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「怖い絵」で人間を読む の商品レビュー

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76件のお客様レビュー

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2011/04/23

『怖い絵』未読で本書を読了。 悲しい時代背景の記述に陰鬱な気分になるものの、怖いもの見たさの性と言えばいいのか、やはりこの手の話は面白いものばかり。 あとがきにある大塚国際美術館には是非とも行ってみたいものです。

Posted byブクログ

2011/03/27

NHK教育のテキストにもなった「怖い絵」で人間を読む、の加筆修正版。 西洋絵画の名作を、当時の社会情勢や宗教観とも絡めながら解説。 前半はハプスブルク家を中心、後半はそれ以降という感じです。 ちょっと話がそれるけれども、日本の中世ヨーロッパ史系の著作は女性の著者が多い気がします...

NHK教育のテキストにもなった「怖い絵」で人間を読む、の加筆修正版。 西洋絵画の名作を、当時の社会情勢や宗教観とも絡めながら解説。 前半はハプスブルク家を中心、後半はそれ以降という感じです。 ちょっと話がそれるけれども、日本の中世ヨーロッパ史系の著作は女性の著者が多い気がします。いわゆる、宮廷とか貴族とかの一般的なイメージが女性に訴求しやすいというのは、余りにも短絡的かもしれませんが、あまり歴史好きな方でも中世ヨーロッパ史が好きという方には男性はあまりお目にかかったことがありません。 『エリザベート皇后』のエリザベートの解説での、フランツ・ヨーゼフ皇帝の印象が余りにも悪い気がします。 「ハンガリー軍服姿の皇帝フランツ・ヨーゼフ一世」(赤い服をきてヒゲをはやして右を向いているあれです)の解説での、(以下引用) 人生の悲哀を全て飲み込んだ老人の顔。レンブラントの「黄金の兜の男」もそうですが、ときどきこういう男性の顔にゆきあたります。人生で何より義務を最優先させ、自分の幸せや楽しみは後まわしにしてきた男性の、老いて血を流しているかの様な、見ていて切なくなるような、でもしみじみと味わい深い顔。(引用終了)の表現は僕の価値観から照らすと余りにも一方的な気がします。 僕自身がそこまでの覚悟感で、いれているわけではありませんが、そういう表現をされる老人にはポジティブな評価をしたいと思っています。 またサトゥルスのパートは本当に怖い絵です。 逆に言うと、怖い絵で人間を読んでいるのは、主に後半な気がします。西洋絵画と西洋史にある程度知識がある人のほうが楽しめると思います。

Posted byブクログ

2011/03/22

内容自体は『怖い絵』がもとになっているので、 比較的かぶる部分も多い。 しかし『怖い絵』を書いた上で、中野京子の心境や解釈の変化も しっかりと書かれているため、ファンでも満足できる構成。 もちろん『怖い絵』を未読なら、まずこの本を導入編として読むのも おすすめできる。 ただ、解説...

内容自体は『怖い絵』がもとになっているので、 比較的かぶる部分も多い。 しかし『怖い絵』を書いた上で、中野京子の心境や解釈の変化も しっかりと書かれているため、ファンでも満足できる構成。 もちろん『怖い絵』を未読なら、まずこの本を導入編として読むのも おすすめできる。 ただ、解説文と絵の掲載場所が一致していないため、 若干の読みづらさは感じるかも。

Posted byブクログ

2011/03/07

すごく興味のあった本、やっと読めた。予備知識がなく白紙の状態で絵を観るのか、知識を持って絵を観るのか・・・どっちもそれぞれ大切だと思うけど、知識を持つと、最初の印象とはまた違った見方ができ、更に楽しめるのかなと。音楽も同じことが言えるのだけど。個人的には、死と乙女のあたりの絵が好...

