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二人静 の商品レビュー

3.9

33件のお客様レビュー

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2012/05/04

不公平と不幸に関しては山積みな母子。他人の不幸は蜜の味、同情することで自己満足が得られる向きには感動的な物語。 子供は親を選べない、志歩ちゃんには名前の通り志をもって歩んでいってほしいが、あとは一纏めにどうでもいい。 妻に先立たれ、1人ではまっとうに生きられない主人公の父親。登場...

不公平と不幸に関しては山積みな母子。他人の不幸は蜜の味、同情することで自己満足が得られる向きには感動的な物語。 子供は親を選べない、志歩ちゃんには名前の通り志をもって歩んでいってほしいが、あとは一纏めにどうでもいい。 妻に先立たれ、1人ではまっとうに生きられない主人公の父親。登場人物として違和感ないということは、こんな風に年老いた男は一般なのだろう。 頼りないその姿に、今までの傍若無人を自覚させずに黙って許す主人公。私はとてもそんな心境にはなれない。

Posted byブクログ

2012/03/12

 本を手にとったとき、表紙に違和感を感じた。タイトルから感じられる静かな優しさとは違い、寂しそうな悲しそうな泣き出しそうな顔をした二人。そして裏表紙には二人からすこし離れて彼女たちを見守るような男性。はたしてどんなお話がそこには待っているのか、想像もできずにページを開いた。  ...

 本を手にとったとき、表紙に違和感を感じた。タイトルから感じられる静かな優しさとは違い、寂しそうな悲しそうな泣き出しそうな顔をした二人。そして裏表紙には二人からすこし離れて彼女たちを見守るような男性。はたしてどんなお話がそこには待っているのか、想像もできずにページを開いた。  母が亡くなってからすっかり呆けてしまった父を抱える町田周吾と、障害を持つ娘を抱える乾あかり。二人が代わる代わる物語を進めていく。  静かに、行きつ戻りつではあるが確実に死に近づいていく父。ゆっくりほんの少しずつではあるが、障害を克服しようとする娘。そして過去に抱え込んだ恋愛問題。二人が抱える問題はまったく正反対なのに、ものすごく近いように思えた。  介護とはつらいものだ。ありきたりな言葉だが、そう感じた。家族にとっては、元気だった状態を知っているだけに呆けてしまったときにそれを受け入れるのはなんと悲しくつらいことだろうか。  私の家では祖父が痴呆になったとき、家族の誰もが疲弊した。受け入れられず目を逸らしたことも何度あっただろう。私は周吾のようにはできなかった。祖父が亡くなったときにとてもとても後悔した。  当然のことだが、みんな老いていく。その老いから目を逸らすのではなく、寄り添うためにはこういう本を読み、擬似体験しておくといいと思った。

Posted byブクログ

2011/11/27

母をなくして、父も生きる気力をなくして痴呆がはじまって、 というような目を覆いたくなる重い状況を、今まさにその渦中にいるかのような綿密な描写を重ねていく。数十ページ読んだらもういっぱいいっぱいになりそうな重い出来事の連続なのに、物語の波に乗せて、ぐいぐい読ませていくその手際はそれ...

母をなくして、父も生きる気力をなくして痴呆がはじまって、 というような目を覆いたくなる重い状況を、今まさにその渦中にいるかのような綿密な描写を重ねていく。数十ページ読んだらもういっぱいいっぱいになりそうな重い出来事の連続なのに、物語の波に乗せて、ぐいぐい読ませていくその手際はそれは見事。 扱っているのはこういう重い話なのに、基本的なトーンが明るいのは、主人公の二人が、そんな状況をとても真摯に生きていて、お互いの信頼の気持ちが溢れていて、そこに希望を見出し、共感できるからだと思う。 凡庸な感想だけれど、ひとりじゃないって大切なことなんだなあと、強く思った。 「夜の果てまで」とともに、盛田さんの代表作のひとつになる作品だろう。

Posted byブクログ

2011/11/23

おそらく、著者はすごく取材したと思う。 ここまで書くかっていうところまで、高齢者福祉や医療に関することが書いてある。 小説を楽しみたい人にとっては、ちょっと長すぎるかなという印象。 あと、問題をそんなに入れなくても詰め込まなくてもと思った。 リアリティはあるが、読後感があまりよく...

おそらく、著者はすごく取材したと思う。 ここまで書くかっていうところまで、高齢者福祉や医療に関することが書いてある。 小説を楽しみたい人にとっては、ちょっと長すぎるかなという印象。 あと、問題をそんなに入れなくても詰め込まなくてもと思った。 リアリティはあるが、読後感があまりよくなかった。

Posted byブクログ

2011/08/06

現在社会の問題が山盛りのようなお話。 言葉を発する事が出来ない子どものの交流はちょっと感動もの。 携帯で、というところが今風だなあ。

Posted byブクログ

2011/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 場面緘黙の子供の心理がよくかけているなあと思った。DVを受けて離婚し場面緘黙の子を育てる女と、サラリーマンとして働きながら父親の介護をする男。二人ともいい人過ぎて傷ついている。そんな二人が助け合って生きていけたらいいなと思うけどなかなかうまくいかない。こんなに苦労しているのに人を恨まず、人生を淡々と受け入れて生きていける強さがすごい。

Posted byブクログ

2011/07/23

読み終えて天井を見上げたら、なんだかずいぶん高く感じた。こんな時間だから、どこかで天井を見上げて眠れない夜を過ごしている人たちがいるんだな。

Posted byブクログ

2011/08/01

場面かん黙、DV、痴呆介護。それだけ見るとどんよりしそうなアイテムを上品にゆったりと読ませる。誰かと信頼し合い寄り添い合って生きることが出来ない二人の心の距離が哀しいが、いつの日か安心して共に歩いていける日が来ることを祈らずにはいられない。

Posted byブクログ

2011/07/16

高校時代に好きだった人(結局は大学入学を期に遠距離となり自然消滅しましたが)に薦められて読んだので、最初から気合の入り方が違います。それぞれ親の介護が気になる年頃になったかと思うと月日がたつのも早いものです。でも、この本は親の介護を軸とした恋愛小説。そういえば彼女も看護師を辞めて...

高校時代に好きだった人(結局は大学入学を期に遠距離となり自然消滅しましたが)に薦められて読んだので、最初から気合の入り方が違います。それぞれ親の介護が気になる年頃になったかと思うと月日がたつのも早いものです。でも、この本は親の介護を軸とした恋愛小説。そういえば彼女も看護師を辞めてから介護の仕事をテンポラリーでやっているとか。これって、ひょっとしたら彼女とわたしの関係も再燃するのか?なんて、夢見心地になれる本でした。

Posted byブクログ

2011/05/20

32歳の男性会社員と、自分の父親が入所している介護施設で働く同い年の女性介護職員との心の交流が静かに進展する小説。介護の大変さもよくわかった。

Posted byブクログ