三面記事小説 の商品レビュー
新聞の事件記事をモチーフにして描かれた短編集。 人の心理的な部分を鋭く見抜き、短編ながら奥が深い。 2015.8.23
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久しぶりに怖い物を読んだ。 しかもこれの前が家族のほのぼのとした本だっただけに差がありすぎて読む順番を間違えたな、と。 結末が無いものが多く、想像力をかきたてられるものがあったがそれがよりいっそう恐怖を招いた感じ。 普通の人達が、何かのきっかけで自分の欲望を剥き出しにする。 ...
久しぶりに怖い物を読んだ。 しかもこれの前が家族のほのぼのとした本だっただけに差がありすぎて読む順番を間違えたな、と。 結末が無いものが多く、想像力をかきたてられるものがあったがそれがよりいっそう恐怖を招いた感じ。 普通の人達が、何かのきっかけで自分の欲望を剥き出しにする。 それに気づかず止める人がいないのは、本人たちが至って普通だからだ。 モヤモヤまではしないが、何か心に引っ掛かるものがあった。 H27.7.30~8.3読了。
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本当にあった事件から着想を得て描かれた小説が収められた短編集です。ほんのわずかな顛末しか読み手には知らされていないので、実際がどうだったかはわかりませんが、その着想の広げ方は凄いと感じるものばかりでした。 この結果が、そのような過程を経たものだとは、という意外性をたのしみ、そして...
本当にあった事件から着想を得て描かれた小説が収められた短編集です。ほんのわずかな顛末しか読み手には知らされていないので、実際がどうだったかはわかりませんが、その着想の広げ方は凄いと感じるものばかりでした。 この結果が、そのような過程を経たものだとは、という意外性をたのしみ、そして時折残酷で悲劇的なストーリーに「もしかしたら事実かもしれない」(実際は違うとは理解しつつも)と空想してはらはらと胸を苦しくさせられました。 どれもがどこか救いがないものばかりだったので読み心地としてはけっして楽しい、とはいえません。けれど、現実と寄り添っている向こうがわを覗いてしまったような、自分もどこかでこのように道を外してしまうかもしれないというような、そんな心地にさせられるリアリティのある物語で、印象強い後を引く感覚を読み終えてなお残されたのでした。 最後の一編は、本当の事件のほうの顛末を知ってましたし、また、あるかもしれない未来だと思えてしまったので、ひたすら恐ろしくも哀しくてたまりませんでした。
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三面記事から着想した短編を集めたもの。すべてフィクションで、事件を起こすに至る事情を想像して書いたものと思われます。心理描写が素晴しく、また緻密に組み立てられていて、たしかにそう考えたならそういう行動をとるかも、と思わされます。何かを変えるため(あるいは変えないため)事件を起こす...
三面記事から着想した短編を集めたもの。すべてフィクションで、事件を起こすに至る事情を想像して書いたものと思われます。心理描写が素晴しく、また緻密に組み立てられていて、たしかにそう考えたならそういう行動をとるかも、と思わされます。何かを変えるため(あるいは変えないため)事件を起こす人に共感はできませんが、小さな記事の背後に隠されたドラマはどれも読み応えがあり、ただの名前(記号)だった当事者たちが、圧倒的存在感で立ちあがってくることに感動しました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結構面白かった。短編小説ですが1篇1篇が読みごたえがあった。ってか怖い! 実在した事件をモチーフに描いたフィクションとのこと。うん、こんな小さな記事だと罪を犯した裏事情がまったくわからないもんね。罪に問われるのは加害者だけなのか。被害者に非はなかったのか。。
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15行足らずの三面記事の事件。それぞれの当事者が犯罪に至った事情をフィクションとして描き出す6編の小説。 どの事件も、主人公が臨界点を越えて犯罪に至るまでの心の動きが細かく描かれ、その緊迫感の中で事件が起こる。三面記事でここまで書けるなんて、つくづく、作家ってすごい。 痴呆の母を...
15行足らずの三面記事の事件。それぞれの当事者が犯罪に至った事情をフィクションとして描き出す6編の小説。 どの事件も、主人公が臨界点を越えて犯罪に至るまでの心の動きが細かく描かれ、その緊迫感の中で事件が起こる。三面記事でここまで書けるなんて、つくづく、作家ってすごい。 痴呆の母を手にかける息子を描いた光の川は切なかった。
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実際の事件記事をモチーフに書かれた短編小説。 過去に一度 読んだことがあったのですが 全く覚えていないので再読。全編読み応えありました。さすが角田さんですね。6話あって どれも人間模様がせつなく リアリティがあってぞっとする。最後の「光の川」は とにかくせつなかった。
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フィクションとノンフィクションの狭間。当事者の本当のことではないにせよ、記事においての数文字にしかならない人間模様が、彼等を生かしている。
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1014.11.30ー78 記事は見ないようにして読み始めても、うっすらと記憶のある事件を題材としているだけに、結末が分かってしまうものの、それぞれの事件にはひょっとするとこの小説通りの背景・理由があったのかと素直に思う重みが感じられる。
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人ってなんだか外から見てると小さいのに、それぞれが色んな色んな裏側を隠し持ってるんだなー。私も、あなたも。今日すれ違った顔も覚えぬあの人たちも。 日常がひとつ歯車が外れれば、犯罪となる。 誰にだってこの小説の登場人物になる可能性がある。
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