完本 日本語のために の商品レビュー
丸谷才一氏の個人的見解に過ぎないのだとしても、 高評価な小林秀雄の文章が一向に理解できない自分に向けられた残念感が緩和された一冊。 なんであんな解りづらい文章を評価するのだろう?評価出来る自分は素晴らしい、みたいな話なのかもしれないが、 茂木先生が大好きらしいから、きっとやっぱり...
丸谷才一氏の個人的見解に過ぎないのだとしても、 高評価な小林秀雄の文章が一向に理解できない自分に向けられた残念感が緩和された一冊。 なんであんな解りづらい文章を評価するのだろう?評価出来る自分は素晴らしい、みたいな話なのかもしれないが、 茂木先生が大好きらしいから、きっとやっぱり私の頭の理解力が不足しているのだろう。 この本と併せて、 鹿島茂氏のドーダシリーズの小林秀雄も、 私の小林秀雄コンプレックスの溜飲を下げてくれた。 しかし、小林秀雄は吉満義彦に何であんな難解な文章を書くのだ?と批判をぶつけたららしいから、小林秀雄は鹿島茂書くところのドーダに関しては無意識だったのか? そもそも脳内理論の構造が違うのやもしれぬ。 難しくても理解は出来て面白い、という文章もありますし。 日々、多少は脳みそが汗かくような難しい文章も読んでいかないと、読解力が落ちますな。
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言葉は時間を経過する事により変化する。これは当然だし否定すべき事では無い。しかし、国語を教える側がミスリードすることは許されることではない。
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【本の内容】 子どもに詩を作らせるな、文学づくのはよそう、分かち書きはやめよう、完全な五十音図を教えよう、正しい語感を育てよう…など、国語教科書をめぐる考察。 愚問、珍問、怪問続出、ちんぷんかんぷんの国語入試問題批判。 すでに歴史的名著といっていい日本語論のさきがけ『日本語の...
【本の内容】 子どもに詩を作らせるな、文学づくのはよそう、分かち書きはやめよう、完全な五十音図を教えよう、正しい語感を育てよう…など、国語教科書をめぐる考察。 愚問、珍問、怪問続出、ちんぷんかんぷんの国語入試問題批判。 すでに歴史的名著といっていい日本語論のさきがけ『日本語のために』に『桜もさよならも日本語』を加えて新編集。 いまこそ読みたい決定版「丸谷才一国語読本」。 「日本人はなぜ日本語論が好きなのか」を新たに収録。 [ 目次 ] 1 国語教科書批判(子供に詩を作らせるな;よい詩を読ませよう ほか) 2 日本語のために(未来の日本語のために;現在の日本語のために ほか) 3 国語教科書を読む(分ち書きはやめよう;漢字配当表は廃止しよう ほか) 4 言葉と文字と精神と 5 大学入試問題を批判する(慶応大学法学部は試験をやり直せ;小林秀雄の文章は出題するな) 附録(歴史的仮名づかひの手引き;和語と字音語の見分け方 ほか) [ POP ] 日本の識字率は高く、街には活字が溢れているが、伝統に則った日本語が継承されているだろうか。 国語改革により、文明全体が大きく損傷されたと著者は憂える。 子供に詩を作らせるな、小学生にも文語文を……と、国語教科書を考察する。 1974年刊行の『日本語のために』と、86年刊の『桜もさよならも日本語』を合本。 新編集による決定版「国語読本」。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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日本語の表記に関してこれまで抱いていた疑問の多くに対し、大きな示唆を得た。 その多くが国語改革による混乱から派生するものであることが確認できただけでも有意義だった。 ただし、新仮名使いが完全に定着した現在、どのように考えるべきか、もう一度論じて欲しい。
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書かれてから時間が経っているからだろうか、「おじいちゃん無理しないで」感がひどい。少なくとも私には旧仮名遣いの文章は徒に読みにくいだけだった。書くのも易しいというけれどあれだけ例外があるものは易しくはないし、自身も分からなくなると人に聞くという。 国語教育は文学者を育てるためのも...
