若者はなぜ「就職」できなくなったのか? の商品レビュー
巻末にブックガイドあり。 新卒で正社員という道は相当狭き門になっている。 今の大学のキャリア教育というのは、その狭き門に無理矢理ねじ込もうという何とも付け焼き刃的な方法。 どちらにしても正社員になれる人数は限られているわけだし、実はナンの解決にもなっていない。 大学をはじめと...
巻末にブックガイドあり。 新卒で正社員という道は相当狭き門になっている。 今の大学のキャリア教育というのは、その狭き門に無理矢理ねじ込もうという何とも付け焼き刃的な方法。 どちらにしても正社員になれる人数は限られているわけだし、実はナンの解決にもなっていない。 大学をはじめとする教育機関は、学生を正社員にするにはということに固執するのではなく、もっと別の視点から若者の就業について考えていかなくてはならない。 例えば、正社員になれない(なれなかった)若者への支援方法。 また、将来、正規非正規を問わず働くに当たって知っておかないと泣き寝入りするはめになるようなこと(労働基準法など労働者を守ってくれるしくみなど)。
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教育の専門家による大学の教育論。教育の見地から大学教育について、よく研究されており正しい分析がなされていると思われるが、国家としての視点が欠けているため、教育者による教育論にとどまっており、ひとりよがりの感じがする。「社会の他のサブシステムとの関係をとらえて教育を論ずる」と言いな...
教育の専門家による大学の教育論。教育の見地から大学教育について、よく研究されており正しい分析がなされていると思われるが、国家としての視点が欠けているため、教育者による教育論にとどまっており、ひとりよがりの感じがする。「社会の他のサブシステムとの関係をとらえて教育を論ずる」と言いながらも、この考察は不十分である。現在の日本が置かれている危機的状況からいえば、多くの非正規労働者まで救済する余裕はない。本当は、老人に対する社会保障を切り詰め若者の教育に予算を回すべきであろうが、政治家にそれを求めるのは無理であろう。企業は優秀であれば外国人でも雇用するわけで、日本人だからといった特権はない。日本の若者も、世界に通用する資質を涵養するしかないのであって、それを手助けするのが大学であろう。世界大学ランキングでおそまつな結果しか残せていない日本の大学教育の関係者は危機感を全くもたない能天気な既得権益者としか思えない。政府を批判する前に大学自らが工夫し、世界に誇れる教育を行ってもらいたいものだ。 「最終的にに正社員になれなかった者のキャリア設計については、ほとんど目が生き届いていない」p164
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著者の問題意識には同感だし、論旨も全体的に異論はないのだけど、世間の多くの意見とはすれ違うんじゃないかなあと心配。 まあそのへんはこういう本をたくさんだして、ちょっとずつ啓蒙していくしかないのかな。
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これは文句なしに腑に落ちた. 後頭部をガツンと殴られて,目から鱗が落ちた感じ. 今まで何かしっくり来ないまま大学でキャリア教育というものに巻き込まれてしまっていたが,ずっと引っかかっていた違和感の固まりが取れた様な快感. しかし,産業界も大学も簡単には方向を変えないだろうな...
これは文句なしに腑に落ちた. 後頭部をガツンと殴られて,目から鱗が落ちた感じ. 今まで何かしっくり来ないまま大学でキャリア教育というものに巻き込まれてしまっていたが,ずっと引っかかっていた違和感の固まりが取れた様な快感. しかし,産業界も大学も簡単には方向を変えないだろうな. でもこのままの少し歪んだキャリア教育は何とかしなければならない. 著者の児美川先生,法政のキャリアデザイン学部所属というのは何となく妙な気がするが,もしかしたら名前から受ける印象で,この学部のことを誤解していたのかも知れない. 2回目:やはり児美川先生、すっぱり言い切ってくれている
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB04946650
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
キャリア教育の勉強のための本。このシリーズは読みやすいからホントおすすめだね!! 教育と就職力は昔から切り離せない。学歴の影が薄くなった今、教育には学問よりも仕事のスキルが求められるようになった。現代の若者が就職できなくなったのはやはり教育が就職力を鍛えられていないからだろうか。 そうではない。この本では、就職前線の社会的背景を解説しています。 ____ p6 教師として経験談を話せる時代じゃあない 新卒一括採用の時代が終わった今、年寄りの経験談は通用しない。現在の情報を仕入れて分析して説明できるリアルタイム・アドバイザーの資質が教師に求められる。 年寄りが語れるのは、不易と流行の「不易」の部分だけだ。 p44 教育にキャリア支援は専門外である 今教育はキャリア教育という新しいことを始めている。当然うまくいくはずはない。現在、命を削ってそのより良い方法を模索している。その人柱になっている教員がいる!頑張って! p100 学校の市場原理 学校間の競争が導入されている。それぞれの学校が自校の「強み」を必死に作ろうとしている。今、そこにキャリア教育のトレンドが加わり、ブームになった。