1,800円以上の注文で送料無料

砂の器 の商品レビュー

4.1

11件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/10/26

何度も映像化されているけど実は一度も見たことがない。捜査の行き詰まりの描写が密に描かれていて、読んでるこっちまでイライラしてくるのは作者の思惑通りなのだろうか?解決編は逆に少し物足りない気がしてしまった。

Posted byブクログ

2020/06/22

この本を読む前は久間十義さんの『ダブルフェイス』だった。 例の東電OL殺害事件に題材を取った刑事もので、桐野夏生さんの『グロテスク』もそうだったけれども、ルポルタージュ風ではなく作家がふくらませた創作物であった。 この事件を追う刑事たちの姿が読ませる。それはいかにも現代風であ...

この本を読む前は久間十義さんの『ダブルフェイス』だった。 例の東電OL殺害事件に題材を取った刑事もので、桐野夏生さんの『グロテスク』もそうだったけれども、ルポルタージュ風ではなく作家がふくらませた創作物であった。 この事件を追う刑事たちの姿が読ませる。それはいかにも現代風であって、なかなかおもしろいが、昭和の刑事を描く、わたしの好きな松本清張ならどうだろうかと。 そんなきっかけで『砂の器』を読み返した。刑事「今西栄太郎」の犯人を追う姿のなんと執念のあることか!それに刑事の日常がなんともレトロに描かれている。 巣鴨お地蔵様の縁日で植木を買うだとか、都電に乗って関係者を訪ねるとか、中央線の窓から紙ふぶきするなんて、今や電車の窓など開けられないではないか。 今西刑事が自分の家で朝早く目覚める、新聞を取ってきて寝床でよみながらタバコをいっぷく、事件の推移を考えながらいっぷく、警察署で捜査会議の区切りでいっぷく、会議後でいっぷく、取り調べていっぷく。 まあ、まあ、タバコを吸うこと、吸うこと!吸う場面の描かれているのが多いこと!きっと彼は老後に肺ガンになってしまったね。 今やタバコは肩身が狭い。 刑事ものにはタバコの煙~~はいずこになりけり。

Posted byブクログ

2020/03/16

昭和を感じさせるという評も多いだろう中 何が昭和だよ簡単に云ってんじゃねーぞ! とか思いつつ私個人が昭和を感じるところは 主人公?の中西刑事が俳句が趣味というところでした おそらく誰もが読み出したら最後までという本です 小説です さあ読もう!

Posted byブクログ

2019/12/28

2004年のドラマ版を観たので内容はだいたい知っていた。 第二次世界大戦前後の人々の暮らしぶり、地方の生活水準、鉄道をはじめとした交通事情などの描写が想像を掻き立てた。まだ私は生まれていない頃だが、昭和の古き良き時代という感じで、興味深かった。

Posted byブクログ

2015/09/13

戦中を体験してきた、当時の人たちの生活や思考に引き込まれる。 桐原老人の台詞は音読するとわかりやすくて、上手に文章にしてあって感動。「そげな、げねしね!」すごい好き。

Posted byブクログ

2015/02/04

点と線、黒い画集に続いて、3冊目の松本清張。 文庫本で上下巻という長編小説で、今まで読んだ中で一番ボリュームがあったけど、その分、じわりじわりと進む情景を心ゆくまで堪能。 それにしても、なんだろうな、この満腹なんだけど「さっぱり」とした読後感。 短編では短編なりに、長編では長編...

点と線、黒い画集に続いて、3冊目の松本清張。 文庫本で上下巻という長編小説で、今まで読んだ中で一番ボリュームがあったけど、その分、じわりじわりと進む情景を心ゆくまで堪能。 それにしても、なんだろうな、この満腹なんだけど「さっぱり」とした読後感。 短編では短編なりに、長編では長編なりに満腹になるけど、苦しくはならない。いつもさっぱりとした感覚が残る。 と、ここまで書いてみて、読みながら同時進行で消化しているのだろうと、気づいた。 謎解きには必ず解決編が必要になる。だが、その「絵描き」によって文学性は失われる。 というニュアンスの筆者の言葉があるが、きっとそれに気づきつつも「絵描き」をしなければ謎解きを終えられないというジレンマの中で書き上げたからこその「さっぱり」感なのかな、と勝手に納得。 文庫版の宇佐見さんのカバーもよかった。

Posted byブクログ

2014/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この超有名作を今頃やっと読む。 音響トリックは難解でなんかあんまり理解出来なかったけど、1日何をしていても続きが気になってうずうず、ここまで寝不足に陥らされたのは久しぶりだなー。 ハンセン病による差別に苦しめられた自分の生い立ちを忌み嫌い、戦火のお陰で戸籍を捏造、自分を完全にリセット出来てしまうというところに、戦後の混乱・当時の時代背景がリアルに迫ってきた。 犯人は分かっているのに、あたかも関川がクロであるように錯覚させられるところがさすが。 誰からも愛された恩人をもこのような残酷な形で手にかけてしまうほどに人間を追い込んだ人間達。 彼を包み込んでくれた「善」が、結局は「悪」に飲み込まれてしまったところがどこまでも悲しい。

Posted byブクログ

2013/10/20

わりと普通のハードボイルドな推理小説で予想外でした。 刑事の捜査は足! を体現するかのような主人公の東奔西走ぶり。 もっとハンセン病の問題にグイグイきているのかと思ったら、ほんとサラッと、至極サラッと流していて逆にビックリしました。

Posted byブクログ

2013/08/19

WOWOWでドラマにもなった相場英雄の「震える牛」が平成の「砂の器」と評されていたことから興味を持ち読んでみた。 警視庁の刑事が元警官だった男が殺害された事件を捜査していくうちに、バーの女性店員の死、前衛劇団の女性の自殺などから真犯人にたどり着く。 国会議員の娘と婚約し、前衛...

WOWOWでドラマにもなった相場英雄の「震える牛」が平成の「砂の器」と評されていたことから興味を持ち読んでみた。 警視庁の刑事が元警官だった男が殺害された事件を捜査していくうちに、バーの女性店員の死、前衛劇団の女性の自殺などから真犯人にたどり着く。 国会議員の娘と婚約し、前衛音楽家として成功した男。 ハンセン氏病に罹患した父と全国を放浪し、激しい差別にあった過去があり、同情を覚える。 しかし、以前助けてくれた元警官の男を自分の保身のために惨殺する。愛人に殺人の手伝いをさせ、後悔した愛人は自殺に及ぶ。 前衛音楽家の男と同じグループである評論家の男は、自身の成功の邪魔になりそうになると女を転々と引っ越しさせ、妊娠させ、堕ろすことを拒む女を音楽家の協力で流産させようとし、結果として殺してしまう。 自己保身のために殺人を犯した2人の男を刑事が執念の捜査で追い詰める過程を淡々と描く。

Posted byブクログ

2013/02/15

引き込まれていった。 最後本人の自供ではなく、謎解きが終わり、 全容解明できないあたりなぞが残って後を引く。 面白い。

Posted byブクログ