1,800円以上の注文で送料無料

竜が最後に帰る場所 の商品レビュー

3.7

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    39

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/10/15

過去の作品にあったようなテーマ、読んだことがあるような状況が重なりつつ、 別個の作品として楽しめた。 「夜行の森」は「秋の牢獄」と「神家没落」がリンクしたような話。 「鸚鵡幻想曲」は、最初の設定ありきの話ではあるけど、 そこから展開していく世界は恒川ワールドそのもの。 気持ちよく...

過去の作品にあったようなテーマ、読んだことがあるような状況が重なりつつ、 別個の作品として楽しめた。 「夜行の森」は「秋の牢獄」と「神家没落」がリンクしたような話。 「鸚鵡幻想曲」は、最初の設定ありきの話ではあるけど、 そこから展開していく世界は恒川ワールドそのもの。 気持ちよく遊んだような感覚になる。 毎回出てくるロクデナシの描写が、少々重く感じられるようになってきた。 怖いのはストーリーよりも、人間のバカヤロウの方だと、彼の作品を読むと思う。

Posted byブクログ

2015/08/15

一つ目の「風を放つ」は、何だか不完全燃焼な感じでもやもやした。最後の「ゴロンド」は、書名とリンクしていて、良かった☺

Posted byブクログ

2015/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった! これってジャンルはなんなんだろう?ホラー?ダークファンタジー? 「風を放つ」特に何も起こらなかったな…とちょい不満。高尾さんが主人公の陰口叩いてたのガッカリしたけど、人間とはそういうものかもしれん。 「迷走のオルネラ」暴力シーンに苦しくなりながら、マスター・ヴラフの選択に唸りました。ただ殺したりする復讐よりも、怖い。 「夜行の冬」超おっかない。おっ、ちょっと楽しげな雰囲気来たな、と思った直後の暗転すごい。私も同じことをしてしまうと思う。 「鸚鵡幻想曲」アサノの手つきがなんだかエロティック。面白い発想ですね。一番好きだったかもしれない。ラストがなんだかファンタジーな感じで良い。 「ゴロンド」ゴロンド可愛いよキュワワ可愛いよ。彼らが到達した場所に行きたい。

Posted byブクログ

2014/11/14

図書館便りの"今月はいった本"でタイトルを見て予約した本です。THE・タイトル借り! 竜…全然関係ありません。短編のつめあわせで、最後の"ゴロンド"という作品でこのタイトルがちらりとでてきます。 ホラー?なんでしょうか??一風かわりすぎて...

図書館便りの"今月はいった本"でタイトルを見て予約した本です。THE・タイトル借り! 竜…全然関係ありません。短編のつめあわせで、最後の"ゴロンド"という作品でこのタイトルがちらりとでてきます。 ホラー?なんでしょうか??一風かわりすぎててちょっと(;´Д`)

Posted byブクログ

2014/10/05

先日の『スタープレイヤー』が面白かったので、別作品を借りてくる。 短編5つ。 なかでも『夜行の冬』と『鸚鵡幻想曲』の2つが好み。 夜行様の歩く夜は外に出てはならぬ と祖母に言われていたのに……。言われるから出る、怖いもの見たさってやつ。毎回、何かが違う世界に辿り着くので、「次の世...

先日の『スタープレイヤー』が面白かったので、別作品を借りてくる。 短編5つ。 なかでも『夜行の冬』と『鸚鵡幻想曲』の2つが好み。 夜行様の歩く夜は外に出てはならぬ と祖母に言われていたのに……。言われるから出る、怖いもの見たさってやつ。毎回、何かが違う世界に辿り着くので、「次の世界のほうが良いかも」と思うと歩くことをやめられない。欲ってなくならないってことね。 人間の形をしていたのはオウム。アサノをうまく島へ呼び寄せられたものだ。それほどまでに「拡散」という行為はやめられないものなんだな。相手が人の形のときは、だまし討のようなことをせず、きっちり話し合ってから行動に移ればいいのに。

Posted byブクログ

2014/07/02

5話収録の短編集。 「風を放つ」 短めの一話目。 ちょっとした悪戯心からしたことに、手痛いしっぺ返しを食らうんじゃないかとドキドキひやひやしたけれど、さらりと終了。ほっとするやら気が抜けるやら。 「迷走のオルネラ」 現実の狂気に満ちた事件から、虚実入り混じった物語へ。 救いを...

5話収録の短編集。 「風を放つ」 短めの一話目。 ちょっとした悪戯心からしたことに、手痛いしっぺ返しを食らうんじゃないかとドキドキひやひやしたけれど、さらりと終了。ほっとするやら気が抜けるやら。 「迷走のオルネラ」 現実の狂気に満ちた事件から、虚実入り混じった物語へ。 救いを与えるふりをした救いのないお話。 お話自体に関係ないけれど、 並行読みしていた「経眼窩式」とかぶる設定があって混乱。 オルネラという文字になんとなく「ねこひきのオルオラネ」を思い出した。あちらはお爺さんだけど。 「夜行の冬」 怖くて幻想的な夜行の光景に、一行に加わりたいと誘惑される。 結末は好きではないけれど。 飲み込む闇より、闇に飲み込まれた心が怖い。 自分が同じ立場でも、同じことをするだろうなと思うのも怖い。 「鸚鵡幻想曲」 一番好きなお話。展開に驚いた。 意外な「偽装集合体」を「解放」したところで終わらず、さらに鸚鵡目線でお話が続く。 解放者への復讐と、おとぎ話で王子様が呪いを解かれるような結末。 50ページ強でこれだけ練りこんで、散漫にもならず過不足もない。すごい。 「ゴロンド」 竜の半生記ともいえるファンタジー色の濃い一篇。 彼らが最後に帰った場所はどこだろう。 広げた想像の翼が起こす風が彼らのもとにも届いたら、 いつかまた毛無し猿の末裔に会いに来てほしい。

