音もなく少女は の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ミステリー作家の作品とのことで「このミス」でも上位に評価されていた作品だが、内容は全くミステリーではない。生まれつき耳が聞こえない少女イヴの孤独と救済それと絶望の物語といっていいだろう。 イヴの父親ロメインは麻薬の売人。イヴは小さいころから知らない間に取り引きの手伝いをさせられていた。その後も、とにかくどうしようもない悪としてイヴの前に何度となく立ちはだかる。 ようやくできた彼氏チャーリーも幸せな生い立ちではなく、養子の妹ミミの実父ロペスがイヴにとってのロメインのような存在になる。 このようなどうしようもない人間を身内に持ってしまう不幸はすさまじい。人間なのだから、いいところもあるだろうなどと思ってみることすらできなくなる。暴力が溢れるストーリーではあるが、イヴの純粋さに救われる。
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2010年の「このミス」第2位。いわゆるミステリではないと思いますがストーリーを読み進めたくなる作品。
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ニューヨークのブロンクスが舞台。ここは今でも治安が悪い地域らしい。激しく恐ろしい描写の数々に、ニューヨークの暗闇の世界が表現されているようだった。 その中で、強く生きる三人の女性が登場する。原題の TROIS FEMMES (THREE WOMEN) の方が、この本の伝えたいこ...
ニューヨークのブロンクスが舞台。ここは今でも治安が悪い地域らしい。激しく恐ろしい描写の数々に、ニューヨークの暗闇の世界が表現されているようだった。 その中で、強く生きる三人の女性が登場する。原題の TROIS FEMMES (THREE WOMEN) の方が、この本の伝えたいことをより的確に表しているように思う。女性は創造者であり、保護者であり、かつ破壊者でもある。男性の力を借りずに、たくましく生きていく、そんな女性を描く著者は、実は女性なのでは?と思った。サウスブロンクス生まれというぐらいしか、あまりプライベートが明かされていないが。
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育った環境が殺人を余儀なくさせる、「永遠の仔」を思わせる素晴らしい作品でした。このミス2位だったんですが、これはミステリとは言わないですよね。日本語訳も素晴らしい!「神は銃弾」と同じ人とは思えない。
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これぞシスターフッド小説、と呼びたい。どんなに愛する男たちとも分かち合えない痛みによって結ばれた絆だけを支えに、過酷な人生を誇り高く生き抜く女たちの姿がせつなく凛々しい。フランの墓に刻まれた文字に、思わず目頭が熱くなる。
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薬の売人の娘である聾者イブを軸に、女たちの生き様を描いた本作。 護られる存在であったj彼女が、時を経て護る存在になる。ブロンクスの移ろいを背景に、心の機微が色彩豊かに描かれる。 思わせぶりなプロローグからすると、この作品はミステリのように思わざるを得ないが、謎めいた展開があるわ...
薬の売人の娘である聾者イブを軸に、女たちの生き様を描いた本作。 護られる存在であったj彼女が、時を経て護る存在になる。ブロンクスの移ろいを背景に、心の機微が色彩豊かに描かれる。 思わせぶりなプロローグからすると、この作品はミステリのように思わざるを得ないが、謎めいた展開があるわけではない。薬の売人である父親に虐げられたイブが、大人になり、自分を頼る少女のミミ(彼女の父親も薬の売人である)とともに自分の人生を切り開くという単純明快な物語である。 むき出しの心の叫びが胸を打つ、深い余韻に浸れる傑作だ。
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性別、障害、人種などで弱い立場に置かれた人々の強さと絆を淡々と静かに描いた作品。ミステリー性は弱いが、込められたテーマは多岐にわたっていて読ませる。原題の "Woman" がとても効いているのに訳題に生かされていないのが残念。
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出会う人に手当たり次第に薦めたい。人の勇気とは何かを知ることができる。女に生まれ、聾者に生まれ、暴力をふるう父親の元に生まれ、苦しむ母親の元に生まれ、それでも彼女は生き抜く。ひとりではなく。姉妹と、友と、母と、もう一人の「母」と。誰かに救われ、誰かを救う。誰かから生まれ、誰かを生...
出会う人に手当たり次第に薦めたい。人の勇気とは何かを知ることができる。女に生まれ、聾者に生まれ、暴力をふるう父親の元に生まれ、苦しむ母親の元に生まれ、それでも彼女は生き抜く。ひとりではなく。姉妹と、友と、母と、もう一人の「母」と。誰かに救われ、誰かを救う。誰かから生まれ、誰かを生み出す。それが物理的な意味でなくとも。
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男性は楽しめないかと思いました。ちょっと淡々とした展開で、もう少しサスペンス要素が欲しかった。ドキュメンタリーっぽく、苦手。
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年末のこのミスで2位だったので期待して読んだけど、ベトナム戦争の頃の人種差別がまだ残っているアメリカで生きる女性たちの物語だ。それなりに面白いけれど、これはミステリーとは言わないと思う。
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