ルポ 若者ホームレス の商品レビュー
愛媛新聞2011.02.23/時事通信か?。 《「取材すればするほど、原因は雇用問題だけではないことが分かってきた」と話す。》 《自分の境遇を社会のせいにせず、自己責任と受け止める人が多い」。だから保護を求めて行政のドアをたたくことにも消極的だ。》 《行政や支援団体には、彼...
愛媛新聞2011.02.23/時事通信か?。 《「取材すればするほど、原因は雇用問題だけではないことが分かってきた」と話す。》 《自分の境遇を社会のせいにせず、自己責任と受け止める人が多い」。だから保護を求めて行政のドアをたたくことにも消極的だ。》 《行政や支援団体には、彼らの一人一人の深い孤独感までは解消できない。》 -------------------- 徳島新聞2011.02.21夕刊/共同通信か?。 コーナー「そと、2冊」で飯田泰之氏が紹介。
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なぜ人は路上生活者へと転落してしまうのか。 本書を読むまでは、経済状況の悪化等はあるにせよ、やはり本人達の怠け気質に根本的な原因があるのではと思っていた。 しかし、本書を通じ、20〜30代という自分と近い年齢のホームレス達のインタビューを聞いたことで、そのような考え方は大きく変わ...
なぜ人は路上生活者へと転落してしまうのか。 本書を読むまでは、経済状況の悪化等はあるにせよ、やはり本人達の怠け気質に根本的な原因があるのではと思っていた。 しかし、本書を通じ、20〜30代という自分と近い年齢のホームレス達のインタビューを聞いたことで、そのような考え方は大きく変わった。 確かに、ギャンブルに興じて借金を作ったり、自分探しのような曖昧な理由で仕事を辞めたりといった、本人達に起因する原因もあるにはある。 しかし、人間誰しも弱い部分や考えが浅い部分はあるものであり、彼らが自分や自分の周囲の人と比べ、特に劣っているとか、自堕落であるという印象は受けなかった。 むしろ感じたのは、そうした間違いを1度でも犯してしまうと、簡単に路上生活にまで転落する危険が現代の社会システムにはあるということだ。 この問題に対する政府やNPOの取り組みも本書で紹介されていたが、雇用が恒久的に安定しない限りは、何をやっても救われるのは一握りの人間だけだろう。 そもそも、物やサービスが溢れている現代で、無理矢理に雇用を作り出す意味などあるのだろうか。 働かざるもの食うべからずの常識が覆されない限りは、根本的な解決は難しい気がする。 私達個人として、これをやっていれば盤石、などという選択肢は無い。 足下の薄氷1枚割れれば彼らと同じ境遇になりうるという現実を噛み締めながら、日々を堅実に生きるしかないのだろうか。
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ホームレス=怠け者 とは思わないし、社会環境の不備、それに伴う家族をはじめとする人間関係の劣化が背景にあることもわかる。でも、やっぱ自分のハードル低い&低いから越えられる!の意識や根性が薄いと思うのは、アタシが世の中見えてないの?
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ホープレス状態だったときに購入。 色んな人のインタビューをちょっとこまごまと載せ過ぎているせいで、散漫な印象が…個人的には、一人の人にじっくりと焦点を当てている方が合っているかもしれないです。
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中高年のホームレスについての本は沢山あるが 本書は若者のホームレスにスポットを当てた珍しい本である。 実際にインタビューをしただけあって抜群にリアリティがある。 自分も若者ホームレスの問題は住居と労働さえ与えれば ほとんど解決するだろうという甘い見通しで考えていたが 実際はそんな...
中高年のホームレスについての本は沢山あるが 本書は若者のホームレスにスポットを当てた珍しい本である。 実際にインタビューをしただけあって抜群にリアリティがある。 自分も若者ホームレスの問題は住居と労働さえ与えれば ほとんど解決するだろうという甘い見通しで考えていたが 実際はそんなに簡単なものではなく 様々な要因が複雑に絡み合っているものだと痛感させられた。
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リアリティがある話に感情が動かされた。 様々な理由で路上へ放り出される若者たち。 複雑な家庭、過酷な労働環境。 そういう厳しい状況から抜けだした先が、路上だとしたら、 それは自己責任という言葉では片付けられないだろう。 誰も知り合いがいない。誰も助けてくれない。 そんなギリ...
