図書及び図書館史 の商品レビュー

小黒浩司(著者)

2017/06/06

メディア史的視点の重視　三部構成

記録メディアの歴史
１　紙以前の記録メディア
２　紙
３　図書の形態史
４　印刷術の発明
５　印刷の種類
６　大量印刷の時代
７　雑誌・新聞の歴史
８　近代のマスメディア
９　メディアの多様化
１０　新しいメディア

図書館の歴史：世界
１１　図書館の源流
１２　中世の図書館
１３　近世の図書館
１４　公共図書館の成立
１５　近代の図書館

図書館の歴史：日本
１６　前近代日本の図書館
１７　近代図書館の誕生
１８　デモクラシーと図書館
１９　戦時体制下の図書館
２０　戦後改革と図書館
２１　戦後民主主義と図書館
２２　市町村立図書館の振興と住民
２３　自治体政策のなかの図書館
２４　子どもと読書・図書館
２５　科学技術の発達と図書館
参考文献
図版の出典等一覧
索引

2012/05/30

2012 5/30読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
図書館系勉強会でやろうと考えている「日本の図書館史教育について：教科書分析編」のために借りてきた本。
ネタバレなので以下、勉強会出席予定者は見ないでいただきたい（笑）

図書館史の教科書としては、まさに今月出た樹村房の新刊を除けばもっとも最近の本。
他の教科書と比べた際の特徴としては、

・メディア史の重視（全25ユニット中、10ユニットがメディアの歴史）
　⇒・他は基本、メディア史と図書館史をそこまで厳密にわけない（多くは各地域の図書館史部分にメディア史も混ぜている）
　⇒・これは新カリキュラムの「図書・図書館史」でメディア史がより重視されたことにも対応している、とまえがきで説明有り

・海外図書館史が手薄（5ユニットのみ）

・書き手が若手中心（最近まで大学院生だった中山さんも）

・公共図書館史中心
　⇒・これはJAL教科書の伝統。司書は公共図書館員向けの資格なので当然ではあるが、海外図書館史が手薄なこととも関係している。

・戦後日本以外はかなり面白い。戦後日本がつまらなく感じるのは授業等で既知だからか・・・（や、でもほかも大半は既知の話のはずだが）。