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女の一生 の商品レビュー

3.9

29件のお客様レビュー

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2020/01/18

読み易いし読んでる間は楽しい。読み終わると、さー困った。何も書けない。ジャンヌという修道院で育った年頃の娘が早速結婚する。「純潔、無垢」とは「愚か、中身がない」ということでした。フレッシュな胡瓜は、屈辱という名の粗塩を揉みつけられ、こすられ、いい感じに、ならないんだよ。時代っちゃ...

読み易いし読んでる間は楽しい。読み終わると、さー困った。何も書けない。ジャンヌという修道院で育った年頃の娘が早速結婚する。「純潔、無垢」とは「愚か、中身がない」ということでした。フレッシュな胡瓜は、屈辱という名の粗塩を揉みつけられ、こすられ、いい感じに、ならないんだよ。時代っちゃそうだけんども、自分の考えを持たないで、守ってもらう前提の生き方に対する、やっぱり作者のディスりなんだよな。最後に放逐された召し使いが戻ってきて、教育なんか受けてなくても、しっかり賢いんだよ。作者こそ、産まれてる時代間違えてねえ?

Posted byブクログ

2019/11/20
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久々に良い本読んだ…ありがとう…ありがとう… 対極のロザリとジャンヌ…ふたりともなんの判断も選択もないまま生きて来たけど偶然に2人とも変わっていく… ジャンヌが受身すぎるって酷評されてたけどでもちゃんと生きてないかな、って思った。ジャンヌしっかり自分の人生生きてるだろ…?って思いながら読んでた。つらいことがあってもそれでも。あとがきに私が言いたかったことが上手く書いてあったから引用すると、「そんなに簡単に自分の力でものごとを選択したりできないものじゃないか」っていうこと まぁ受け身と感じられなかった私にもちょっと問題あるのではとは思う。確かに夫がクズすぎるけれども、キリスト教社会でそう簡単に離婚できないんだよねとも考えちゃうんだな。まぁしかしジャンヌは外部に自分の幸せ求めてはいけなかった。 なにぶん表現がうまいのがジャンヌが結婚する前後の心情だろうなぁ、ここから先何もないってところ。少女時代夢を見ていたものがこうも易々と手に入れられてしまって、その先が見えなかったって話はたぶん一歩間違えれば身近にもあり得る話だから

Posted byブクログ

2019/08/13

一気に読まずにはいられなかった。 古くて新しい。 男というのはしようのない生き物だ。 息子をどんな育て方をすれば、こんなになるかも納得する。

Posted byブクログ

2019/07/18

京都〜山形への新幹線で一気に読んだ。超おもしろかった。 「アンナ・カレーニナ」のアンナも、この「女の一生」のジャンヌも(あと他にもいた気するけど」、テンション上がり下がり激しくて情緒不安定気味で美しくて無垢で無邪気で無知でなんか不幸。ヨーロッパの貴族って皆こういう感じなの?そんな...

京都〜山形への新幹線で一気に読んだ。超おもしろかった。 「アンナ・カレーニナ」のアンナも、この「女の一生」のジャンヌも(あと他にもいた気するけど」、テンション上がり下がり激しくて情緒不安定気味で美しくて無垢で無邪気で無知でなんか不幸。ヨーロッパの貴族って皆こういう感じなの?そんな彼女たちに共感して心寄り添わせることなんて普通に考えてできないんだが、何故か、できるんです。モーパッサンすごい。 最初ジャンヌが恋に恋して、恋の歓びにおののく場面、素晴らしかった。読んでるだけで光が差してきそうだった。でも美しい場面だからこそ、だいたいのあらすじ分かってるからか、のちの不幸な人生との対比が際立ってしまって読んでて辛くなった。それにしてもジュリアンて嫌な男。こういう男だけは好きにならんようにしよう!と、気を引き締める!

Posted byブクログ

2017/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

積ん読になってて、映画化されたので、読もうと思った。 どちらかというと★2つ寄り。 女の一生じゃない。原題とは異なる。 寄宿学校を出てから、40代半ばまでのジャンヌの話。 結婚とは何なのか。 出会ってすぐに恋に落ち、瞬く間に結婚。 何の知識もなく、初夜で失望。 夫の不倫。 この夫は酷いな。最後はざまあって思ったけど。 あの転がるところの描写は凄惨さが伝わる。一番印象に残った。 子供への甘やかし。過干渉。親を利用する大人の出来上がり。 子育ての失敗が跳ね返ってくる。 不幸なジャンヌ。 夫については同情したけど、子供についてはそりゃあ仕方ないなと思えた。明らかに甘やかしだもの。 生きがいが何もなくて一人ぼっち。 思考が停止、鬱みたいになってるんだろう。 ロザリの言う通り、食べ物もあって息子は生きてるし、何を言ってるんだって思ったな。 自分が一番不幸と思っている。狭い中でしか生きてないから。 最後もどうなんだろう。 そこに落ち着くのか。 依存的な傾向がなくならない限りこの後も不幸だろうなぁ。 最後は強く生きていく方向になるのかと期待してどんどん読んでたのに、ガッカリした。

