五瓣の椿 の商品レビュー
ウールリッチ「黒衣の花嫁」
ウールリッチ「黒衣の花嫁」の翻案物 結末は知っているけど引き込まれます
LM
薬種屋の娘おしのは父の死後、父の無念を晴らすように淫蕩な母の相手だった男たちへ復讐を始める。与力青木千之介が鋭い観察眼で追い詰めていくストーリーがミステリー仕立てであっという間に読んだ。「満ち足りたように見えていても、裏へまわると不幸で、貧しくて、泣くにも泣けないような思いをして...
薬種屋の娘おしのは父の死後、父の無念を晴らすように淫蕩な母の相手だった男たちへ復讐を始める。与力青木千之介が鋭い観察眼で追い詰めていくストーリーがミステリー仕立てであっという間に読んだ。「満ち足りたように見えていても、裏へまわると不幸で、貧しくて、泣くにも泣けないような思いをしている。世間とは、本当はそういうものなのかもしれない。」というおしのの呟きが沁みる。
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時代背景や設定を変えていろんなドラマなどで見る話だと思った。親子の情愛や男女の肉欲、当時の時代背景による女性の取り扱いの不当さ、復讐が描かれていて、あらすじをあまり知らずに読み始めたらなかなか苦しい気持ちになった。 しのさんには手を汚さず幸せになって欲しかった…
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親子の愛憎劇というと、とかく父親が悪者になるイメージがあるが、こちらは母親。そもそも山本作品で「性」の問題をテーマにした作品も珍しい(と感じるのは自分だけ?)。復讐の背景にある様々な人間模様。加害者を許せないのは当然。しかし主人公のすごいところは、被害者は助けてもまた被害者になる...
親子の愛憎劇というと、とかく父親が悪者になるイメージがあるが、こちらは母親。そもそも山本作品で「性」の問題をテーマにした作品も珍しい(と感じるのは自分だけ?)。復讐の背景にある様々な人間模様。加害者を許せないのは当然。しかし主人公のすごいところは、被害者は助けてもまた被害者になるという被害者たる人間性を見抜いている点(たとえば、借金棒引きで救済してもそれに味をしめてまた借金する人とか)。18歳にして悟りの境地か?と思わせときながら、自分の思いだけは果たしていく姿が生娘らしく且つ物悲しい。
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真面目で働き者の父親と道楽好きな母親を持つ一人娘の復讐劇。父親の最期も見届けずに男と遊び歩いている母親とその周りの男達に復讐していく。 1/3程読んでパターンが決まってきちゃったな〜と思っていると色々絡みを入れてきたりで楽しめた。
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