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夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです の商品レビュー

4.2

139件のお客様レビュー

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2012/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

村上は言う。 「僕自身、大学を出てからずっと、どこにも属さず、個人として生きてきました。就職もしなかったし、どのような組織にも属さなかった。日本社会でそうやって生きていくというのは、決して簡単なことではありません。どんな会社に勤めていて、どんな組織に属しているかで、人は評価されるところがあるからです。一般の日本人にとっては、それはとても大きな意味を持つ問題です。そういう意味では、僕は自分をずっとアウトサイダーみたいに感じてきました。」 どこかに属し、そこにやりがいを見いだす、という生き方の人間が、世の9割だと思う。どこにも属さずに自由に孤高に生きたくても、それは叶わないのが実情だ。 そんな大多数の、組織で働く日本人の中の一人である私は、村上春樹の生き方は憧れである。しかしまた、村上小説の魅力のうちなにか欠けているところがあるとしたら、どこにも属した経験がないことからくる、深みのなさでは、とも思う。 半分やっかみも入っているかもしれないけれど、組織でもがくことを放棄して自らの中に引きこもって作った小説であるから、なにか表面的な孤独、表面的な感動であると言いたくなることがある。 1Q83を読んで、なにか腑に落ちないような感じがしたのは、そういうことだったのかもしれない。 規則正しい生活を続け、確固としたスタイルを築き上げたそのブレのなさを、尊敬してやまないのだけれども。

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2011/10/29

村上春樹の物語の変遷がわかる本。 それと同時に作者本人の変遷もわかる本。 最後のインタビューのラフな感じがとても新鮮だった。 未来は意外に明るいんでしょうか。村上春樹さん。

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2011/10/27

TVやインタビューの仕事はほとんど受けない、 村上春樹さんの貴重なインタヴュー集です。 執筆活動のスタンスや作品毎の思い入れが綴られています。 過去の作品をひもとくための指南書となりそうです。 名作がいっぱいあることに気づかされます。

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2011/10/12

殆ど取材やインタビューを受けない方なので、とても興味深く読みました。年代を追って変化していく様子も良かったです。

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2011/09/28

村上春樹さんの貴重なインタビューを読むことができる。 それだけでもう十分なのに、ほうほうふむふむと心に響く言葉がたくさん。 そして、村上さんのストイックさ(本人曰く長距離ランナー体質)には本当に驚く。 好きだから、ベストな状態でいられるから、ということなのかもしれないけど、 自分...

村上春樹さんの貴重なインタビューを読むことができる。 それだけでもう十分なのに、ほうほうふむふむと心に響く言葉がたくさん。 そして、村上さんのストイックさ(本人曰く長距離ランナー体質)には本当に驚く。 好きだから、ベストな状態でいられるから、ということなのかもしれないけど、 自分にはどうやってもマネができないことなので、ひたすら尊敬してしまう。 そして、この本を読んで過去の作品を読み直したくなった。 まずは東京奇譚集から。

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2021/06/18

改めて、物語がなぜ人々にとって必要なのかということ考えさせらたインタビュー集でした。 書き手の方は、自分の残りの人生を考え、あと何作書けるだろうか、、、と思うようですが、読者の側からしても、あとどれだけ本が読めるのか?と考えてみると、意外と自分で思っているほどは読めないのかもし...

改めて、物語がなぜ人々にとって必要なのかということ考えさせらたインタビュー集でした。 書き手の方は、自分の残りの人生を考え、あと何作書けるだろうか、、、と思うようですが、読者の側からしても、あとどれだけ本が読めるのか?と考えてみると、意外と自分で思っているほどは読めないのかもしれません。読む時はもっと気合いを入れて読もうと思いました。 また、この本を読むまで、小説イコール筋、としか考えておらず、一人称で書くか、三人称で書くかとか、リアリスティックか非リアリスティックかなどということには、全く注意を払わず読んできましたが、そういう視点も加えて本を読むと、更に面白さが増すのかなとも思いました。 印象に残ったのは、『アンダーグラウンド』での一般の人たちから聞いた物語についてです。オウム信者の話を皮相的で奥行きのないものと感じたのに対し、サリン事件で被害に遭ったあった一般の人の話は、どれも心に、頭に、魂に残っている、という箇所です。物語というのものは、それが正直で強いものであれば、きちんとあとまで残るのだということ。 私自身が本を読む際も、無意識にその正直な強さを求めているような気がします。

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2011/09/25

海辺のカフカ、スプートニクの恋人、アフターダーク、そしてねじまき鳥クロニクル、それらをまた久しぶりに読み返したくなった。極論してしまえば全ては長編小説を書くための生活だという話に妙に納得すると共にやはり信用出来る作家だっと再認した。東北大震災を受けてどの様な作品を生み出すのか楽し...

海辺のカフカ、スプートニクの恋人、アフターダーク、そしてねじまき鳥クロニクル、それらをまた久しぶりに読み返したくなった。極論してしまえば全ては長編小説を書くための生活だという話に妙に納得すると共にやはり信用出来る作家だっと再認した。東北大震災を受けてどの様な作品を生み出すのか楽しみです。

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2011/08/18

村上氏の代表作「ノルウェイの森」が初めての『リアリズム』小説であり、この作品がなかったら自分はただのオカルト作家として終わっていた、という言葉は大変興味深かった。 確かに「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」、「海辺のカフカ」等の作品がパラレルワールドを舞台にして、物語...

村上氏の代表作「ノルウェイの森」が初めての『リアリズム』小説であり、この作品がなかったら自分はただのオカルト作家として終わっていた、という言葉は大変興味深かった。 確かに「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」、「海辺のカフカ」等の作品がパラレルワールドを舞台にして、物語が進んでいくように、氏の作品には解釈が多岐に渡る。 その批評に賛否は分かれるが、日本人のみならず、世界中の人々を魅了してやまないのは、誰もがもつ心の深い闇 -作品によく出てくる奥の深い井戸(のようなもの)- を描写して読者の気持ちを代弁しているからだろう。 村上氏は、小説家は眠らなくても夢を見ることができ、それを文章に表現することができる、それが一般の人と唯一異なる才能であり、得する部分であるというようなことを言っていたが、読者達はその夢に魅了されて村上氏の作品を手に取るのだろう。

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2013/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小説を語る本で泣くことってあんまりない。これまでの村上春樹の読み方がわかりすぎて落涙。 自分が何を感じながら本を読んでいたのか初めて気付いた。 自分は、ただ人を喪うだけの物語を求めていたのだった。 人を失うことを追想したくて。追憶をいつまでもかみしめて眠っていたくて。 村上春樹の物語は、そんな難解な物じゃなかったのに、これを読むまで自分が何を感じていたかわからなかった。

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2011/07/03

村上さんの作品を愛するなら、間違いなく読みごたえある。たとえ作品を読んだことがなくとも、生きるヒントを(読み取るというより)感じ取れるかも。

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