切りとれ、あの祈る手を の商品レビュー
自分には難しい本だった。でも得るものはあった。本の中身そのものより、それに対する自分の反応において、初めての体験を味わったのでより意味があった。 この本によってこれからもっと違う範囲の本を読む機会を得るようになる。新しい知見を頂いた。 ☆をつけるのが難しい本だった。自分にとって得...
自分には難しい本だった。でも得るものはあった。本の中身そのものより、それに対する自分の反応において、初めての体験を味わったのでより意味があった。 この本によってこれからもっと違う範囲の本を読む機会を得るようになる。新しい知見を頂いた。 ☆をつけるのが難しい本だった。自分にとって得るものがどれだけあったか、それのこれからの自分にとってどれほど重要になりそうか、その予想をもって☆をつけてる。得たものは重要だった、けど読んでいて何度か酔ったような気分の悪さがあった。よって悩んだ上での☆4つ。
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「本を読む」という行為について難解な言葉遣いで滔々と語っている本。全く理解できていないけれど、こういうの好きだなー
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今さら読んだ。 何と言うか・・・物凄く心にぐさっとくる箇所もあった。本を読むということは、自分を決定的に変化させてしまう、ひょっとしたら自らを滅ぼす/狂わせてしまう、そのような契機的要素を不可避的に孕ませているのが、「本」なのであり「読む」という行為なのだということは、全く同意...
今さら読んだ。 何と言うか・・・物凄く心にぐさっとくる箇所もあった。本を読むということは、自分を決定的に変化させてしまう、ひょっとしたら自らを滅ぼす/狂わせてしまう、そのような契機的要素を不可避的に孕ませているのが、「本」なのであり「読む」という行為なのだということは、全く同意せざるをえない。今の僕がここにいるのは、そのような読むと言う経験を通じることができたのは間違いない。だけど、そのような経験は、果たして本当に「読む」という行為だけに限定されるのだろうか。 それに、いまいち文学/情報の対比がよくわからないというか・・・。 それとルターによる宗教改革が決定的な「革命」であったことは恐らく間違いないと思う。そこから「読む」ということが革命を引き起こす起爆剤となるのであって、暴力的革命などといったものは、文学によって引き起こされた派生物に過ぎないというのは・・・。 それはそうなのかもしれないけど、何か腑に落ちない部分もある。 それにあまりにも文学というものを特権視しすぎていやしないか。これは僕の誤読かもしれないけど、著者のそのような文学特権視は、かつての万学の長としての「哲学の特権視」と結局は同じことであり、その文学の特権視自体が、著者が忌み嫌う西洋至上主義的な発想に捕らわれているのではないではないのか・・・。 そんなことをちょっと思った。でも、本に携わる人には受けがいいんだろうな。たぶん。著者はあえて、それは絶対に狙っている気がする。だから、本書は全ての人に向けた本という意味での「一般向け」に書かれた本でないような気がする。本が好き、本に携わる人に向けた本だ。だけど、それで本当に良いのだろうか。そこも疑問を持った。 まあ、僕は結構批判的ですが、それでもルジャンドルの話とか面白かったし、読むという行為の意味なんかは本当に「その通りだ!」と思いましたよ。
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面白かったなあ。文体の特徴・主張の反復による強調が快い。明快。読むということ、書くということの意味を捉えなおすには十分だった。 ムハンマドとハディージャの件が特に、特に、特に。 ・「終わり」は今までに5回「ビッグファイブ」…「大絶滅」 ・識字率と社会変革 ・文字の歴史はたかだか5...
面白かったなあ。文体の特徴・主張の反復による強調が快い。明快。読むということ、書くということの意味を捉えなおすには十分だった。 ムハンマドとハディージャの件が特に、特に、特に。 ・「終わり」は今までに5回「ビッグファイブ」…「大絶滅」 ・識字率と社会変革 ・文字の歴史はたかだか5000年 ・生物種の平均寿命がだいたい400万年。ホモ・サピエンスは今20万年。さて、あと380万年程。
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佐々木中(1973〜) 思想家、作家。専攻は哲学、現代思想、理論宗教学。 ・読むことは狂気に陥るほど危険なこと ・終末論の傲慢さ(粗悪な独我論) ・conception 静謐ながらも熱く、勢いのある語り口調。著者が宗教学に精通していることもあり、宗教や歴史と絡められながら文...
