安心の社会保障改革 の商品レビュー
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格差研究で有名な橘木氏が書いた、各国の社会保障の歴史を振り返る本。参考文献の量を見て分かるように、緻密な文献考証を経たものであり、一読に値する。ドイツやイギリス、スウェーデン、アメリカ、そして日本と選んだ国も自分が期待していた通りであった。また、本書の優れた点は最後に社会保障を考える上での論点を整理しているところである。普遍的であるか選別的であるかの点や税か保険料であるべきかという点といった学問的なものから、政治的リーダーの存在や社会保障を支える学問や宗教の存在といった観点まで幅広く挙げられている。自分が最も印象に残ったところは、スウェーデンの社会保障制度(年金)の始まりは、アメリカへの大量の移民で残された高齢者に対する救済意識が国民の中で高まったことであるということである。示唆に富んだ美談である。いずれもう一回読みたい本である。
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スウェーデンとデンマークという2つの福祉国家にあっても、財源調達は前者が保険料方式で後者は税方式。後者が望ましいと考える。
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