Posted byブクログ

2014/06/06

読みやすく、それぞれ毛色の違う作品を収めた恒川光太郎の短編集。共通するテーマは「解放」だと思うのですが、「解放」のニュアンスが作品によって違っています。 「風を放つ」と「迷走のオルネラ」はリアリズムの手法で描かれ、幻想は現実の裏に仄めかされる形で提示されています。 「夜行の冬...

読みやすく、それぞれ毛色の違う作品を収めた恒川光太郎の短編集。共通するテーマは「解放」だと思うのですが、「解放」のニュアンスが作品によって違っています。 「風を放つ」と「迷走のオルネラ」はリアリズムの手法で描かれ、幻想は現実の裏に仄めかされる形で提示されています。 「夜行の冬」は「秋の牢獄」を彷彿とさせる物語で、初期からの読者には懐かしさを覚える方も多いのでは。 「鸚鵡幻想曲」はシュールレアリスム的な表現と奇想が光る話。 「ゴロンド」で描かれるのは、人間とは別種の生き物の生と帰巣。ル・グィン好きの私はアースシー世界をちょっと思い出してしまいました。

Posted byブクログ

2017/11/09

はっきりとして読みやすい文体で、 不思議な世界を描きつづる恒川さんの短編集だ。 ●風を放つ アルバイト先の先輩の友人というマミが、ある日「ぼく」に電話をしてきた。「ぼく」にとってはどうでもいいことだが、風をとじこめた小瓶をもっているのだという。その風を放せば人を襲うこともできる...

はっきりとして読みやすい文体で、 不思議な世界を描きつづる恒川さんの短編集だ。 ●風を放つ アルバイト先の先輩の友人というマミが、ある日「ぼく」に電話をしてきた。「ぼく」にとってはどうでもいいことだが、風をとじこめた小瓶をもっているのだという。その風を放せば人を襲うこともできるという・・・。 ●迷走のオルネラ 母子家庭でそだった「私」は、13歳のときから、母の愛人の宗岡に虐待されていた。彼が家に来るたびに恐れ隠れる日々。そしてある日、逆上した宗岡に包丁で母は刺殺された。懲役20年の刑を得た彼の存在は、成長していく「私」にある使命を感じるようになった。(オルネラは、作中の中の絵本に登場する猫の名前だ。) ●夜行の冬 有る冬の夜、寝ようとしていた「ぼく」は、薄い金属音が擦れるような鈴音を聞いた。導かれるように外へ出ると、赤いコートを着た女が何人もの人を従えて、もくもくと歩いているのを見た。そのまま「ぼく」も行列に加わり、ほぼ一晩歩いたあと、元の自分の住んでいた街へ帰って来たのだが・・・。 ●鸚鵡幻想曲 偽装集合体。聞きなれない言葉だが、眼に見えている形からそのものの存在感が違っているものをいうそうだ。この作品の登場人物アサノは、その物体を見極める能力があり、その物体の集合部分をほどいて本来ある姿に戻すことができるという。偽装集合体を解体したくてたまらないアサノは偽装集合体を捜す旅にでた。そしてピアノを購入した「私」を見つけた。 ●ゴロンド ゴロンドなづけられた竜の種族の生い立ち。水の中で生まれ、たくさんの「死」への危険を乗り越えて、「竜が最後に帰る場所」をゴロンドは目指す。 本のタイトルは、 最後の「ゴロンド」の作品中にでてくる言葉からつけられたのだろう。 表紙は、それぞれの作品にでてくるキーワードが1つづつ描かれている。 少し意味不明な結末の作品もあったが、 怪奇な世界は十分に伝わる作品だった。 表紙の猫は、我が家の猫ちゃん、そっくり! ・・・・思わず、この本を手に取っていた、というわけである。

Posted byブクログ

2013/10/23

ファンタジーでも、やっぱりちょっとひねっていじわるな感じ。 なんとなく「めでたしめでたし」では終わらない読後感。 それでも、恒川作品の中ではしあわせのシッポが 見えたような感じになります。 わりとさらさらと読めます。 早い人では一日あれば読んでしまうかも。

Posted byブクログ

2013/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長編かと思ったら違った。 全5編。面白さにバラつきがあるなぁ。 「風を放つ」 ★★★ なんだよ、後味の悪い悪戯かよ。 「迷走のオルネラ」 ★★★ これまた後味悪い。 「夜行の冬」 ★★★★ 「鸚鵡幻想曲」 ★★★★ 二つに分けた方が好きです。アンバランス。話がひとつになっていない感。前半が面白かった。 読んでいて色彩が感じられた。映像化したらどんな風になるんだろう。 「ゴロンド」 ★★★★★ ゴロンド、○○○かと思いきや。タイトル、ゴロンドで正解。面白かった。筒井康孝を思わせる。 グワグワとはしゃぐゴロンドたちがかわいい。

Posted byブクログ