Posted byブクログ

2015/12/20

最後ハッピーエンドっぽい締めくくりだが、 その後幸せに暮らしてそうな気がしない終わり方。 過保護というか、世間知らずに育ってしまったことは不幸なのか。

Posted byブクログ

2015/12/13
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開高健「任意の一点」という小説や三原順「ロングアゴー」を思い出した。 叔母のリゾンが物語を通じて何度も現れる。ジャンヌは、最初は「かわいそうなリゾンおばさん」と見下していたのに、一緒に息子ポールに奉仕するのようになり、最後にはなぜ自分は愛されないのかとリゾンのように堕ちていくのが面白かった。 同時に、常にリゾンの影がちらつくことで「ジャンヌは自分を不幸だと思っているが、リゾンより不幸ということはないでしょう」と読者に思い出させようとしているのかと思った。それはロザリがジャンヌを農民よりマシという趣旨のことを言って叱咤するのと同じ効果があるのかもしれない。 ジャンヌも男爵もロザリも善良ではあるけれど、善良であるからといって幸福になれるとは限らない。 トルビアック神父のように、神を信奉したからといって幸福になれるわけでもない。 信じていた母も不倫をしていた、という展開はとてもよかった。

Posted byブクログ

2015/10/25

厳格なカトリック主義に沿う生き方と、奔放で世俗的な生き方の絡み合いと対比。 自然主義・多神教的な考えを持つお父さんが何故一人娘を厳格な教会付属の寄宿学校に入れてわざわざ貞淑な世間知らずに育てようとしたのか、そこが不可解でしたが、娘だからそうしたのであって、もしも一人息子を持って...

厳格なカトリック主義に沿う生き方と、奔放で世俗的な生き方の絡み合いと対比。 自然主義・多神教的な考えを持つお父さんが何故一人娘を厳格な教会付属の寄宿学校に入れてわざわざ貞淑な世間知らずに育てようとしたのか、そこが不可解でしたが、娘だからそうしたのであって、もしも一人息子を持っていたら別の育て方を選んだのでしょうか。 性的に奔放な社会に強い嫌悪感を感じる世間知らずで純粋な主人公。素敵な男性と出会ってすぐに結婚しますが、ハネムーンから戻ると夫は本性を表します。結婚はどんどん悪い方向に転がっていき、最後には主人公は何も悪いことをしていないにも関わらず一人ぼっちになってしまいます。弱り切った主人公を救ってくれるのは、自分の夫とかつて不倫関係になってしまった女性と、無職のダメ息子が結婚もせずに(その後籍は入れさせるが)作った孫娘。 箱入り娘として育てられ、遺産をやりくりする知恵もなく、唯一の心の救いだった子供も甘やかしてダメダメにしてしまい、それでも老後の自分の幸せをダメ息子に何とか見出そうとする主人公には切なくなります。

Posted byブクログ

2015/04/21

恵まれた境遇で育てられた娘ジャンヌが、希望と期待を抱いて愛した男性のもとへ嫁ぎ結婚生活が始まる。しかし皮肉にも、そこから彼女の転落人生は始まった。 リアリズム文学の名作として挙げられる本作ですが、これが『女の一生』であったら人生に匙を投げたくなります。 女癖の悪い夫、心を通わせ...

恵まれた境遇で育てられた娘ジャンヌが、希望と期待を抱いて愛した男性のもとへ嫁ぎ結婚生活が始まる。しかし皮肉にも、そこから彼女の転落人生は始まった。 リアリズム文学の名作として挙げられる本作ですが、これが『女の一生』であったら人生に匙を投げたくなります。 女癖の悪い夫、心を通わせた友人、そして最愛の息子にさえ…。題名は『裏切り』でも良いのではと思うほどジャンヌには苦闘と絶望の日々が押し寄せます。薄幸な彼女がそれでも周囲に期待し、夢破れ打ちひしがれる姿に、もう可哀想すぎて読んでいられないと暗い気持ちになるか、悲劇のヒロインと化した主人公に好奇心すら湧き読み進めるかは読者によって異なるかと思いますが、私は訳の読みやすさにも助けられ後者でした。女中がポツリと漏らしたラスト1行に、この本が伝えたかった全てが詰まっているように思います。 自分の人生に悲観し嘆きながら生きるか、与えられた環境のなかで逞しく切り開きながら生きるか。実は様々な「女の一生」が垣間見える味わいのある作品です。

Posted byブクログ

2013/08/14

生々しい、人生の“感じ”に触れることができました。 ロザリの最後の台詞である「ねえ、ジャンヌ様、人生ってのは、皆が思うほど良いものでも、悪いものでもないんですね」という言葉は、この言葉だけを抽出すれば、なんだかサラッと爽やかに終わった物語のように受け取ることも可能ですが、本文全...

生々しい、人生の“感じ”に触れることができました。 ロザリの最後の台詞である「ねえ、ジャンヌ様、人生ってのは、皆が思うほど良いものでも、悪いものでもないんですね」という言葉は、この言葉だけを抽出すれば、なんだかサラッと爽やかに終わった物語のように受け取ることも可能ですが、本文全体を踏まえると、いかにも気持ちが悪く感じられます。 第一、この感想はロザリの感想であるだけであって、この物語の総括ではないことが明らかだからかなあ。 原題は「Une vie」で、「ある誰かの人生」「不特定多数のなかから、無作為に抽出されたひとつの人生」といった意味をするとのことです。 主人公のジャンヌだけでなく、登場人物ひとりひとりの立場、視点からだと、人生がどう見えるのか。 考えてみると、ちょっと面白いなーと思います。(特にリゾン叔母さんの視点とか…)

Posted byブクログ