1,800円以上の注文で送料無料

中原の虹(2) の商品レビュー

4.2

56件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/03/10

 視点が清が興る前の女真族のダイシャンや物語の舞台清の終わり間際の奉天や北京に飛ぶけれど、本巻は外国に蹂躙される前に清を滅ぼそうと覚悟した西太后と光緒帝ら清側の描写が細やかだった。国と民の誇りを守るためとはいえ悲しすぎる覚悟だと思った。

Posted byブクログ

2021/02/23

もちろんこれは小説なのだけれど、西太后の印象を操作して貶めて自分達に有利になるようにする、というイメージ戦略は、いかにも植民地として中国を狙っていた欧米諸国(日本も同じ穴の狢だけど)がやりそうなことだと納得してしまう。もしかしたら西太后の実像はこちらにより近かったのかも?と思って...

もちろんこれは小説なのだけれど、西太后の印象を操作して貶めて自分達に有利になるようにする、というイメージ戦略は、いかにも植民地として中国を狙っていた欧米諸国(日本も同じ穴の狢だけど)がやりそうなことだと納得してしまう。もしかしたら西太后の実像はこちらにより近かったのかも?と思ってしまうと、彼女の最期の描写は胸に迫るものがある。西太后も光緒帝も気の毒すぎて… 更に、日本がしたことを考えると、いたたまれなくなる。中国が列強の植民地になった場合の日本の立場を考えると切羽詰まるのも理解はできるが…うーん… 近代史もちゃんと子供に教えた方がいいと思う。起きたことを受け止め、検証し、同じことを繰り返さないようにみんなで考えることは、とても意義あることだと思う。

Posted byブクログ

2020/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

~感想~~~~~~~~~~~~~ 蒼穹の昴の続編の続編の2巻。 あの時の面々がリアルに蘇り、荒々しい馬賊の物語と交差していく。 ~登場人物~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ・吉永ちさ(吉永将の母、梁文秀と玲玲夫婦の友人) ・柳川文秀(梁の偽名) ・柳川りん(玲玲の偽名) ・柳川清一(リァンチンイー↑梁夫婦の息子、字はフーション) ・孫逸仙(スンイーシュン、改革派、中国同盟会の指導者) ・平仲清(ピンチョンチン、テレグラムを5日間で習得した若い宦官、13歳) ・エドモンドバックハウス(英国人の客員教授、嘘つきの天才) ・陳一豆(チェンイードゥ) ・プーイー(醇親王の子、3歳、次期皇帝) ~ネタバレ覚え書きあらすじ~~~~~~~~~~~ 袁世凱は徐世昌から龍玉の情報を得ようとするが、知れば知るほど自分にその資格がない事に気づく。 先日駅舎を襲った匪賊、楊家屯を誅殺すべく正月帰省していた仲間を呼び戻す白虎張。 白虎張の息子、漢卿の初陣でもあり、日本人少尉で情報官の吉永も同行する。 先に白猫を行かせ恭順の証として武器を放棄させた後、子供と馬以外は皆殺しにせよと命令、そして残った子供達から賛賛の子、即ち秀芳の子を見つけ出す。 一方で幽閉の身の光緒帝は自力でテレグラム(有線モールス通信装置)を組み立て各地の改革派へ改革案を送り、春雲は平仲清の教育をバックハウスを通じてトムに依頼し、西太后と光緒帝の親子の通信が始まる。 バックハウスはこれによって共犯となり、今後は西太后を鬼か悪魔のよう触れ回り本を書くようにと勅諭が下される。 寿安はひとり馬賊のなりをして春雷に会いに行き、弟妹が無事だと伝え、白虎張を見定める。 タクトホ(蒙古馬賊)討伐の名目で白虎張に2階級特進の師団長の位と2万の精鋭部隊が与えられるがもちろん既存の将校は気に入らない、謀略を巡らすが初顔合わせの前の風呂屋で並みいるランパと白虎張に圧倒される。 翌朝の閲兵では悪巧みをしていた参謀が殺され「壮士たらん者は共に戦え、仁義なき者は去れ」と叫び大勢の馬賊を従えてタクトホ討伐へと走る。 そして紫禁城では老い衰えた西太后により醇親王の子、3歳のプーイーが大阿哥(次期皇帝)に任命され、西太后は春雲に「生きよ」と命じる。 役目を終えた西太后と光緒帝は同じ日に共に崩じる…

Posted byブクログ

2019/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み始めは難しそう、となるのだが、読み始めると一気に進む。 それぞれの思惑が交錯して、勧善懲悪ではなく皆自分なりの信念をもって選択しているのがまた…。 西太后のイメージが本当に変わるが実際はどうだったのだろう。。 物事を客観視、というのは最早不可能ではないだろうか。。 春児が生きながらえさせられて今後どうなるのだろう、 蘭珍の最期が悲しくも、本人の意思があって。。。 どこまで物語でどこまで史実かわからないけれど ラストまで楽しみたい。

Posted byブクログ

2018/09/22

いよいよ西太后が最期を迎える。 そして光緒帝も。 大変な山場。 と同時に、日本に亡命した梁文秀と玲玲のこと、マダム・チャンやら、トム・バートンらも出てくる。 もちろん、春児も。 李家のきょうだいたちの再会もありそうな雰囲気。 中国語を学んだことがある身としては、アル化の話が面...

