木洩れ日に泳ぐ魚 の商品レビュー
恩田さんの作品はさらさら読めるものが多くて、久しぶりの読書にはもってこい。 男女2人が別れの前夜に、ある事件について腹の探り合いをする話。 2人の記憶だけが事件を解明する手がかりとなるために、サスペンスとしてパンチに欠けると感じた。 ただ、互いに並々ならない感情を抱く男女の心情...
恩田さんの作品はさらさら読めるものが多くて、久しぶりの読書にはもってこい。 男女2人が別れの前夜に、ある事件について腹の探り合いをする話。 2人の記憶だけが事件を解明する手がかりとなるために、サスペンスとしてパンチに欠けると感じた。 ただ、互いに並々ならない感情を抱く男女の心情の変化についてはとても的確に表されているように思う。 特に、女性側の中盤から最後にかけての変化がリアル。
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こちらも再読。 恩田陸さんの作品はなんだか不穏な空気や不思議な空気が漂うのが好き。 結末は知っていても、ドキッとしたり言い回しにおおっとなったりできる作品。なんだか短編を膨らませて書いてくださった感じの読みやすい一冊の1 つでした。
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読みやすく、新展開が続き飽きさせない。 2人の語り手が交互に変わることで、人間とはこうも同じ出来事に対して違った見方をするよな、と感じて面白かった。
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恩田陸のミステリー。 おもしろかった。個室で繰り広げられる会話劇。 あーこれは演劇にしたら映えるんだろうなーって演劇好きの私に響きました。 なんか真実なんてどうでもよくて、惹かれ合うふたりが幸せになってほしい、ってしょうもない私は思ってしまう。
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男女の一夜の物語。 ただし、ともに暮らしていた部屋を引き払い、別々に暮らすことを決めた引越しの前夜に、男女交互にそれぞれの視点から目の前にいる相手とのやり取りが語られる。 季節は初夏で、さわやかな短い夜のはずが、ねっとりした情念のようなものが漂い、ひりひりとした感覚に襲われる。...
男女の一夜の物語。 ただし、ともに暮らしていた部屋を引き払い、別々に暮らすことを決めた引越しの前夜に、男女交互にそれぞれの視点から目の前にいる相手とのやり取りが語られる。 季節は初夏で、さわやかな短い夜のはずが、ねっとりした情念のようなものが漂い、ひりひりとした感覚に襲われる。 夜が明けた時、この二人はどうなるのか、それより、ほんとに夜は明けるのだろうか、という物語。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
真実を紐解いていくまでの男女それぞれの視点から心理描写の掛け合いの間はよかった。それが明らかになるにつれて、お互いの気持ちが冷めていくのだが、読んでいる自分も冷めていってしまった。最後にもう一捻り欲しかった。
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夏の一日の、夜明けまで。 人格の描写が鋭い。展開も情報の小出し具合が絶妙。恩田陸、初めて読んだけれど、澄んだ目で捉えて、柔らかい表現をする人だ。他の本も読んでみたい。
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面白かったけれど、好みではないかなあ 私はやっぱりミステリーチックなものがあまり得意では無いのだと思う 続きが気になりすぎて、というか結末を早く知りたくなってしまって文章を、言葉を楽しむのではなくて、 進めることに注力してしまうんだよね そうすると心を癒してくれるはずの本が、切迫...
面白かったけれど、好みではないかなあ 私はやっぱりミステリーチックなものがあまり得意では無いのだと思う 続きが気になりすぎて、というか結末を早く知りたくなってしまって文章を、言葉を楽しむのではなくて、 進めることに注力してしまうんだよね そうすると心を癒してくれるはずの本が、切迫的なものに変わってしまうんだよね あと結局全て彼女の想像で結末を終えるというのも私にはうーんて感じちゃった 好きな人は好きなのだろうな
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1組の男女が別居する前日に語り合いながら過去の出来事を清算?思考?していく話。 さすが恩田さん。 この本の好きな文章。(省略あり) 「記念品は自分の存在をアピールしてそれぞれの世界にお互いの痕跡を残し少しずつその領域を広げていく。そうして、お互いが特別な存在になる。」
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いつでも恩田陸さんの本の空気感が好きだが、展開に関しては今回は少し咀嚼に時間が必要かな...心理戦や男女の関係性にフォーカスされているが、個人的にはそこよりも人の記憶がごく自然に美化されていくことがヌルッとラストに描写されているのが好み。
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