佐々木中(1973〜) 思想家、作家。専攻は哲学、現代思想、理論宗教学。 ・読むことは狂気に陥るほど危険なこと ・終末論の傲慢さ(粗悪な独我論) ・conception 静謐ながらも熱く、勢いのある語り口調。著者が宗教学に精通していることもあり、宗教や歴史と絡められながら文学が語られる。この、著者が列挙している史実、つまり論の根拠が事実かどうかなんてことはどうでも良く、文学を、本を、本に携わることを、こんなにも情熱と誇りを持って語ってくれる知識人がいることがわたしは嬉しい。本当に嬉しい。
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文学こそ革命の本体である ルターやムハンマド等が起こした革命について深く掘り下げて文学の強さについて熱く語った本 あるラジオ番組で著者がお勧めする本について相当熱く語っていたが、その時感じた熱気をこの作品からも感じた 世界の終りや文学の終りなどと煽る連中が心底お嫌いなようで、人類...
文学こそ革命の本体である ルターやムハンマド等が起こした革命について深く掘り下げて文学の強さについて熱く語った本 あるラジオ番組で著者がお勧めする本について相当熱く語っていたが、その時感じた熱気をこの作品からも感じた 世界の終りや文学の終りなどと煽る連中が心底お嫌いなようで、人類の歴史をちゃんと研究していれば終わりなどないと言っている 目線を広く深くしていくことで見え方が変わってくるよと教えてくれる作品
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本と革命がどう関わるのだろうと、ずっと気になっていてようやく手に取りました。 最初はとっつきにくい感じがあったけど、とても面白かったです。 著者の考え方や訴え方が好き。 「読む」ことに対する真摯さ、静かな熱さがぎっしりと詰まっていて、満足感のある一冊でした。
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キーワードは、文学、革命、思想、宗教、哲学、といったところ。 聡明な頭脳が「文学」を語るとこういう形になるのか、 という感慨深い一冊。 装丁の雅に惑わされてジャケ買いしてしまうと、 うっかりその情熱に絆されてしまいそう。 革命を想起させる赤。 滾るような想い。 昨今、「本」を...
キーワードは、文学、革命、思想、宗教、哲学、といったところ。 聡明な頭脳が「文学」を語るとこういう形になるのか、 という感慨深い一冊。 装丁の雅に惑わされてジャケ買いしてしまうと、 うっかりその情熱に絆されてしまいそう。 革命を想起させる赤。 滾るような想い。 昨今、「本」をめぐる環境の変化はめざましい。 それに拘る仕事をする者としては、 素通りできない一冊。
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本書を読み終えて感じたのは「非常に熱い文章だ」ということです。 著者曰く、本を読むということは引き込まれるということ、発狂するということ。本は革命を生む、暴力による革命だけが革命ではないということ。本が革命を有無とはどういうことか。ルターは聖書を読むことによって、「教会の権威...
本書を読み終えて感じたのは「非常に熱い文章だ」ということです。 著者曰く、本を読むということは引き込まれるということ、発狂するということ。本は革命を生む、暴力による革命だけが革命ではないということ。本が革命を有無とはどういうことか。ルターは聖書を読むことによって、「教会の権威」や「領主に遣えること」が聖書に書かれていないことを知った。結果としてキリスト教を「教会」から「個人」に取り戻すことができたということ。テキストを読み、書くことは革命に加担していることに他ならないということ。熱い、熱い文章です。 筆者は言います。「純文学は売れない。文学は終わったといわれた久しいが、文学は終わっていないという。識字率が非常に低かった旧ロシア時代においても、ドストエフスキーやトルストイのような文豪が生まれた。文学が売れなくなったぐらいのことは文学の危機でもなんでもない。」と言うこと。 確かにその通りだ。「周りの人間が本を読めないのに本を書く人がいた。」という状態が成立していた時代があったのだから、文章を書くという行為自体がなくなろうはずがない。文学が終わろうはずがない。 という理由で、久しぶりに純文学の作品でも読もうかなと思った今日この頃です。 ヨシフ・ブロツキイは「私人」と題された、ノーベル文学賞受賞に講演のにおいて、、国家というレガシーに対して、文学はミューズの声を聞く聞くことで常に未来だと言われた。ヨシフ・ブロツキイ/沼野充義訳『私人』群像社(ISBN:4905821754)もかなり熱い文章なので読んでいただきたいと思います。
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とても面白かった。自分の考え方・価値観に大きく影響を与えてきたような大事な本、を持っている人なら、多かれ少なかれこの本を受け入れることができると思う。柔らかい語り口調で、でも確固たる意志を感じさせる文章だった。正直、途中読むのが難しかった部分もあったが、最後は圧巻。ロマンを感じた...
とても面白かった。自分の考え方・価値観に大きく影響を与えてきたような大事な本、を持っている人なら、多かれ少なかれこの本を受け入れることができると思う。柔らかい語り口調で、でも確固たる意志を感じさせる文章だった。正直、途中読むのが難しかった部分もあったが、最後は圧巻。ロマンを感じた。
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