ディーン牧師の事件簿 の商品レビュー
3+ タイトルだけ見てブラウン神父のフォロワーかと思いきや、さにあらず。紛う方なき"カーの系譜、ホックを継ぐ者"という絶滅危惧種、愛好家にとっては大変ありがたい存在。…なのだが色々と惜しい。特に、ディーン牧師は何故か天才ひらめき型なので解決に至る過程がアッサ...
3+ タイトルだけ見てブラウン神父のフォロワーかと思いきや、さにあらず。紛う方なき"カーの系譜、ホックを継ぐ者"という絶滅危惧種、愛好家にとっては大変ありがたい存在。…なのだが色々と惜しい。特に、ディーン牧師は何故か天才ひらめき型なので解決に至る過程がアッサリでもの足りない。年の功で観察力が優れているとかよく気がつくとか、なぜその手がかりに気がついたのかを丁寧に描いてもらいたいのだが。他にももっと面白くなりそうな要素はあるが、調べても続編等は見つからず、残念。
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なんとなくだけど、読んでいて寂しい気持ちになってくる。これはディーンの理解者があまりに少ないからなのだろうか。ワトソン役ってやっぱり必要だなって思いました。
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ロマンスグレーどころかグランパ世代か〜萌えないな〜でも名前がDeanだし、とりあえず読んでみるか〜(Supernaturalネタ:分からない方ごめんなさい(u_u)と軽い気持ちで読み始めたら、そんなことなかった。ディーンおじいちゃん、めっさチャーミング(笑)。 80歳の名探偵っ...
ロマンスグレーどころかグランパ世代か〜萌えないな〜でも名前がDeanだし、とりあえず読んでみるか〜(Supernaturalネタ:分からない方ごめんなさい(u_u)と軽い気持ちで読み始めたら、そんなことなかった。ディーンおじいちゃん、めっさチャーミング(笑)。 80歳の名探偵って、今のところ私の読んだ中では最年長じゃないかしら( ^ω^ )ミス・マープルはもうちょい若いよね、多分…。 牧師を引退したサディアス・ディーンは、牧師時代に面倒を見てきた信徒達やご近所さんに慕われていることもあって、様々な相談を持ちかけられます。事件の関係者が話を聞いてもらいたがったり、小さい頃から可愛がってる刑事にアドバイス求められたり、出先で犯罪現場に遭遇したり。 探偵の宿命だけど、80過ぎのおじいちゃんの心臓にはあんまり宜しくないんじゃないかしら(笑)。 ((牧師が主人公って、教会にとんと縁のない日本人には馴染まない設定だけど、アメリカでは牧師に事件の相談をするってあり得たりするのかな?作中でも触れてたけど、牧師さんは信徒の懺悔の内容を司法関係者に言わなくてもいいんだよね。だったら、牧師さんに打ち明けたりすることも珍しくないのかな〜?)) 心優しい老探偵が遺族の心に真摯に寄り添う姿は、他のミステリで活躍する名探偵達とは全く違う印象を持たせます。 時には彼等と共に涙を流し、時には亡き被害者の思い出に1人静かに涙を流す。そんな彼の姿は、「皆を集めてさてと言い」が定型の、「飽くまでも第三者に過ぎない名探偵」とは一線を画しています。もちろん、関係者の多くが彼の友人知人だということもありますが、こんなに事件の被害者や関係者を思いやる名探偵がかつていたでしょうか。うーん、思い出せない。探偵陣、なかなかシビアな対応してる印象しかない(笑)。 そして何より、三年前に一足早く天国へ旅立った亡妻への思いが、それぞれの話で切々と独白で語られるのが、ジーンときます。牧師さんって、こんな人格者ばっかりなのかしら…。 ミステリのトリックそのものは手垢の付いたような物が殆どで、昨今の意外な真相やメタ物とは真逆の、王道古典を地で行く作風です。寧ろ、ちょっとその仕掛け無理あるな〜、警察が調べればすぐわかるでしょ〜、とツッコミどころは満載です。 が、これらのネタをこのページ数の短編に収めて、しかもそれを魅力溢れる老探偵に指摘させた、という点を評価したいです。 ミステリって不謹慎よね、とフリークの私でも時々ミステリの業を考えずにはいられないのですが、この作品はその誹りを免れ得る良心を持っているような気がしました、はい。 ◎足跡のない殺人…「私の屋敷を売ろうとする者は、足跡を残さずに死んでしまうだろう」 その言葉通り、犯人の足跡の残らない状況下で次々と殺人事件が発生する。 ◎四階から消えた狙撃者…密室状態のアパートの一室から消えた犯人の正体とは? ◎不吉なカリブ海クルーズ…ほぼ同時に発生した、自殺と暴行の二つの事件の真相に、偶然乗り合わせたディーン牧師が迫る。 ◎聖餐式の予告殺人…イエスや天使に似た男達が不吉な言葉を告げた数日後、名指しされた牧師が毒殺された。犯人はいかにして、多数のコップの中から牧師が取る物だけに毒を混入させることができたのか? ◎血の気の多い密室…三重に付けられた鍵がかかった室内で刺殺体が発見された。三人の容疑者にはしっかりしたアリバイがあったが、やがて犯人が仕掛けた恐るべきミスリードが捜査陣を翻弄し…。 ◎ガレージ密室の謎…誰の出入りもなかった筈のガレージ内で他殺体が発見された。犯人と被害者は、どうやって衆人環視の中で現場に立ち入ることができたのか?