いよいよ西太后が最期を迎える。 そして光緒帝も。 大変な山場。 と同時に、日本に亡命した梁文秀と玲玲のこと、マダム・チャンやら、トム・バートンらも出てくる。 もちろん、春児も。 李家のきょうだいたちの再会もありそうな雰囲気。 中国語を学んだことがある身としては、アル化の話が面白かった。 北京語でよく聞かれる、語末にrがつく現象のことだが、春児が「チュンル」もそのひとつ。 ただ、「チュンル」でなく、「チュナル」と発音されるのが上品だ、とあったのが、ほう、そういうもんか、と興味が惹かれた。 私の中国語の先生は、大連出身だったが、魯迅の「故郷」を読んだとき、「宏児」を、日本語訳のように「ホンル」ではなく、「ホナール」と発音していたのも思い出した。 あと、この時期の中国の、いろいろな国から人が吹き寄せられている状況を、様々な言語を取り込むことで表現しているところもおもしろいのだけれど、一つだけ気になることが。 「対」の使い方だ。 「対」は、「はい」と訳せるが、日本語の「はい」と全く同じにはならない。 「その通りです」「正しいです」の意味の「はい」だったと記憶する。 だから、この巻のどこだったか思い出せないけれど、「~があるか?」と聞かれて「対」と答えることはないと思うのだけれど…。 たぶんそれなりに調べて書いているのだろうし、もしかするとネイティブのインフォーマントを持っているのかもしれない。 実際にはそういう使い方もあるのかなあ?

Posted byブクログ

2018/03/03

西太后がついに終わりの時を迎え、幼子を新たな皇帝に指名。張作霖、袁世凱、春児、春雷、そして日本で暮らす梁文秀は。

Posted byブクログ

2017/02/25

半世紀にわたり、落日の清王朝を1人で支えた西太后(シータイホウ)が人生の幕を閉じようとするころ、張作霖(チャンヅオリン)や袁世凱(ユアンシイカイ)は着々と力を蓄えていた。死期を悟った西太后が考え抜いて出した結論は、自らの手で王朝を滅ぼすということだった。次の皇帝として指名したのは...

半世紀にわたり、落日の清王朝を1人で支えた西太后(シータイホウ)が人生の幕を閉じようとするころ、張作霖(チャンヅオリン)や袁世凱(ユアンシイカイ)は着々と力を蓄えていた。死期を悟った西太后が考え抜いて出した結論は、自らの手で王朝を滅ぼすということだった。次の皇帝として指名したのは、わずか3歳の溥儀(プーイー)。その悲壮な決意を前に、春児(チュンル)は、そして光緒帝は――。

Posted byブクログ

2016/02/05

いよいよ西太后の死。西太后がどのような想いで、中華帝国の維持を試みていたのか、光緒帝への想いなど様々なことが知れる第2巻。重厚な内容ではあるが、いかんせん展開が遅い。前作の勢いはいずこへ。第3巻ではぐいぐい読ませてくれることに期待。

Posted byブクログ

2016/01/17

難しかったけど、おもしろかった。 第1巻はまだしも、2巻、3巻、4巻と、とても感動。あついものがこみ上げてきました。 「蒼穹の昴」の続編で、「珍妃の井戸」ではちょっといまいちでしたが、本作はすばらしい物語 清の始まりと終わりが交錯しながら語られるストーリー展開です。 -- 第2...

難しかったけど、おもしろかった。 第1巻はまだしも、2巻、3巻、4巻と、とても感動。あついものがこみ上げてきました。 「蒼穹の昴」の続編で、「珍妃の井戸」ではちょっといまいちでしたが、本作はすばらしい物語 清の始まりと終わりが交錯しながら語られるストーリー展開です。 -- 第2巻では西太后がなくなるまでが描かれます また、亡命した文秀と春雲の妹の玲玲の日本での生活も語られています 西太后と光緒帝の電信での会話が泣けてきます.. さらに、光緒帝と蘭琴の会話もつらいものです。 そして、ラストエンペラーとなる溥儀を指名し、彼女と光緒帝の歴史が終わります。 作者の描く西太后の生き様、考え方、そして守ろうとしていたものが明らかになり、とても心打ちます。 ここでひとつのクライマックスです!

Posted byブクログ

2015/03/07

西太后崩御。 光緒帝も崩御。 歴史が動くその瞬間までが2巻でした。 西太后が思う通りの国であれば中国はとても美しい国だ。でも、結局そうはならなかったのではないか、と思う。しっかり人殺しの機会を作った文化の仲間入りしてる。

Posted byブクログ