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小説 琉球処分(下) の商品レビュー

3.9

19件のお客様レビュー

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2017/11/10

武器も持たず中国とも日本とも交易をしていた平和な国を薩摩が武力で制圧して、明治維新で一方的に日本の領土にされて中国との交流を止められ、第2次世界大戦では戦場になって多くの犠牲を出し戦後は米軍に占領されて、本土復帰の後も基地は残っている。沖縄の人が本土にひとことでは表せない感情を持...

武器も持たず中国とも日本とも交易をしていた平和な国を薩摩が武力で制圧して、明治維新で一方的に日本の領土にされて中国との交流を止められ、第2次世界大戦では戦場になって多くの犠牲を出し戦後は米軍に占領されて、本土復帰の後も基地は残っている。沖縄の人が本土にひとことでは表せない感情を持っているのは当然だと思う。

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2017/01/09

明治維新後の琉球。日本では廃藩置県が起こり、士農工商が崩れていく。薩摩藩の付庸国だった琉球は琉球藩、やがて沖縄県となる。その過程が琉球処分。外部環境の変化の中、日本と清に挟まれた琉球の人たちはそれぞれの立場で葛藤を持ちながら身の振り方を決していく。戦争こそ起きていないものの、日本...

明治維新後の琉球。日本では廃藩置県が起こり、士農工商が崩れていく。薩摩藩の付庸国だった琉球は琉球藩、やがて沖縄県となる。その過程が琉球処分。外部環境の変化の中、日本と清に挟まれた琉球の人たちはそれぞれの立場で葛藤を持ちながら身の振り方を決していく。戦争こそ起きていないものの、日本の民族主義問題が書かれてある。これが今の沖縄問題の深層には沖縄戦以前のこういった歴史も影響しているのだろう。

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2016/05/18

難しい… 琉球の事だけに限らないのかもしれないが、正解は何だったのか、どうしたらよかったのか、きっと誰にもわからないのであろう。 知らなかったことだらけだった。 どちらの側に立って読み進めるべきなのか、どちらの言い分もあるのではないのだろうか… はじめは考えながら読んでいた...

難しい… 琉球の事だけに限らないのかもしれないが、正解は何だったのか、どうしたらよかったのか、きっと誰にもわからないのであろう。 知らなかったことだらけだった。 どちらの側に立って読み進めるべきなのか、どちらの言い分もあるのではないのだろうか… はじめは考えながら読んでいたものの、ただ事実のみを淡々と頭の中に想像していった。

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2015/05/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読了。 本編を読み終えて思った感想が、巻末の後記や解説を読んでさらに深まった。 「軽はずみな感想は書けないや…。」 政治的・歴史的、そして現在進行的なな“問題”に深く胸を抉られる思いは受けても、悲しいかな、自分にはそれを論じるだけの歴史認識も政治認識も無いという…(恥)。 日々の生活に追われ、ソレに対しては何ら動くことはできないまでも、本書で得た感想は忘れずにいよう、と思うのみ。 娯楽小説ではない。 読んで楽しい物語ではない。 しかし、読んでよかった一冊だったと心から思える。 ★3つ、7ポイント半。 2014.12.03.図。

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2013/09/25

毎年夏休みに沖縄に家族で休暇をすごしていますが 今年たまたま、現地の博物館に行って沖縄の歴史の常設展 を見に行きました。そこで少しだけのコーナーでしたが琉球処分 についての展示が展示されていました。 薩摩の圧政・第2次世界大戦での沖縄戦。普天間基地を含めた 基地の問題。といろいろ...

毎年夏休みに沖縄に家族で休暇をすごしていますが 今年たまたま、現地の博物館に行って沖縄の歴史の常設展 を見に行きました。そこで少しだけのコーナーでしたが琉球処分 についての展示が展示されていました。 薩摩の圧政・第2次世界大戦での沖縄戦。普天間基地を含めた 基地の問題。といろいろありますが、日本に力ずくで国家を 解体されたのが琉球処分であることがよくわかりました。 このことはもっと一般的に知られるべき内容だと思います。 また、この琉球処分が本当に日本政府が力ずくでやったものでは なく。琉球の力ではない抵抗に屈してしまった結果であることを認識 すべきだと思います。 また、今の沖縄県と政府と米軍とマスコミ関連の問題についても 沖縄の人々が力ではない抵抗に対して、政府が屈してしまう という状況に陥らないためにも、この琉球処分については 多くの人が認識すべきではないかと思います。

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2013/04/02

後半は日本政府に対する反感が増す琉球と、同じことを繰り返し一向に進展しない交渉にいらだつ日本政府、琉球は時間をかせいで清からの援軍を期待するがその清は西洋の侵略を受けそれどころではなくなっている。悲しいのは琉球側も王朝とそれを支える士族が自分たちの立場の安泰を願うだけで百姓の見方...

