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ムーア人の最後のため息 の商品レビュー

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2011/08/28

胡椒の香りに鼻の奥がひりつくような、そしてそれぞれの場面が映像としてくっきり立ち現われてくるような、嗅覚も視覚も総動員される濃密な読書体験。 登場人物の一人の言を借りれば、まさしく「凄まじい、凄まじい」一族の物語なのだが、一族各々の、我欲むき出しの生き様には圧倒される思い。 ...

胡椒の香りに鼻の奥がひりつくような、そしてそれぞれの場面が映像としてくっきり立ち現われてくるような、嗅覚も視覚も総動員される濃密な読書体験。 登場人物の一人の言を借りれば、まさしく「凄まじい、凄まじい」一族の物語なのだが、一族各々の、我欲むき出しの生き様には圧倒される思い。 それでも、語り手であるムーアの恋人ウマの空恐ろしさに比べたら、これらの人々の生への情熱の傾け具合いが、まっとうにすら見えてくるから不思議だ。 ムーアの大伯父アイリッシュ・ダ・ガマが新婚初夜、手付かずの花嫁をベッドに残したまま、彼女の花嫁衣裳を身にまとい、恋人である若者のこぐ舟で河を下って行く姿が、おぞましくも美しいシーンとして妙に印象的だった。 The Moor's Last Sigh by Salman Rushdie

Posted byブクログ

2011/07/04

胸焼けがしそうなくらい濃厚な物語。 読み終わるのに結構時間が掛かってしまった。 イベリア半島でのレコンキスタの頃に端緒を開いたと思ったら、 一転ボンベイへ。 民族、宗教、家族、一族のカオス。 「悪魔の詩」の作者としての漠然としたイメージしか持っていなかったが、 筑波大学での悲しい...

胸焼けがしそうなくらい濃厚な物語。 読み終わるのに結構時間が掛かってしまった。 イベリア半島でのレコンキスタの頃に端緒を開いたと思ったら、 一転ボンベイへ。 民族、宗教、家族、一族のカオス。 「悪魔の詩」の作者としての漠然としたイメージしか持っていなかったが、 筑波大学での悲しい事件をも踏まえて、 今後もご健康で、ご活躍いただきたいと思った。 そしてまたまたまた「訳者あとがき」。 既刊の作品多数の粗筋を丁寧に披露されている。 これを是とするのはなぜ? 異議を唱える私がおかしいのか? もういやだ…。

Posted byブクログ