使えるマキャベリ の商品レビュー
マキャベリと聞くとやはり「君主論」を先ずは思い浮かべる。マキャベリズムと言われる様に、どこか強大な権限を振りかざした専制君主が絶対的な強権で民衆を支配する様なイメージを想像する。現代社会のビジネスシーンでは、部下を育て支援しチームとして利益を挙げるよう習うし、競争と言いながらもw...
マキャベリと聞くとやはり「君主論」を先ずは思い浮かべる。マキャベリズムと言われる様に、どこか強大な権限を振りかざした専制君主が絶対的な強権で民衆を支配する様なイメージを想像する。現代社会のビジネスシーンでは、部下を育て支援しチームとして利益を挙げるよう習うし、競争と言いながらもwin-winの関係性を築いて、例えライバルであっても手を取り合って協働する事が美徳であるような感覚を抱く。確かに大きな仕事をしようと思えば、1人の力は限られているし、周囲と連携、協力するためには、協力相手の利益も考えなければ上手くいかない。最近は持続可能性の重要性に囚われ過ぎて、社会貢献や共に成長する事が第一にあって、まさか他社や他人を出し抜いたり、騙し合いに競い勝ち、一人勝ちを目指すなんて事は、中々大きな声で言う人も居なくなった。とは言え、ビジネスは戦いであり、対取引先、社内においても競争のない会社が、果たして十分な利益を挙げて、たくさんの社員を満足に養っていく事など夢物語に過ぎない。所詮利益が無ければ分配はできず、ぶら下がり社員ばかりでは会社の未来は無く、世間から淘汰され、いずれは潰れる。人手不足が高じて、求職者有利、採用側は足元を見られる時代だから、多少期待値に届かない人でも採用に踏み切ったり、そのまま入社出来れば失いたくないから、サボりや遅刻など多少の事には目をつむる、なんて事もあるのではないだろうか。これではその会社のビジネスが経営者が描いた通りの未来に到達出来るか、かなり不安な状況だ。そういった社員ほど、自分の会社が儲からない理由を会社のせいにし、挙げ句の果てには、社長や経営陣が悪いと言い出す始末だ。 マキャベリとは少し離れたが、そうした空気を少し社内に感じ始めて、何か新しいやり方を探していた時、本書に出会う。当然君主論の名前や中身のさわりぐらいは知っているから、何か危険な香りを感じながらも、読み進めていくと、仕事に活かせる事ばかりで驚く。基本は実力主義、性悪説、綺麗事だけでは生きていけない、この考え方に尽きる。君主論が世に出た時は発禁処分になるくらいだから、余りにずけずけと人間の悪どさを正当化して論じられる内容に、少し引き気味にはなるが、納得できる事ばかりだ。基本が性悪説だから、他人を騙したり蹴落とすことへの罪悪感は無いに等しい。と、ここまで言い切ってしまうと、本当にビジネスが血みどろの戦いに変貌してしまうが、エッセンスは参考になる。 大切な事は最後に信じられるのは自分の力だけだと読み取れる。当たり前ではあるが、会社組織にいると、自分が社長や経営層でも無い限り、どこか組織の他人に頼りがちになる気持ちは誰もが持つ事だ。だからこそ、そこに向かうものが、その気持ちのまま登って行くのは危険極まりないし、結局勝てる組織にはなれないと、肝に銘じる必要がある。その気持ちの有無を経営層も見ているから、必然的にそうした人間は限界の位置に止まるのだ。自分の力を信じ、足りなければそれを究極まで磨き、絶対の自信を持って仕事に取り組む。それ位の気持ちでいなければならない。それを強く認識させてくれる。そして自分が会社のためと信じた施策を実現するためには、必要な説得力と説明力、それが例え多少の不正確を孕んでいたとしても、相手を納得させるだけの言葉が出ないとダメだ。チャンスは待っているだけでは訪れない。 さて、明日からも毎日、仕事に囲まれながら生きて行く。果たして自分が何かを成し遂げられるかは自分次第だし、1秒たりとも無駄に過ごす時間はない。サボっている人を尻目に自分は力を付けていくだけだ。納得いく給料を得て、誰にも文句を垂れず、ただひたすらに上を目指そう。今時そんな気持ちを抱いて仕事をしていると、社畜と呼ばれるのかもしれないが、会社のためと言いながら、真実は自分のためだ。自分の実力を試したいだけなのかもしれない。それでも在宅勤務で見られていないと安心して(本当は見られている)、サボっている人より、間違いなく会社の利益には貢献し、必要ともされるだろう。 本書は決して危険な思想では無く、自分自身への激として役立つものだと感じる。筆者の態度に多少腹立つ事もあるだろうが、それが筆者の狙いだと気付けば、私は騙されたフリして気持ちを切り替えられる。筆者もそうやって自分を奮い立たせながらやってきたに違いない。久々に心に響いた一冊だ。 そう自分を騙して読めると、本書は相当に面白い。
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2024/02/11 読破 一言:マキャベリの思想を現代語で話してくれる良書 感想 組織の作り方・在り方で悩まれる方は一見する価値があると思います。内容量が多くないのでさっと読めます。マキャベリの君主論を読む前後に読むと、理解が深まると思います。 下記は印象に残った点 ...
