猫鳴り の商品レビュー
少し暗い話だなーと思いながら読んだ。少女の頃のアヤメがなんとも可愛げがなく、とんでもない子を想像してたら、第二部のアヤメは謎過ぎて謎過ぎてもうワケ分からなかった。なのに結婚したって…えーーー!誰と?!と気になってしまった。まさか行雄ではないよね。
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私は犬派なのだけど、猫好きだったかなと思わせる程 猫が飼いたくなった。モンちゃんとのお別れが涙なくして読めない。まほかるさんの世界になんとなく惹かれる
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前半はまほかるさんの陰な感じが 見え隠れしていましたが、最終章は 飼い主と猫の最期の話で 猫を飼った事の無い私でもウルウルとしたので 猫が好きな方は涙無くしては読めないのではと思いました。 最後はあったかい気持ちになりました。
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沼田さんは、猫がゴロゴロと喉を鳴らす音を「猫鳴り」と書いている。 迷い猫「モン」と暮らした日々を三部に分けている。 いつも胸の奥深くにある、確かに一人の分身と思える自分の心、それを暗く厳しく、日常生活の中で見つめる作者の目はここでも健在だ。 その中に沈んでいる、生きていく日々の...
沼田さんは、猫がゴロゴロと喉を鳴らす音を「猫鳴り」と書いている。 迷い猫「モン」と暮らした日々を三部に分けている。 いつも胸の奥深くにある、確かに一人の分身と思える自分の心、それを暗く厳しく、日常生活の中で見つめる作者の目はここでも健在だ。 その中に沈んでいる、生きていく日々の悲しみややるせなさ、孤独感が重くにじんでいる作品が、薄い本の中で充実している。 特に三部の「モン」との別れは、胸を締め付けられて涙が流れる。 沼田さんの作品を読むと、生きることにまっすぐに向かう強さと、書いているテーマの重さに読むのが苦しくなることがあるが、情に流されない乾いた筆致がこの作品では、時に揺れる。 「モン」に託した視線の暖かさや人の優しさに胸を打たれる。 長くなりそうな、「モン」の一生に付き合う話を、三部に分けた書き方も、語り巧者だと思う。 第一部 泥だらけで迷い込んできた手に中に納まるような小さな猫が、疎ましくて信枝は新聞紙にくるんで捨てた。だがなぜかよろよろと帰ってきた。今度は少しはなれた林に捨てた、だがまた帰ってきた。また捨てた、猫は林の中にずんずん入っていった。 信枝はやっと出来たわが子が流れて8ヶ月、何もいわないが夫の藤治も仔猫のことが心配げだった。 玄関を開けると女の子が立っていて猫を置いていったという、有山アヤメという子は猫を捨てたと知ると、林に向かって走っていった。藤治と信枝が追いかけていくが猫は見つかったが女の子は姿を消していた。 猫と藤治と信枝、猫の様子を見に来て居間に上がりこんで、肉じゃがを食べていくアヤメ、藤治の仕事仲間で将棋を指しにくる弟分の暮らしが始まった。「モン」は飼い安い猫だった 第二部 世間を憎み、母子家庭で父親にも構われなく育ち、不登校になった中学生が、公園で幼児を刺そうとして偶然に未遂に終わる。 顔見知りになったアヤメと他を威圧するほどたくましく成長した「モン」との付き合い。 幼児の母親に通報され警察の呼び出された時、親の心に触れ、初めて親しい感情を持つ。 第三部 信枝も亡くなり、アヤメも結婚して遠くに行った。老猫になった「モン」と暮らしている藤治。 「モン」は動きが少しずつ緩慢になり、食も細くなってきた。医者に見せると腎機能が病んでいると言う。手当ての方法が無く、食を補う注射をして、口に塗るペースト状の食材をくれる。「モン」は嫌がったが口に塗ると少し食べた。二階の信枝のベッドの下から出てこなくなり、名前を呼ぶと返事をして尻尾をパタパタと床に打ち付けた。 それも次第に弱しくなっていった。子供の頃から毛をすくと喜ぶので綺麗にすいてやり掃除機で吸い取るとそれも気持ちよさそうにしている。好きなところをなでてやるとゴロゴロと体全体が震えるほどの猫鳴りが聞こえる。 果物籠を見つけて入れてみると大きなからだが丁度収まった。ブランコのように揺すると嬉しそうな金色の目でジッと見つめてくる。だが籠がだんだん軽くなった。ベッドから出てくることも無くなって、綺麗好きの「モン」の毛が尿でぬれているようになった。からだをずらして拭いてやる。 美しい金色に輝いていた毛並みが汚れている、拭いてやると嬉しそうに顔を見た。だが何も食べなくなって皮膚が腹の下に滑り落ち、顔もとがってきた。 夜中の二時頃に、ベッドの下をのぞき込むと、奇妙な無表情さが猫の全身を覆っていた。呼吸もあやふやであるような気がした。 「モン」 名を呼んだ。 猫は半分はもうモノになりかけていた。それでも、尾がはっきりと応えた。床をうつてハタハタと優しい音を立てた。 もう一度呼び、もう一度応えた。 見事な別れを果たしきった猫を、やんやと褒めそやしてやりたい。その想いをありったけ指先に込めて、見開かれたままの琥珀色の眼も最後にそっと閉じてやった。
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終章で悲しくて悲しくて、涙が止まらなかったのは 8歳で天国へ逝ってしまった愛犬との最後の時間が甦ってきたからだ。 犬や猫は、きっと健康に過ごそうとか長生きしたいとか考えないんだろうな。 生き物(人間も含む)を美化しないどころか醜さも剥き出しで 甘さの欠片もない物語なのに、 キラキ...