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現代作家が書いた現代アメリカを舞台にした不可能犯罪短編集であるが、あまりのレトロ感に埋もれていた黄金時代の名作かと思うほど。引退した牧師が、遭遇する殺人事件の謎を解く。 トリックはけっこうバカミスに近いものもあるが、必然性など考えずに古き良き時代の雰囲気に浸りつつ読むと楽しい。 ...
現代作家が書いた現代アメリカを舞台にした不可能犯罪短編集であるが、あまりのレトロ感に埋もれていた黄金時代の名作かと思うほど。引退した牧師が、遭遇する殺人事件の謎を解く。 トリックはけっこうバカミスに近いものもあるが、必然性など考えずに古き良き時代の雰囲気に浸りつつ読むと楽しい。 探偵役のディーン牧師は聖職者で風采もパッとしないところからブラウン神父を連想するが、朝寝坊だったりカロリーを気にしながらもバナナプティングに目がないなど、ストイックとはいえない造型も面白い。
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あらすじには“連作”とあるが、どこから読んでも支障なし。 不可能犯罪をテーマにしたストーリーは、本格のお手本のような展開。肝心のトリックに目新しさはないが、構成がしっかりしており、作品としての安定感は十分。控えめに人間ドラマも散りばめられており、ディーン牧師の台詞を通して語られ...
あらすじには“連作”とあるが、どこから読んでも支障なし。 不可能犯罪をテーマにしたストーリーは、本格のお手本のような展開。肝心のトリックに目新しさはないが、構成がしっかりしており、作品としての安定感は十分。控えめに人間ドラマも散りばめられており、ディーン牧師の台詞を通して語られる教訓にも味がある。 そんなこんなをひっくるめて、本当に現代の作家が書いたのかと思うほどのレトロ感が作品全体を包んでいる。マニアのためにマニアの作家が書いたんだな、と思える心地よさは久々。次は長編を読んでみたい。
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舞台は現代だが、古典的な不可能犯罪もの。 その状況がいかにありえないか、それをどう可能にするか、という描写が長すぎる。犯人の予想がつく(たとえ手段はわからなくても)ので、だまされ感に欠ける。キャラクターが中途半端に作り物めいていて、共感しづらい。ポアロやブラウン神父のような戯画的...