2024/02/11 読破 一言:マキャベリの思想を現代語で話してくれる良書 感想 組織の作り方・在り方で悩まれる方は一見する価値があると思います。内容量が多くないのでさっと読めます。マキャベリの君主論を読む前後に読むと、理解が深まると思います。 下記は印象に残った点 p65 人の成長には「必要性」と「緊急性」が必要。 人を動かしたいのであれば、「なぜ、そうする必要があるのか?」をとことん説明すべき。 p72 悪口は言わないようにするのが、長の勤め。 言うなら本人へ直接伝えるべき。 p79 他人と差別化し、突出するまでは「目立ち」 突出したあとは「謙遜」すべき。 p87 立派なアイデアも、上手に他人へ伝えられなければ持っていないのと一緒。 話術を鍛えよ。 p95 自分の能力については、言葉よりも 過去の実績や、行動で示す。 例)私にはコミニケーション能力がある →弁論大会で優勝したことがある p112 人を動かす方法 ①恐怖を煽ること ②罪悪感を煽ること ③ユーモアを感じさせること ④報酬を用意すること(p122) 報酬の用意例 例)ボーナスの権利を付与 出勤につきトランプを一枚 5枚集まったらその配役で1番強い人が20ドルゲット →ボーナスは1人にしか払わなくていい p142 ⭐︎ 自然はごく少数の人間しか強くしない。 だが、努力と鍛錬は多くの人間を強くする。 p178 知恵と力の使い方 実力があるときは、ライオン(力) ないときは、イワシ(知恵)
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再読。 なんとなく本棚から手に取って読んでたらハマってしまいました。 この人の本おもしろい。心理学者の本。 マキャベリの考え方は仕事にもすごく役に立つ。 性悪説。 理想は理想として、人は基本的に悪である。 全部が全部納得できる訳ではないけれど、いいと思った部分だけを盗めばいい。 ...
再読。 なんとなく本棚から手に取って読んでたらハマってしまいました。 この人の本おもしろい。心理学者の本。 マキャベリの考え方は仕事にもすごく役に立つ。 性悪説。 理想は理想として、人は基本的に悪である。 全部が全部納得できる訳ではないけれど、いいと思った部分だけを盗めばいい。 これがつまり読書の醍醐味ということですな!
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マキャベリと言えば『君主論』を浮かぶ。ビジネスだけではなく日常生活において大切なことも綴られている。 項目を2つだけ紹介しよう。 1つ目は相手の約束を守らなくとも(本当はよくないのだが…)自分で決めた約束は守ること。周囲に「俺は3ヶ月以内に7kg痩せる。」と宣言する。もし...
