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アディクションとしての自傷 の商品レビュー

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2012/12/05

精神科医による、自傷にかかわる論文集。 本当に論文を並べてあるだけなので、この人の論文を読みたい!という人にはいいかもしれないけれど本としては無駄が多い。 内容の重複はまだしも、文章の重複まで多々あるからダレる。 内容は治療者側として精神疾患にかかわる人が読む雑誌にのせた論文で...

精神科医による、自傷にかかわる論文集。 本当に論文を並べてあるだけなので、この人の論文を読みたい!という人にはいいかもしれないけれど本としては無駄が多い。 内容の重複はまだしも、文章の重複まで多々あるからダレる。 内容は治療者側として精神疾患にかかわる人が読む雑誌にのせた論文で「自傷が専門じゃない治療者への啓蒙」を目的としている(と思う)。 どこまでも精神科医から見た自傷理解だから、良心的な精神科医の視点ではあるけれど、当事者サイドの人が読んでも益はなさそうだ。 治療者が何を考えているのか知る為の一助にはなるかもしれない。 専門誌に載せる分にはいいけれど、患者サイドの人の目につくようなこういう形の本で手の内を明かしちゃう治療者はどうなんだろうとちょっと思う。 自傷に接しやすい場の、関心や関係はあるけれど学術誌は読まない人にも見てほしいってことなのかな。 男性の自傷や摂食障害、性的被害に触れられている。 養護教諭や矯正機関など、自傷にかかわる(きちんとかかわってほしい)場にも目を向けている。 アミティにもちょこっと触れられていた。 その辺は良いんだけど、なんか論が甘い感じがする。 たとえば「自傷と反社会性の相関」これ、あいだに「不幸せ」とか「自己肯定感の低さ」とかが入った疑似相関じゃないの? 他にも調査対象の偏った調査など、わかってないというより書き忘れのようなゆるさが目立つ。 「未開部族」「原住民」など言葉の用い方が不用意。 「意外なことに」が多用されすぎなのも気になる。 どれだけ想定してない(とみなしている)んだよ。 このタイトルで手にとるなら、「自傷からの回復」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4622074621のほうがいい。

Posted byブクログ