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デザインの骨格 の商品レビュー

4.2

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2022/09/23

写真が多く掲載され読みやすく分かりやすいページ、美しい装丁で素敵な本です。 デザインに関する蘊蓄も面白いし、デザインされた美しいフォームや機能性使いやすさへのこだわりなどさすがでした。

Posted byブクログ

2020/02/02

「デザイン」の道の奥深さ、果てしなさを思い知らされた。 人体というものをデザイナー視点でみたときの驚き、それに気づくことができた。 明和電機の「Wahha Go Go」という作品も人間の肺のような構造を持っているとのこと。すごい。 自分は、日々ディスプレイをみて、思考も平面的な見...

「デザイン」の道の奥深さ、果てしなさを思い知らされた。 人体というものをデザイナー視点でみたときの驚き、それに気づくことができた。 明和電機の「Wahha Go Go」という作品も人間の肺のような構造を持っているとのこと。すごい。 自分は、日々ディスプレイをみて、思考も平面的な見方になりがちだが、時々、自然のものや自分の身体といった有機物を観察して、凝り固まった見方をほぐしてやろうと思う。

Posted byブクログ

2020/01/20

何度も開きたい一冊 P143 形を描こうとしてはいけない。構造を描くことによって自然に形が生まれる。

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2019/07/09

私は文章を書くのに、ペンを用いない。メモを取るところから、すべてパソコンでやってしまう。 スマートフォンを使いこなす現代の若者も、似たり寄ったりだろう。 文章ならそれもいいが、デザインとなるとそれがいいとは限らない。ちょっとしたスケッチをやってみればわかる。ペンタブレットがあっ...

私は文章を書くのに、ペンを用いない。メモを取るところから、すべてパソコンでやってしまう。 スマートフォンを使いこなす現代の若者も、似たり寄ったりだろう。 文章ならそれもいいが、デザインとなるとそれがいいとは限らない。ちょっとしたスケッチをやってみればわかる。ペンタブレットがあっても、まどろっこしさを感ずるだろう。鉛筆やペンは格段に自由なのだ。 私も学生と研究の話をする時には、ペンと紙を使うことが多い。臨機応変に、必要な図や表や文字をレイアウトにとらわれずに書き込むには、ペンの方が圧倒的に有利だ。 雪舟の水墨画など見ると、墨と筆の方がさらに自由であることが分かる。 アナログは自由なのだ。もしかすると、これからの若者の方が、発想の段階などでは不自由なのかもしれない。そして、それに気づかないかもしれない。 デザインするということは、気づきの手段の一つだ。 著者の山中氏は、アナログの時代とデジタルの時代を知る、たった一度しかないかもしれない時代に生まれたと言う。私もその端境期を体験しているから、こんなことを考えるのだろうか。 シンパシィを感じる。 ───── この本には、多くのスケッチが掲載されている。プロダクトデザイナーである筆者のスケッチが、私は好きだ。 ブログがそのまま本になった。そういう生い立ちの本である。ブログではなく、本としての価値があるとすれば、その重さ、記事の掲載順を変えることによるまとまりの創出といったことが考えられるが、スケッチの質感の表現というのも大きい。 筆者のデザインが、私は好きだ。 デザイン画を見ていると、じわじわと来る感覚がある。 その表現には、デジタルデバイスより紙が適切だ。なんと言っても質感が違う。 内容はブログそのものであり、多少のまとまりはあっても体系だったものになってはいない。一つ一つのトピックスの中に、はっとさせられるフレーズが潜んでいたなら買い。そういう類の本である。 ブログにあるなら、ブログで事足りる。そういう判断はもちろんあるだろう。 重さと質感と縦横比の違いと所有感と...、そして付箋を付けたり線を引いたり、そういうことができる自由を求める向きは、本を手にとって眺めて見るといい。(いや、感じてみるといい、かな!?)

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2018/07/13

山中さんの人となりがすごく出ている本だった。 TEDも拝見して、すごく柔和な人だなという印象を持っていたのだけれども、文章からもそれが出ている。 その一方で仕事に対する熱量だったり、自分の信念を曲げない芯の強さだったりも垣間見える。 デザインとはフィロソフィーであり、外見だけ...

山中さんの人となりがすごく出ている本だった。 TEDも拝見して、すごく柔和な人だなという印象を持っていたのだけれども、文章からもそれが出ている。 その一方で仕事に対する熱量だったり、自分の信念を曲げない芯の強さだったりも垣間見える。 デザインとはフィロソフィーであり、外見だけ変えても何も成立しない。というのを改めて勉強させてもらった。

Posted byブクログ

2017/05/15

Suicaの読み取り改札機をデザインした著者のブログを書籍化したもの。 様々な製品をデザインし、また大学で教鞭をとる中で考えたこと、ひらめいたことなどが徒然に書かれています。 一節が長くなく、それぞれに写真やスケッチなども載っていて読みやすいです。 MacBookを分解してA...

Suicaの読み取り改札機をデザインした著者のブログを書籍化したもの。 様々な製品をデザインし、また大学で教鞭をとる中で考えたこと、ひらめいたことなどが徒然に書かれています。 一節が長くなく、それぞれに写真やスケッチなども載っていて読みやすいです。 MacBookを分解してAppleのデザインに関するこだわりにふれたり、大学生の「木の年輪が内側から増えていく」と勘違いしていたエピソードを紹介したり。 自動車のタイヤの溝が、実は不規則に切られていることなど、トリビア的な知識も満載。 「どのようにデザインするか」という話ではないけれど、デザイナーという職業の人が、ものごとをどのように考えているのかがわかる本です。

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2016/07/27

美しさというものは、絵だけではくいろいろなところに潜んでいる。 機能美、文章の持つニュアンスや書き方、プログラミングコード。 無意識のうちに構築されたものもあれば、 意識を薄く薄く何層にも積み重ねたからこそ見えるものもある。 そのものを直接見せながらも、 透けて見える何か、抽...

