無趣味のすすめ 少数派という原則 グローバリズムは思想ではない 「好き」という言葉の罠 仕事と人生のパートナーシップ 最高傑作と「作品群」 オーラの正体 夢と目標 情熱という罠 集中と緊張とリラックス トラブルの種類 ビジネスと読書 リーダーの役割 スケジュール管理 ライバルとい...
無趣味のすすめ 少数派という原則 グローバリズムは思想ではない 「好き」という言葉の罠 仕事と人生のパートナーシップ 最高傑作と「作品群」 オーラの正体 夢と目標 情熱という罠 集中と緊張とリラックス トラブルの種類 ビジネスと読書 リーダーの役割 スケジュール管理 ライバルという他者 効率化とゆとり 決断する力 失敗から得るもの 謙虚な成功者 若者と欲望 雇用のパラドックス 成功者に学ぶ 成熟と洗濯
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内容に共感できない。 コンセンサスなどの意味を知らないカタカナ語が頻繁に出てくるのが不快。 小説家が書いたとは思えない内容。ページ数が少ないせいかもしれないが、一つ一つの説明が浅く平素に感じる。
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経済と政治についてのエッセイ。 一つ一つの話についてはページ数が少ないが内容が濃くて読みやすい。また、読むことで生活や仕事について新しい視点が発見できる。 「村上龍はどういった指摘でビジネスや経営者と話しているか」などカンブリア宮殿の見方が変わる
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
村上龍氏のエッセイ集。 『コインロッカーベイビーズ』の「ダチュラ」に衝撃を受けて以来、全ての作品を読んできた。村上龍の文章はとにかく疾走感に満ち溢れている。そして、恐ろしく文章がうまい。このエッセイの中には、一度読んだらなかなか忘れられない文章がいくつかある。2つ紹介する。 1. 「好き」という言葉について。 「わたしは小説を書くのが好きではない。じゃあ嫌いなのかというとそうでもない。おそらくそれがなくては生きていけないくらい重要で大切なものだが、非常な集中を要するのでとても好きとは言えないのだ。わたしにとって小説を書くことは好きという言葉の枠外にある」 好きという言葉がいかに曖昧であるかを示している。曖昧さ、馴れ合い、洗練を拒否した作家ならではの一文である。 2. ビジネスにおける文章について 「うまい文章、華麗な文章、品のある文章、そんなものはない。正確で簡潔な文章という理想があるだけである」 まさに村上龍の文章そのものを形容しているかのような文章である。この文章に触れた時、尊敬する通訳者の先生の言葉を思い出した。圧倒的な英語力、そして恐ろしいほど正確に訳出された日本語。アメリカ大使館の通訳を30年以上も務められた方である。「外国語で文体とか流麗な文章とか考える必要はない。正確に過不足なく伝えること。これに尽きる」達人の至言である。
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単行本で読んだとき以来の再読となるエッセイ集。 かなり強引に全体を要約すると、「自分のしていることに線引きをするな」ということでしょうか。 仕事と趣味、労働者と消費者、仕事のパートナーと人生の伴侶・・・。これらの二分法に否定的な著者は、自分のしていることはすべてつながっている...
単行本で読んだとき以来の再読となるエッセイ集。 かなり強引に全体を要約すると、「自分のしていることに線引きをするな」ということでしょうか。 仕事と趣味、労働者と消費者、仕事のパートナーと人生の伴侶・・・。これらの二分法に否定的な著者は、自分のしていることはすべてつながっているということを強調しているようです(あくまで「ようです」が)。 逆にいえば、すべてのつながりを発見するには、すべてといえるだけのことをしていることが前提です。質は量から生まれる、最高傑作は作品群から生まれるように。 「最高傑作という言葉に値する仕事をするためにはまず多作であることが求められるわけだが、それだけではない。『体系的・重層的』な作品群であることが必須で、要するにルーティンワークを拒絶していなければならないのだ。」 「最高傑作と『作品群』」というエッセイからの抜粋です。まさにこのエッセイこそが、このエッセイ集における最高傑作に思えたのでした。
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すっかり村上作品に魅せられて初めて買ってみたエッセイ集。ビジネスマン向けのエッセイだからかだいぶアツい内容だけど納得できるところが多く(既視感のある内容ではあるけど)、共感しながら読めた。個人的には「集中と緊張とリラックス」で自覚的にリラックスと集中をする、だからできるひとにはオ...
すっかり村上作品に魅せられて初めて買ってみたエッセイ集。ビジネスマン向けのエッセイだからかだいぶアツい内容だけど納得できるところが多く(既視感のある内容ではあるけど)、共感しながら読めた。個人的には「集中と緊張とリラックス」で自覚的にリラックスと集中をする、だからできるひとにはオンとオフの区別がない、のあたりが一番腑に落ちたし、自分のやり方を考えさせられてぐっと来た。また、著者の「飢え」に対する感覚は非常に重要だと思うし、やらないといけない人とやりたいからやる人、この違いは後の結果にも大きく違いが出るに違いがない。自分はどちらだろう。
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