荒野 12歳ぼくの小さな黒猫ちゃん の商品レビュー
読みやすいのに近寄り難い不思議な小説。こんなん絶対イヤ、と思うけど、でもどこか魅力もあるんだよなー。
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第一章が終わるころに思ってもいなかった展開になり、「そういう話だったのか~」とびっくり。 この年代で家族に変化があると、何かと影響が出てくるんじゃないかな。 鎌倉が舞台なので、序盤はそこだけが救いだった。 二巻からの展開が楽しみになってきた。
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中学入学してからの約1年間を12歳の少女の目線を通して描いた小説。キュンキュンするような思春期特有の内面を描きつつも、少女の周りには波乱が多すぎる。多感な時期にそんな波乱を迎えなければならない理不尽さ。その描写が巧みすぎる一作だ。 タイトルだけ見れば、ちょっと敬遠してしまう...
中学入学してからの約1年間を12歳の少女の目線を通して描いた小説。キュンキュンするような思春期特有の内面を描きつつも、少女の周りには波乱が多すぎる。多感な時期にそんな波乱を迎えなければならない理不尽さ。その描写が巧みすぎる一作だ。 タイトルだけ見れば、ちょっと敬遠してしまうかもしれない(カバーを付けず電車内で読むのには少し勇気が要った……)。文章冒頭から続く、キャピキャピした内容にページをめくる手が止まることもあるかもしれない。しかし、騙されたと思って、「一章」の終わりまで読み進めてほしい。おそらく、それ以降、手が止まることはなくなるだろう。 ところで、本作の初出は「ファミ通文庫」から出版されたらしい。ライトノベルレーベルである。そういえば、2000年代半ばくらいまでは、ライトノベルにも一般文芸的な作品はあったなあという懐古。佐藤ケイさんの『LAST KISS』に泣かされた中学時代の思い出。。。 【目次】 一章 ハングリー・アートの子供 二章 ぼくの小さな黒猫ちゃん 終章 青年は荒野をめざす
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
再読。若いばあやの奈々子さんが素敵で、荒野との2度の別れの場面が切なかった。ぐいぐいくる新しいお母さんは苦手だけど、子供にとってはこういう曲げない大人も時には必要なんだろう。今後この子はどんな少女に、大人になっていくんだろうか。
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荒野がとっても可愛い。 可愛い黒猫ちゃん。 桜庭一樹の書く父娘の関係性がとてもすき。 恋を知る、という過程がとても丁寧に書かれてる。 文章も読みやすい。 三部作の第一部。 おもしろかった。
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桜庭一樹の描く少女の非現実的リアリティ。リアルの境界が溶ける違和感。 あくまで桜庭一樹の世界にだけ存在する少女のくっきりといた像は、小説ならではの造形。
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何も知らぬ純粋な子供から。 変化のきっかけは人それぞれだろうが、確かに子供と大人の間には大きな違いがある。 一度知ってしまうと、もう子供に戻る事は出来ないんだよな…。
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4冊目の桜庭一樹。 やっぱり手に取れるような生、人間味、暖かさがある。 続きも読んでみたい。
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12歳の荒野は恋愛小説家の父親と住み込みの家政婦さんと一緒に暮らしている。 恋愛小説家らしく、父親はかなり女性関係が奔放で、彼女を取り巻く環境だけ見れば、なかなかハードなのだけど、物語は初恋の甘酸っぱさみたいなものに溢れていて、その対比が面白い。 自分が中学生だった頃を思い浮かべ...
12歳の荒野は恋愛小説家の父親と住み込みの家政婦さんと一緒に暮らしている。 恋愛小説家らしく、父親はかなり女性関係が奔放で、彼女を取り巻く環境だけ見れば、なかなかハードなのだけど、物語は初恋の甘酸っぱさみたいなものに溢れていて、その対比が面白い。 自分が中学生だった頃を思い浮かべて、ああ、こんなことは私の周りにもあったなと遠い目をしそうになった。
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ほぼ一日で読み終えられる位薄い。 書かれているのはランドセルから真新しい制服に身なりが変わるその時期。 子供にはわからない何かをすこしずつ雑音と一緒に自分の中に抱え込んでいく時、寂しいと思うか、ちょっと得意気になるか、そんな葛藤がある。大人になるほど喧嘩した後仲直りしづらくなる...
ほぼ一日で読み終えられる位薄い。 書かれているのはランドセルから真新しい制服に身なりが変わるその時期。 子供にはわからない何かをすこしずつ雑音と一緒に自分の中に抱え込んでいく時、寂しいと思うか、ちょっと得意気になるか、そんな葛藤がある。大人になるほど喧嘩した後仲直りしづらくなるのは何でだろう?そういう答えがここにはあるかも知れない。 それからもうひとつのテーマは恋。 私は「好き」って何?とは思わなかったから新鮮。好きになる瞬間も好きっていう気持ち自体もよく分からない、でも感じられる。荒野ちゃんを通して色々見えてくる。 きっと好きの前兆、意識するっていうことは その人が視界に入った時雰囲気の変わり方を感じられた時に起こること。きっと。 その素敵で苦しい瞬間を私もいつか懐かしく思ってみたい。
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