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音楽嗜好症 の商品レビュー

3.9

37件のお客様レビュー

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2011/05/24

オリバー・サックス「音楽嗜好症」、期待を裏切らない面白さ。買って正解。ノンフィクションとはいえ、誰の翻訳でも、語り口が(いい意味で)同じなのは珍しいんじゃないか。それだけ原著がしっかりしてるってことだと思う。

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2011/02/20

脳の働きについての話だとおもって読んだら、音楽に関連する脳の障害、症例の話。怖い!! 音楽を自然に認識している人間の不思議を感じる。

Posted byブクログ

2011/07/16

傍目に観て、もはやなんの感情的な人間的なこころの営みをもってはいないのではないかと思われるほど重度の神経的障害や病気をもった人でも、音楽に対する潜在的な能力は、ほとんど退行していない、むしろ、能力があがってすらいることもあるのだそうだ。 普段、当たり前と気にも留めていない小さなこ...

傍目に観て、もはやなんの感情的な人間的なこころの営みをもってはいないのではないかと思われるほど重度の神経的障害や病気をもった人でも、音楽に対する潜在的な能力は、ほとんど退行していない、むしろ、能力があがってすらいることもあるのだそうだ。 普段、当たり前と気にも留めていない小さなこと、たとえば頭の中で曲が流れていたり、知っている曲を耳にした時すぐにそれと理解して一緒に口ずさんだり、リズムを取ったりというような、ごくごく普通のことでさえも、音楽と人間との深いつながり(それはもしかしたら、人間が言葉を話す以前からのつながり)があるからこそではないか、と著者は言っている。 音楽が何かしらの神経障害を持った人に対して発揮し得る効果は、万能でこそないが決して小さくない。 音楽は、人が心臓を拍動させたり呼吸をしたり血液が流れるのと同じくらいのレベルで、人とともにあるのだ。 人の根源的な部分で、人を人たらしめる要素として役割を担っていること、そしてその大きさと深さに大いなる感銘を受けた本だった。 第15章のエピソード記憶の障害に見舞われた男性の話が一番興味深かった。彼の奥さんがその回復まで(もちろん完璧に、ではなく、絶望の毎日からほんの少し前を向いて人生を楽しめるようにまで、壮絶な思いで辿り着いた軌跡ということ)の道のりを記した本(「七秒しか記憶がもたない男」デボラ・ウェアリング)があるようなので、今度是非読んでみよう。

Posted byブクログ

2010/11/25

 タイトルを見て「俺のことか」と思って読んでみたら、非常に本格的な医学エッセイでありました。筆者は「レナードの朝」の原作者であります。  具体的な症例をたくさん挙げながら、音楽嗜好症や音楽誘発性癲癇、失音楽症など音楽に関する様々や症状を紹介しています。  思いのほか読み応えがあり...

 タイトルを見て「俺のことか」と思って読んでみたら、非常に本格的な医学エッセイでありました。筆者は「レナードの朝」の原作者であります。  具体的な症例をたくさん挙げながら、音楽嗜好症や音楽誘発性癲癇、失音楽症など音楽に関する様々や症状を紹介しています。  思いのほか読み応えがあり、そしてまた音楽の魅力の不思議さを感じました。   特に興味深かったのは、絶対音感についてのエッセイ。まさにここに書かれていることを最近思い知ったからであります。  年末に娘(6歳)のピアノの発表会があるのですが、その余興で娘と嫁がステージで「Winter Wonderland」を連弾することになりました。  家のレコ棚から同曲を探そうとしたら、見つかったのはモータウンのファンク・ブラザーズ。  で、早速かけてみたところ、嫁は「気持ち悪くて聴いてられない。」と主張。娘にいたっては、自分が練習してる曲と同じだということすら気付かない有様。  絶対音感の無い僕は気付きもしませんでしたが、実はファンク・ブラザーズ版は「調」が違っていたのですね。  僕の耳では同じにしか聴こえない曲が、絶対音感のある嫁と娘の2人には「別物」として認識されてしまう。この信じがたい事実が、この本で医学的見地から語られていたのでついつい感心しつつ読み込んでしまいました。

Posted byブクログ

2010/11/24

人間の欲求は多かれ少なかれ当人と種の生存に結びついているが、音楽ってのがわからない。それが知りたい。脳神経医学からのアプローチはきっと面白い! と思ったのだが。 豊富な事例は不思議で興味深いが、事例の羅列に終った感があって若干食傷気味。解釈と仮説が読みたいんだが。

Posted byブクログ

2010/11/06

一般の人、特殊な能力を持つ人、先天的/後天的に何らかの障害(運動障害、知能障害…)を持つ人、宗教、文化、様々な事例を通して「人間」と「音楽」の関係が紹介されています。 医学や音楽の専門的な言葉もたくさん出てくるため、すべてすんなり理解できるわけではないのですが、音楽と人との関係が...

一般の人、特殊な能力を持つ人、先天的/後天的に何らかの障害(運動障害、知能障害…)を持つ人、宗教、文化、様々な事例を通して「人間」と「音楽」の関係が紹介されています。 医学や音楽の専門的な言葉もたくさん出てくるため、すべてすんなり理解できるわけではないのですが、音楽と人との関係が、日常を彩る楽しみであると同時に原始的根源的なものであることがわかり、大変興味深いです。 自分や家族が、今後何かしら不自由に見舞われた時、音楽が助けになってくれることはあるのでしょうか…きっとあるんだろうな。 音楽とは身近な関係でいたいと思いました。

Posted byブクログ

2010/10/10

オリヴァー・サックス最新作。 脳神経科医が記すさまざまな音楽に関する症例。 人間にとって音楽とは何なのか、いや、音楽とはいったい何なのか、かなり根源的に考えるきっかけになるが、本書はその答えまでは与えてくれない。 脳の中に言語、論理とも異なる「音楽」という部位があるのか。天才的能...

オリヴァー・サックス最新作。 脳神経科医が記すさまざまな音楽に関する症例。 人間にとって音楽とは何なのか、いや、音楽とはいったい何なのか、かなり根源的に考えるきっかけになるが、本書はその答えまでは与えてくれない。 脳の中に言語、論理とも異なる「音楽」という部位があるのか。天才的能力は抑制因子が外れて発現するのか。では、いったいなぜ抑制されているのか。

Posted byブクログ