舞台は現代だが、古典的な不可能犯罪もの。 その状況がいかにありえないか、それをどう可能にするか、という描写が長すぎる。犯人の予想がつく(たとえ手段はわからなくても)ので、だまされ感に欠ける。キャラクターが中途半端に作り物めいていて、共感しづらい。ポアロやブラウン神父のような戯画的な雰囲気を出そうとしているのだろうと思うが、どうもあまり成功していない。 正直言ってつまらなかった…。不可能犯罪が大好きな人ならいいかもしれないが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『足跡のない連続殺人』 ディーン牧師の元信徒だったヴィッキーからの依頼。父親が買った屋敷に起きる事件。病気で死んだ父親。死後に発見された屋敷を売ろうとする者に宛てて書かれた警告文。泥の足跡。屋敷を売ろうとしたザックの死。砂浜での足跡のない殺人。続くレイチェルの殺人。屋敷を売るために塗装している途中に殺害される。彼女の周囲の床には塗りたてペンキが。ジェイの殺害。元池のあった場所での死。発見者はメアリー。孤独なメアリーに隠された秘密。 『四階から消えた狙撃者』 マーク・スモール刑事の友人ティムからの相談を受けるための待ち合わせ。車ので待ち合わせ場所にやってきたティム。アパートの4階から狙撃されたティム。狙撃に使われた部屋は彼の別居中の妻ベティの物。部屋に踏み込んだマーク。無人の部屋。彼女の電話の通話記録から犯行時に部屋にいたことが確認される。額をライフルで打ち抜き自殺したベティ。 『不吉なカリブ海クルーズ』 友人ドンの代わりにカリブ海クルーズに出かけたディーン牧師。4人の若い友人たち。砂浜のパラソルの中でディーン牧師に天国についての話を聞くジーナ。その夜謎の男に海に落とされたルー。ルーを助けようと男に殴られたカーラ。同時刻、船長に自殺予告の電話をし首をつったジーナ。ドアノブのストッパーとシナモンの匂いの謎。 『聖餐式の予告殺人』 友人の牧師スティーブ・ラグズデールからの相談。教会での説教の最中に聖書の一文を読みあげる天使が現れたということ。1度目はまっ白な髪の男。2度目はイエスそっくりの格好をし追いかけたリックが追い詰めた部屋から消えた。説教会に出席したディーン牧師の前で毒殺されたスティーヴ。 『血の気の多い密室』 インフルエンザにかかったディーン牧師がマークから受けた相談。3つの鍵がかけられたアトリエで発見された遺体。現場に残された血の量から犯行現場は発見されたアトリエであると断定、。発見者は被害者マリーの夫ダンとダンの塗装の仕事を手伝っていたジェフとランディ。遺体の周囲の血液の検査結果。凍っていた血液。ダンとランディに吠えかけるマリーの犬。 『ガレージ密室の謎』 収穫祭の為ドンとともにジョージとティナの家にやってきたディーン牧師。収穫祭の準備中に発見されたジョージの遺体。密室のガレージ。マークが旅行中の為捜査に当たるマイクルズ。ディーンの推理に懐疑的なマイクルズ。強盗殺人現場の写真での試験。死亡推定時刻の割り出し方の疑問。ドンに友人との不倫を告白していたジョージ。サーカスの出し物で使用される回転する的の秘密。 2011年5月6日読了
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引退した80才の老牧師が主人公の短編。 最初の話にちらっと出てきた姪のスーザンが好きだったけど、その後は一切出なかった。 時折、同じ町に住み、生まれたときから知っている刑事のマークが担当する事件を共に目撃し、謎を解いたりするけれど、固定したワトソン役がいるわけではなくディーン牧師...
引退した80才の老牧師が主人公の短編。 最初の話にちらっと出てきた姪のスーザンが好きだったけど、その後は一切出なかった。 時折、同じ町に住み、生まれたときから知っている刑事のマークが担当する事件を共に目撃し、謎を解いたりするけれど、固定したワトソン役がいるわけではなくディーン牧師が1人で解決する方が多いかも。 密室モノというか不可能犯罪が多いのは、きっと作者がジョン・ディクスン・カーが好きだから。 読んでいると、古き良き時代の雰囲気が漂っているのに、時々現代の文明の利器が出てきてびっくりします。
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タイトル通り、数々の事件をディーン牧師がその頭脳を駆使して論理的に謎を解くという短編集。心理的にどうこうは最小限に、トリックの解説が読みどころ。あとは引退した牧師なのでキリスト教の教えがちょこちょこ(でもおしつけがましくないのでそんなに気にならない)。毎回新しい人たちと出会ってだ...
タイトル通り、数々の事件をディーン牧師がその頭脳を駆使して論理的に謎を解くという短編集。心理的にどうこうは最小限に、トリックの解説が読みどころ。あとは引退した牧師なのでキリスト教の教えがちょこちょこ(でもおしつけがましくないのでそんなに気にならない)。毎回新しい人たちと出会ってだいたいの関係を説明した途端に事件が起こりそれをすばやく解決して、とやや忙しいけれど短編なのに良くまとまっています。
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80歳の引退牧師が挑む6つの怪事件。足跡のない殺人、人間消失、密室と不可能犯罪てんこ盛り。謎解きには強引さが目立つものの、著者のミステリ、特に不可能犯罪への愛が感じられるのは好印象。
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