終章で悲しくて悲しくて、涙が止まらなかったのは 8歳で天国へ逝ってしまった愛犬との最後の時間が甦ってきたからだ。 犬や猫は、きっと健康に過ごそうとか長生きしたいとか考えないんだろうな。 生き物(人間も含む)を美化しないどころか醜さも剥き出しで 甘さの欠片もない物語なのに、 キラキラとした大切なものを受け取った気持ちがするのです。 不思議な物語だな。
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一匹の猫を中心とした三者三様の物語です。 当初、読み始めたとき、これは群像劇なのかなと思っていました。第二部をしばらく読み進めて、同じ猫の話かと気づきました。ただ第二部ではメインの猫ではないですが。 第一部で出てきたサブキャラと第二部のサブキャラが同一人物であるって言うのもそ...
一匹の猫を中心とした三者三様の物語です。 当初、読み始めたとき、これは群像劇なのかなと思っていました。第二部をしばらく読み進めて、同じ猫の話かと気づきました。ただ第二部ではメインの猫ではないですが。 第一部で出てきたサブキャラと第二部のサブキャラが同一人物であるって言うのもそこで気が付いたり。 とにかく暗いです。闇というかなんというか。特に第二部の主役が、闇を抱えまくっている状況だったりしますし。 ただ、ずーっと闇なのではなく、第三部の締め付近は、もうなんというか、光が差していましたね。 最後まで読むのは辛いですが、読み終えたとき光が差してくる、すがすがしい小説です。最後の解説もスッキリ出来ますね。 一応、補足しておくと、第二部の終わりも第一部の終わりも救いが無いわけではないです
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モンの茶色い毛玉姿は 常に先へ先へと 人をいざない 怖くないよ 辛くないよ と道を知らしめてくれているかのよう 猫には 確かにそんな優しさを感じます これを書ききった 沼田先生は 力強く 優しく 本当に素晴らしい そして涙があふれて止まらない作品でした 読んでよかったです
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とてもキレイな話だったなぁー。 猫を通じて夫婦の話かと思ったら、 猫主体の話。 キレイすぎて自分にはちょっと合わなかった。 ユリゴコロを書いてる作者だから、 そのときのような心理描写を とことん泥臭く描かれてるかと期待しちゃいました。 子どもができなかった夫婦、 自分は、捨てら...
とてもキレイな話だったなぁー。 猫を通じて夫婦の話かと思ったら、 猫主体の話。 キレイすぎて自分にはちょっと合わなかった。 ユリゴコロを書いてる作者だから、 そのときのような心理描写を とことん泥臭く描かれてるかと期待しちゃいました。 子どもができなかった夫婦、 自分は、捨てられたと思う子ども。 展開もおだやかでした。 最近自分の趣向が分かってきたような気がする。 朝井リョウさんや、 湊かなえさん、 池井戸潤さん 百田尚樹さん 伊坂幸太郎さん の作風が好きかな〜。 でも、とらわれずどんどん読んでいきますが笑
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以前に看取った愛猫2匹のことを思い出していたが、ただ、何故か泣けなかった...。「動物」から動かなくなる「物」になる時、そこにはどこか冷めた自分がいた。看取った時、悲しんでいる自分を演じている自分に気づいてしまったからなのかもしれない。
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冷たくて鋭い描写が多くて、猫好きとしてはもうやめてくれ〜!みたいな場面も。それでも最後まで引き込まれた。優しくて切なくて心温まる物語が好きだから再読はないかな、どうかな。
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