書かれてから時間が経っているからだろうか、「おじいちゃん無理しないで」感がひどい。少なくとも私には旧仮名遣いの文章は徒に読みにくいだけだった。書くのも易しいというけれどあれだけ例外があるものは易しくはないし、自身も分からなくなると人に聞くという。 国語教育は文学者を育てるためのものでもなければ、読書に親しむ人間を増やすための物でもない。 そもそも仮名遣いを旧仮名に戻すのなれば、数学の先生も理科の先生も英語の先生も旧仮名を使用しなければならない。しかし、学校教育の場で新仮名が使われ始めてから少なくとも3世代にはなっているだろう。いったい誰が自由に旧仮名を使えるというのか。ただのマニアだけだろう。 実情に全く添わなくなってしまっていて、おじいちゃんの回顧録(昔はよかった、俺の時代は)のようになってしまっている。
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とにかく論理的だなあ、と。この本を読まなければ一生考えなかったような事も含め、言葉に責任を持つ、ということの意味を改めて考えさせられる本。日本語をめぐって何かを考えてみたい人、または何かを考えたいときに例えば日本語を対象とすればこのような考え方がある、という好例として一読をお勧め...
とにかく論理的だなあ、と。この本を読まなければ一生考えなかったような事も含め、言葉に責任を持つ、ということの意味を改めて考えさせられる本。日本語をめぐって何かを考えてみたい人、または何かを考えたいときに例えば日本語を対象とすればこのような考え方がある、という好例として一読をお勧めします。
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日本語といへば丸谷才一。丸谷才一といへば日本語。そんなイメエヂを強烈に植ゑ付けた一冊であります。「硬い評論と軟い随筆が同居してゐる風変りな本」(「あとがき」より)は、この後も『遊び時間』シリーズなどで継続されていきます。 国語教科書に関しては、本書が書かれてゐた時期、まさしく私は...
日本語といへば丸谷才一。丸谷才一といへば日本語。そんなイメエヂを強烈に植ゑ付けた一冊であります。「硬い評論と軟い随筆が同居してゐる風変りな本」(「あとがき」より)は、この後も『遊び時間』シリーズなどで継続されていきます。 国語教科書に関しては、本書が書かれてゐた時期、まさしく私は小学生だつたので、取上げられてゐる教科書には一部覚えがあります。ありましたねえ、子供に書かせた詩(のやうなもの)。理由ははつきり分からなかつたものの、読んでゐてとても恥づかしくなつた記憶があるのです。 教科書に載つた詩で、私が一番印象に残つてゐるものは、三好達治「土」であります。かういふのはやはり解釈よりもまづ感じることが先なのでせうね。 私が本書で最も衝撃を受けたのは、引用されてゐる志賀直哉の文章です。何と、日本の国語をフランス語にしやうといふ提案をしてゐるではありませんか。日本の文化の進展が阻害されてゐるのは、日本語のせいだと。それも自分の確固たる信念があるわけでもなく、「フランス語が一番よささうな気がするのである」...丸谷氏は「まつたく無茶苦茶な議論で、馬鹿につける薬はない」と断罪してゐます。そして更に不幸なことに、この意見はその辺のおやぢが酔つ払つて与太を飛ばしてゐるのではない、といふことですね。小説の神様といはれた、日本を代表する作家の発言であるといふことであります。まつたく暗夜行路ですなあ。 日本語ブウムといふのが断続的に起りますが、その都度本書に立ち戻り、大勢にミスリードされることなく一人ひとりが考へる責任があると申せませう。 http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-29.html
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恥ずかしながら、「国語改革」というものを全く知りませんでした 日本語が大きな危機に瀕していたことがあったなんて、驚きです そしてその危機は、現在進行形なんですね…… 終戦当時のこと、現在の問題、詳しく知りたくなりました 「国語教科書批判」は、いつ頃の文章なのでし...
恥ずかしながら、「国語改革」というものを全く知りませんでした 日本語が大きな危機に瀕していたことがあったなんて、驚きです そしてその危機は、現在進行形なんですね…… 終戦当時のこと、現在の問題、詳しく知りたくなりました 「国語教科書批判」は、いつ頃の文章なのでしょうか 自分は「詩を書け」とかいう授業を受けた覚えはありません(忘れてるだけかも) 国語教科書は改良されてきているのかもしれませんね 私は母語である日本語に愛着を持っています だから、その日本語の力が弱くなってきてしまっているのは悲しい 日本語に関する評論を、もっと読んでみたいです
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最初の単行本が出たときに読んでけっこう意識の中に残ったのだけど「完本」とやらになったということでもいちど読んでもいいかな。
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