私立校には徐々に多様な特色が生まれつつある。 公教育はどうしていくべきであろうか。学校で多様なサービスに答えられるのだろうか。いや、難しい。ではどのような代替案が生まれるか、注目である。 p176 「楽しく働きたい」の本音 最近の若者は、「楽しく働きたい」を求めている。裏を返せば、仕事が楽しくないと認識しているのであろう。仕事は楽しいことばかりで成り立つわけがない。けれど、バブルのころのように労働者に余裕がない時代では、こんな言葉が出るのもしょうがないのかもしれない。 せめて、仕事が楽しくなくても、プライベートは楽しめる保証を、仕事がプライベートを侵害しない保証をもらいたいものだ。 p182 自己分析の無意味さ 社会経験がほとんどない若者に、これから社会人として成長する若者に、自己分析をさせても意味はない。自分にマッチする仕事を調べるなんて愚かかもしれない。これから如何様にも変わっていく、人間性を歪ませかねない。 それよりも、社会というものがどういうものか、仕事の多様性とか、そういったことをわからせた方が有益である。マッチングというのは机上の空論であるから、型にはめるようなことより、可能性を広げることに注力すべきである。 →まぁ、就職という未知の不安への気休めにはなるよね。 p232 社会人の心得 「自立とは、一人で何でもできる力ではなく、他人に上手に迷惑をかける力だ。」- 竹内常一 社会人になるものに教育が学ばせなくてはいけないのは、これに尽きるのではないだろうか。 ____ 終身雇用が終わったこれからの世は、個人がいろんなところで能力を身につけていって、それを各自がその場その場で生かしていく世の中。つまり、キャリアを自己管理する世の中である。だから子供たちにキャリアの管理能力を身につける必要がある。それを教育が任されているのである。 大変だね。 勉強することの範囲が決まっていたのに、枠がなくなったんだから、子供たちは大変!大変! それに付き添う教師も大変!大変! 責任。責任。
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大学の先生の理論本。 わかりやすく書いてるけど、私が知りたいのはそういうことじゃなかったので星1つ。
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2011年に執筆された本で、雇用システムの分析や、そこから影響を受ける大学の教育の在り方について、書いた本。 この本で出てくる話しはそこまで真新しいことではなく、、一度は耳にしたようなことが多いが、 エピローグで著者が 「これまで述べたことについて、なぜそうなのか、なぜそう言...
2011年に執筆された本で、雇用システムの分析や、そこから影響を受ける大学の教育の在り方について、書いた本。 この本で出てくる話しはそこまで真新しいことではなく、、一度は耳にしたようなことが多いが、 エピローグで著者が 「これまで述べたことについて、なぜそうなのか、なぜそう言えるのか、その背景や根拠をきちんと理解しているということです。物事を研究的に捉えるというのは、そういうことです。そうした背景や根拠にまで理解が届いていれば、この本で僕が主張したのとは異なる主張を、読者のみなさんが自ら展開するということも可能になるわけです。」 と述べているように、よく言われていることの背景を、様々なデータに基づいて知る上で良い本だと思う。 また、キャリア教育に関する主張で、自己理解ではなく、仕事理解・社会理解から始めなければいけないというところはとても共感した。 社会のことを知らぬうちに自分の少ない経験から自分を決めようとしてしまっては、社会と自分が交わる部分を見つけられず、最悪の形としては「はての無い自分探しの旅に出る」ことになってしまうと思うので。
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帯文:"「日本的雇用」「新規学卒就職」モデルの崩壊!" "ルールなき時代を漕ぎ渡るキャリアとは?" "無防備なままに若者を社会に放り出すな!!" 目次:プロローグ、第1章 学校は、いつから「職業人養成所」になった...
帯文:"「日本的雇用」「新規学卒就職」モデルの崩壊!" "ルールなき時代を漕ぎ渡るキャリアとは?" "無防備なままに若者を社会に放り出すな!!" 目次:プロローグ、第1章 学校は、いつから「職業人養成所」になったのか? 第2章 なぜ若者の雇用問題は,学校教育を直撃したのか? 第3章 「新規学卒一括採用」の功と罪、第4章 仕事の世界へのわたりを支援する学校教育の課題、エピローグ、ブックガイド―僕の考えをつくりあげてくれた本の世界、あとがき
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大学でのキャリア教育・キャリア支援が正社員になることへの支援に限定されていることに気づきました。大学自らが卒業後の進路に、勝ち組と負け組を区分するような意識を植え付けることは悲しいことだと思いました。もっと多様な就労のあり方や中長期的なキャリアを見通す学習の機会があると良いと思い...
大学でのキャリア教育・キャリア支援が正社員になることへの支援に限定されていることに気づきました。大学自らが卒業後の進路に、勝ち組と負け組を区分するような意識を植え付けることは悲しいことだと思いました。もっと多様な就労のあり方や中長期的なキャリアを見通す学習の機会があると良いと思いました。
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