後半は日本政府に対する反感が増す琉球と、同じことを繰り返し一向に進展しない交渉にいらだつ日本政府、琉球は時間をかせいで清からの援軍を期待するがその清は西洋の侵略を受けそれどころではなくなっている。悲しいのは琉球側も王朝とそれを支える士族が自分たちの立場の安泰を願うだけで百姓の見方になっていないこと。時勢が見えるものも見えないものも同じように流されていく。上巻のはじめの頃には希望に満ちていた主人公の一人与那原良朝も後半に行くにつれ諦観し、もう一人の主人公亀川盛棟は日本への帰属にやみくもに反対する頑固党を嫌悪しつつもまきこまれてしまう。 清、西洋列強に対抗するために琉球を併合し軍を進駐させる明治政府の言い分はこれは琉球のため。歴史は繰り返すと言うが・・・

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2013/01/13

琉球処分とは、明治初期に日本が琉球国を軍事的に統合する過程を言う。本書はそれに関する小説である。 読後感であるが、第一に歴史は繰り返すと言うことを改めて認識したと言うことである。普天間基地の時は守屋武昌氏をはじめとする防衛官僚が普天間移設に取り組んでいたが、この時も沖縄側は徹底...

琉球処分とは、明治初期に日本が琉球国を軍事的に統合する過程を言う。本書はそれに関する小説である。 読後感であるが、第一に歴史は繰り返すと言うことを改めて認識したと言うことである。普天間基地の時は守屋武昌氏をはじめとする防衛官僚が普天間移設に取り組んでいたが、この時も沖縄側は徹底した遅延戦略をとっていた。琉球処分の時も普天間の時と同じように遅延戦略をとり対応していた。結果的に琉球処分の時は力によって統合が達成されることとなった。 第二には琉球国は完全に世界の情勢に疎く、自らの行動の論理で動いていたため、日本側の意図を掴みきれていないと言うことである。日本側は当時の国際社会のシステムであった帝国主義のシステムの中で行動しており、そのために琉球国の併合をにらんでいた。しかし、琉球国は飽くまでも日清両属と言う意識が最後まで消えていなかった。 最後に佐藤優氏が指摘していたが、今の沖縄問題を知るために本書は有益だと思う。沖縄問題の根源を知りたいならば、本書を読むことを勧めたい。

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2012/10/10

1959年の小説とは思えない新鮮さ。沖縄に様々な課題がある現代だからこそ読みたい小説だ。 「テンペスト」を読んだ数年前。すごい小説だと思った。そしてその後の沖縄の歴史に興味を持った。 本書は事実を小説化したものだが、まさに「その後」だ。 日本に不信感を持ちながら、すでに傾いている...

1959年の小説とは思えない新鮮さ。沖縄に様々な課題がある現代だからこそ読みたい小説だ。 「テンペスト」を読んだ数年前。すごい小説だと思った。そしてその後の沖縄の歴史に興味を持った。 本書は事実を小説化したものだが、まさに「その後」だ。 日本に不信感を持ちながら、すでに傾いている清に期待をもち、結局近代化の波に飲まれて行く。 もし、琉球が独立を保っていたら?領土問題は空恐ろしい事態になっていたかもしれない。 「その後」のその後、沖縄はアメリカに支配される。自主独立を保てず、この百数十年が流れた。 しかし僕たちは沖縄が好きだ。憧れだ。1ヶ月沖縄で過ごせたら夢のようだ。とても良い人たちに囲まれ、自然を楽しみ、気候を楽しみ、文化を楽しみ、泡盛を楽しむ。 沖縄は間違いなく日本が誇れる地域に違いない、と改めて思う。

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2012/02/02

菅さんが総理の頃読んだそうです、今また政治家に読んでもらいたい。ほんの150年程前沖縄は中国と日本に両貢してた事実。下手したら中国の物になってたのかもですよ。時代の波に振り回される沖縄の原点を知る好書です。

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