マキャベリと言えば『君主論』を浮かぶ。ビジネスだけではなく日常生活において大切なことも綴られている。 項目を2つだけ紹介しよう。 1つ目は相手の約束を守らなくとも(本当はよくないのだが…)自分で決めた約束は守ること。周囲に「俺は3ヶ月以内に7kg痩せる。」と宣言する。もし、そのことを果たせなかったらどう思うのか。恐らく多くの人はこの人大丈夫なのかと不信な疑問を抱くだろう。相手が言い出した約束を破るより自分で発言したことを守れない方が罪が重いだろうと私は考えている。守れそうにない約束は最初から慎むべきである。今後、私も自分の発言には責任を持って色んな人と話をしたい。 2つ目は人との接し方について書いていきたい。 よく「みんなから好かれる人になりなさい。」と一度は言われたことは皆さんもあるだろう。しかし、マキャベリの視点から言えば八方美人ほど有害なものはない。誰にもいい顔をすれば好かれるのは不可能だ。さらに、親切にすることは美徳とされているが場合によっては悪徳になることもある。今の親が息子・娘の大学生の就職活動まで顔を出すのがひとつの例として挙げられるだろう。就職が難しくて心配したくなる気持ちはわかる。ただ、あまり首を突っ込んでしまうと自立の妨げにもなるだろうし就職に至るまでのプロセスを自分の力で考えられなくなってしまうのかなと思う。どうやらせるかは考えさせ、突き放すことも必要なんじゃないかと考えている。 悪いことが善い結果に結びつく可能性があること、善いことが悪い結果を招き兼ねない状況になることを学んだ。
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政治思想家として有名なニッコロ・マキャベリは人間の本質を見抜いた数々の言葉を残しているとのこと。その言葉を現代のビジネスに生かすなら、どんな行動習慣が必要かを解説しています。
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マキャベリの著書から、その思想のエッセンスが詰まった訳文を紹介し、「現代の」ビジネスシーンでの活用の観点から解説している。著者は「自分のアドバイスはマキャベリの焼き直しのように感じる」くらい、マキャベリの影響を受けたそうである。そんな著者が紹介しているマキャベリの言葉は、さすがに...
マキャベリの著書から、その思想のエッセンスが詰まった訳文を紹介し、「現代の」ビジネスシーンでの活用の観点から解説している。著者は「自分のアドバイスはマキャベリの焼き直しのように感じる」くらい、マキャベリの影響を受けたそうである。そんな著者が紹介しているマキャベリの言葉は、さすがに「分かりやすい」ものが選ばれており、非常に読みやすかった。 個人的には、ところどころに垣間見える著者の自己顕示の強さに苦笑いが禁じえなかったが、コンサルタントという職業を考えると、それもまた自己演出のひとつなのかとも感じた。 本書は自体はサラリと読める易しいものになっているが、マキャベリに興味をもち、その著書を手に取ることの動機付けとしても、一読の価値があると思った。
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頼れるものは自分だけだ、一定の距離を保ち続けるんだ。人を変えようとするな。結果が手段を正当化するんだ。ガンバリズムに酔う前に成果をあげよう。
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部下にはあまり読ませたくないなぁ、という一冊。 マキャベリの君主論が書かれた当時は統計などの学問がなかった(多分)ので経験に基づいた法則のような感じですが、現代でも十分にあてはまります。 マキャベリの本としてはすこし浅いように思いますが、読みやすいと思うので、入門書としてはよいと...
部下にはあまり読ませたくないなぁ、という一冊。 マキャベリの君主論が書かれた当時は統計などの学問がなかった(多分)ので経験に基づいた法則のような感じですが、現代でも十分にあてはまります。 マキャベリの本としてはすこし浅いように思いますが、読みやすいと思うので、入門書としてはよいとでしょう。僕としては最近 マキャベリ から離れていたので思い出すきっかけになりました。 ただ、みんながこの考えだと仕事が進まなくなりそうなんで、ま、そのあたりは考えどころですね。
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※このレビューにはネタバレを含みます
『使えるマキャベリ』/ちくま新書/★★★☆☆/ルネサンス時代のイタリアの政治学者マキャヴェッリの著作の断片から現代のわれわれの生活に適用できるものを、著者の見解と外国の心理学者の見解を交えて解説したもの。良い人すぎないとか、賞と罰を効果的に与えるなど、参考にしたいものが多かった。
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うーん、中途半端。 マキャベリのエッセンス的な部分を引用して、ビジネス心理学者である著者が解説するのだが、ちょいちょい「ほんまか~?」とか引用したマキャベリの語録に対して解釈が不十分と言わざるえない部分もある。フリーの作家として自信の体験による言葉はそれなりに重みがあってそこだけ...
うーん、中途半端。 マキャベリのエッセンス的な部分を引用して、ビジネス心理学者である著者が解説するのだが、ちょいちょい「ほんまか~?」とか引用したマキャベリの語録に対して解釈が不十分と言わざるえない部分もある。フリーの作家として自信の体験による言葉はそれなりに重みがあってそこだけは良い。 まあビジネスマンのマキャベリ入門としては、読みやすい。が、お金だすほどじゃなかったorz
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