すごく興味のあった本、やっと読めた。予備知識がなく白紙の状態で絵を観るのか、知識を持って絵を観るのか・・・どっちもそれぞれ大切だと思うけど、知識を持つと、最初の印象とはまた違った見方ができ、更に楽しめるのかなと。音楽も同じことが言えるのだけど。個人的には、死と乙女のあたりの絵が好きだったかなあ。

Posted byブクログ

2011/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

友人に薦められて買いました。読み始めたら西洋画の表面的な知識しかなった私には目から鱗の作者の話や、歴史背景があって勉強になりました。知ってしまうとぞぞっとする物ばかりで歴史の見方が変わる一冊です。

Posted byブクログ

2011/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 全く世界史が苦手な自分には、チンプンカンプンな部分も多かったが、1枚の絵画の持つ、歴史的背景(血の濃さに拘った故のハプスブルグ家の悲劇や、壮絶なゴヤの生涯や、『死の島』を巡る歴史的事実等)を紐解きながら、『絵画』の『見所』を丁寧に解説しており、知的好奇心を満足させるに足る1冊であった。  しかし、世界史が苦手なんだよ。僕は・・・(苦笑)  あと、著者の『美意識』がスノッブで、ちょっと鼻に付く点がマイナス1かな?

Posted byブクログ

2011/01/24

「はじめに」で書かれているように、絵画の正しい観賞法としては、予備知識なしの白紙で感性に響くかを味わうことが大切とされてきたため、これまで心がけてそのように観ていましたが、前知識がないと理解が浅く、飽きてしまうことも多々ありました。 やはり、前知識は必要だと思いますし、同じ意見の...

「はじめに」で書かれているように、絵画の正しい観賞法としては、予備知識なしの白紙で感性に響くかを味わうことが大切とされてきたため、これまで心がけてそのように観ていましたが、前知識がないと理解が浅く、飽きてしまうことも多々ありました。 やはり、前知識は必要だと思いますし、同じ意見の著者の言葉に、心強くなりました。 19世紀以前の絵は、「観て感じる」より「読む」のが先だそうです。 その時代の常識や文化、社会背景や隠喩などがふんだんに織り込まれているということで、それを読み説いてくれるのがこの本となっています。 ハプスブルク家は、金髪・白肌の「青い血」にこだわったため、浅黒いラテンの血をよしとせず、近親結婚を重ね、不健康な子供ができたそうです。 そんな偏った婚姻関係が結ばれていたとは、知りませんでした。 また、エリザベートの夫のフランツ・ヨーゼフ一世の死で、実質的にオーストリア・ハプスブルク家の血縁が終焉となったことにも気づかず、絵画の本から世界史を見直せることとなりました。 宮廷画家ダヴィッドは、いろいろな絵を残しているという印象でしたが、考えてみれば、「マラーの死」など革命家の絵を描いたかと思えば、「ナポレオンの戴冠式」など、皇帝礼讃の絵を描くという、ポリシーや節操のない画家だったと言えなくもありません。 「マラーの死」は、ピエタ的構図をとり、キリストの殉教にイメージを重ねる効果をとっているそうです。 あまり語られることのない、クノップフ『見捨てられた街』が、ローデンバックの『死都ブルージュ』と一緒に紹介されていたのが、とても興味深く、理解が深まりました。 やはり裏知識を持って絵画を見直すと、ぐっと深い絵の奥のお国や王家の事情も見えてくるようで、面白さも広がるものですね。 次は「怖い」以外のテーマで、このような本を読んでみたいです。

Posted byブクログ

2011/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

結局己を滅ぼすことになる《 青い血 》  カルロス2世の生気がまるで感じられない肖像画は、強烈。 エリザベートの美貌は孤独の影。

Posted byブクログ

2011/01/20

初期の著作よりはだいぶ独りよがりな解釈が減り、読みやすくなった。 構成も図の解説も工夫と改善が見られて好感。 ハプスブルク関連はヨーロッパ近代史の復習にもなってお得感。

Posted byブクログ

2011/01/17

19世紀までの西洋絵画から、人の業の凄まじさをわかりやすく読み解いたもの。絵に描かれた内容も「怖い」が、時代背景や画家の思想が「怖い」場合も。ふりかえって、日本絵画の場合はどうなんだろう? と知りたくなる。

Posted byブクログ