リアリティがある話に感情が動かされた。 様々な理由で路上へ放り出される若者たち。 複雑な家庭、過酷な労働環境。 そういう厳しい状況から抜けだした先が、路上だとしたら、 それは自己責任という言葉では片付けられないだろう。 誰も知り合いがいない。誰も助けてくれない。 そんなギリギリの気持ちの中、路上で眠る人たち。 そんな人達の気持ちは想像しようにも想像ができない。 この問題は政府が解決しなければならないのに、明らかに足りていない。 品川さんの言葉が強く印象に残った。 「一番強く感じたのは、自分は生きているだけで幸せなんだってことだった」 色々身を持って経験してきた人の言葉は心に響く。 その後のことで、人を信じるのは難しいし、 信じる根拠がないのに信じれる人はある意味強いと思った。 彼らに対する施策については、 全てもれなくまとまっていたので割愛。 --気になった言葉-- ホームレスになるということは、過去に培ってきた人間関係や友人関係を断ち切ることに他ならない。(P50) 自己責任に埋没した結果、助けを求められない、求めようとしない人は非常に多い。(P63) ギャンブル依存と借金の果てにホームレスになった若者は実に多い。(P102)
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※このレビューにはネタバレを含みます
ビッグイシューってなんか聞いたことあるなーって思ってたら、あの雑誌のことだったんですね。スッキリ。 若者ホームレスの実態ルポが7割くらい。同じようなパターンかと思いきや、十人十色。さまざまな事情があるようです。個人責任の問題ももちろんあると思いますが、これを読むと、日本のセーフティネットはどうなってんの?って思います。 根本的には人と人の繋がりの希薄さが問題ではないかと思いました。交通費を前借りできる相手がいたら、助けてと一言言える相手がいたら、家も仕事も手に入れれる可能性があるかもしれないというパターンが多かったです。 昔の友人や絶縁状態の家族と連絡を一歩踏み切って取れないのは、家がない仕事が不定期という現状でも、精神的にも肉体的にも限界状態でもなんとなく生きていける、という環境があるからでしょうか。違いますよね、そこは周りの人が手を差し伸べて「助けて」のサインを読み取るべきなんですよね。。積極的に人に関わっていかないとどんどん疎遠になってしまう世なんだなと感じました。
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やるせない思いを感じると共に、自分の幸運をかみしめます。数回買ったことのあるビッグイシューですがもう少し積極的に買うようにしようか、今の自分にできることから。
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あらゆる幸福は似通っていて、不幸はそれぞれに違うっていうのは誰の言葉だっただろう? いかにひとはどんな不幸な境遇を経て、路上に出てしまうことになるのだろうか。しかしそれは殆ど同じような共通点があるように思われる。両親の不仲、学業の挫折、人間関係のもつれ、おいうちをかける雇用環境。...
あらゆる幸福は似通っていて、不幸はそれぞれに違うっていうのは誰の言葉だっただろう? いかにひとはどんな不幸な境遇を経て、路上に出てしまうことになるのだろうか。しかしそれは殆ど同じような共通点があるように思われる。両親の不仲、学業の挫折、人間関係のもつれ、おいうちをかける雇用環境。ギャンブルにのめりこみ、経済的に破綻。だめだめスパイラル。でもそれは特別なことじゃなくて。自分はそうはならないと誰が言い切れるだろう。 紹介されているエピソードは20代・30代の男性が中心。まだ体力がある年頃であるのに、重くのしかかる自己責任のジレンマ。その多くは共通して「人に頼るのが恥ずかしい」という意見を持っている。 著者が女性のせいか、女性の事例は全く書かれていない。例として挙げにくいのか、サンプルが少ないのか。女性のほうが社会性が高く、男性のほうが仕事を失ったときの自尊心の喪失が大きいからなのか。
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