美しさというものは、絵だけではくいろいろなところに潜んでいる。 機能美、文章の持つニュアンスや書き方、プログラミングコード。 無意識のうちに構築されたものもあれば、 意識を薄く薄く何層にも積み重ねたからこそ見えるものもある。 そのものを直接見せながらも、 透けて見える何か、抽象化された何かを感じさせることができれば、 美しいと思わせられるのではないだろうか。 (以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋) ○アップルがいつも新しい使いやすさを提案するのに対し、  ダイソンが提起するのは新しい機械原理。(P.19) ○あるとき、高いものばかりを作っていたジョブズが会社を追われました。  追い出した人たちは、Macをほんの少しだけ台形に直しました。  そのほうが安く作れるからです。  でも、私たちの目はごまかせません。  ジョブズがいない時代のMacが、何となく普通なのはそのせいです。(P.21) ●不動産マニアの妻は、いつもチラシの間取り図から  かなり正確に広さの印象をつかんでいるので、こつを聞くと、  トイレの便器を基準にしているとのこと。  (中略)  人にフィットする便座だけは、ほとんどサイズが変わらない。  それをもとに家のサイズを想像するそうです。(P.39) ○工業製品の操作系では、この二つが機能に応じて調整されます。  ガスコンロの着火のノブや、ドアノブなどの素早い応答の必要な装置ではバネ成分が強く、  オーディオの音量調整やカメラレンズなどの、  精密な操作が必要な装置ではダンパー成分が強く設計されます。(P.46-47) ○一定ピッチで溝が刻まれているとそれぞれのブロックが一定間隔で地面に衝突するため、  ある周波数のビーッという明瞭なノイズが発生します。(P.55) ○小説家の平野啓一郎さんから  「日本人デザイナーは欧米のようなボリュームのある曲面の使い方が  苦手という話を良く聞きますが、実際はどうなんでしょう」という質問がありました。(P.132) ○形を描こうとしてはいけない。構造を描くことによって自然に形が生まれる。(P.143) ○絵を描くとき、うまく描けたと思えるまで人に見せたくないと思う人は多いでしょう。  芸術には確かに人に邪魔されずに自分と向き合う時間が必要です。  しかし一方で、絵は形を伝え、感覚を共有するためのコミュニケーションの手段でもあります。  音楽にライブでしか生まれないものがあるように、  ネイティブの人と語らないと語学が上達しないように、  絵にも多くの人との関わりの中でこそ身に付けられる表現が確実に存在します。(P.163) ○絵を描く事は、ものの輪郭を描く事ではない。  重要なのは向こう側にあって見えていないものや、中心軸のような仮想の線を描く事。  そうやって立体や空間の構造を把握したときに迷いなく輪郭を決定することができる。(P.166) ○輪郭は物のかたちを理解するときに生じた抽象作用の結果であって、  世界に実在する線ではない(P.166) ○スケールによる曲面感度の差(P.177) ○2つのインボリュート曲線は、さりげなく出会い、ずれを生じることなく寄り添い、  傷つけ合うこともなく離れて行きます。(P.185) ○図面というのは、設計者と製作者をつなぐ言葉のような物。  もし自在に臨機応変に最終素材を加工することができるなら、  デザインと制作は同時であり、記号化された情報の交換は必要なくなります。(P.187) ○アイデアは二律背反を疑うところから始まるのではないでしょうか。(P.259)

Posted byブクログ

2016/01/27

スケッチ。 芸術的な側面があるが、ものづくりのコミュニケーションとしての一面もある。 人がさも動いている様にスケッチするには骨を描く必要がある。 プロダクトデザインも構造から考える。 木を使って石を作る。 川原で拾ってきた石を模写するだけでは石にもならない。 数多くの石を観察...

スケッチ。 芸術的な側面があるが、ものづくりのコミュニケーションとしての一面もある。 人がさも動いている様にスケッチするには骨を描く必要がある。 プロダクトデザインも構造から考える。 木を使って石を作る。 川原で拾ってきた石を模写するだけでは石にもならない。 数多くの石を観察して石としてのエッセンスを抽出してつくると・・・木の石は石よりも石らしくなる、とのこと。 人間の脳が視覚から得た現物の情報を抽象化して記録している作用、これを上手く活用して「それ」よりもそれらしくするデザインの所作がある。 エンジニアは如何にそれを正確にするかに奔走してしまう癖があるが、デザイナーはユーザーの人間の癖を先回りして形をつくる。 ただ、ものづくりの流れでは、例えば「もっと薄く」は「2mmを1.5mmまで薄く」と伝える必要がある、とも。

Posted byブクログ

2015/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

プロダクトデザインの第一人者によるコラム集。ちょうどプロダクトデザインの仕事をしているので考え方の教科書のように読んだ。具体的な事例をあげて工業デザインのなりたちを解説してくれるのだけれど、その文章の上手さに舌を巻く。飾りのない平易な文章だけれどもぐいぐいと引き込まれる引力があった。写真やスケッチも美しく、楽しい時間を過ごせた。

Posted byブクログ

2015/04/18

"言語論理的思考の優秀な人間ほどしばしば、「かたち」を見ていない" これ、わかる気がする。 "言語論理的思考に頼っている人間ほど〜"のほうが、実感に近いけど。 言語論理的思考が優秀でなくても、そういう人、います。

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