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トンネルに消えた女の怖い話 の商品レビュー

4.1

25件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

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  3. 3つ

    6

  4. 2つ

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2015/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「怖い話」シリーズキター!(゚∀゚) 『モンタギューおじさんの怖い話』『船乗りサッカレーの怖い話』 に続く第三弾。 3巻目ともなるとマンネリ化するんじゃないかと思ったけれど、なんのなんの。 いい感じにホラーでファンタジーだった。 今回、軸になる舞台は19世紀のイギリス。 気に入らない継母と別れてホッとしながら、少年ロバートは寄宿学校へ向かう列車に乗り込んだ。 そこで出会った“白いドレスの女”が、ゾッとするような物語を語って聞かせる。 いつものことだけど、このシチュエーションだけでワクワクせずにいられない。 列車に乗り合わせた面々が“少佐”とか“司教”とか呼ばれているあたり、『カンタベリー物語』を彷彿とさせる。 全体的に、イギリスの古典小説っぽい雰囲気だった。 1巻がお屋敷のコレクションの怪談、2巻が海の怪談だとすれば、本書は「抑圧された子どもたちの怪談」だと 思う。 全部がそうではないけれど、「温室」のオスカーや「小さな人たち」のペネロペ、「猫背岩」のデイヴィー、「シスター・ヴェロニカ」の子どもたち、そしてロバートも、自分の置かれた環境(特に親)に不満があって、曲がった道を選んでしまった。 だから子どもたちが悲惨な末路をたどっても、自業自得だとは思えなくて、ちょっと可哀想だった。 “白いドレスの女”の正体を考えると、その理不尽さがむしろリアルではあるけれど…。 「島」と「猫背岩」が、(キリスト教にとっての)異教的な要素があって面白かった。

Posted byブクログ

2011/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

怖い話シリーズの3巻。これまでのよりも怖い。 初めての一人旅。6人掛けの仕切り客室。 僕以外には4人の男。少し眠って目をあけると、列車が止まっていて僕の前の空席に女が座っていた。 ほかの乗客は皆眠っている。腕時計をみたら時間がとまっていたので、女に訊ねたら答えてくれず、退屈しのぎにと物語を語り始めた。 熱帯植物や操り人形、妖精、修道院、見えない人達・・・ それぞれの単独した話だけでなく、それをきく「ぼく」の恐怖もつたわってきて、かなーりおもしろい。いや、こわい。 この止まった列車はなんなのか、この女は何者?結末が意外。

Posted byブクログ

2016/02/13

トンネルの入口なので語りは女性なのかもしれない。また聞き手の少年は続きが聞きたくないところも今までとは異なる設定である。憎悪が全面に出ている作品と感じた。列車少年は母(継母)を憎、温室では父を。それから兄弟、義理の妹、島・・・憎み、復讐されている。 後半に、第1巻のモンタギューお...

トンネルの入口なので語りは女性なのかもしれない。また聞き手の少年は続きが聞きたくないところも今までとは異なる設定である。憎悪が全面に出ている作品と感じた。列車少年は母(継母)を憎、温室では父を。それから兄弟、義理の妹、島・・・憎み、復讐されている。 後半に、第1巻のモンタギューおじさんとの接点が見えてくる。 最後のトンネルの入口が謎解きとなっている。 途中、こどもの恐ろしさを感じた作品である。

Posted byブクログ

2012/07/30

プリーストリーによる「怖い話」第3弾。 嫌いでたまらない継母との長くて退屈な休暇を終えて、学校へ戻るため一人列車に乗り込んだロバート少年。いつしか眠り込んでふと目を覚ますと、列車はトンネルの手前で止まっており、目の前の座席には白いドレス姿の若くて美しい女性が座っていた・・・・ ...

プリーストリーによる「怖い話」第3弾。 嫌いでたまらない継母との長くて退屈な休暇を終えて、学校へ戻るため一人列車に乗り込んだロバート少年。いつしか眠り込んでふと目を覚ますと、列車はトンネルの手前で止まっており、目の前の座席には白いドレス姿の若くて美しい女性が座っていた・・・・ ということで、今回の話し手は、この白いドレスの謎めいた女。 この女性の正体については、割と早い段階で見当がついてしまうのだけれど、お話の怖さの点ではシリーズ中で一番かも。 お話の登場人物たちに振りかかかる出来事ももちろん怖ろしいのだが、今回はとくに、それぞれの話の主人公の少年・少女たちが抱いている現実への鬱積がすさまじい。 自分たちの趣味にかまけてばかりの両親へ鬱屈した思いを抱く息子、父親の再婚相手の連れ子を憎む少女、意思に反して連れてこられた寒村での暮らしが嫌でたまらない少年・・・ 聞き手のロバート少年にしてからが、継母を“横取り女”として軽蔑し、彼女への憎しみでいっぱいになっているのだ。 言ってみれば物語の枠の内も外も負の感情でいっぱいなのだが、そうしたなかで交わされるドレスの女とロバートの会話が興味深い。不満の塊で、どちらかというとものの見方が杓子定規なロバートに対し、女は彼を挑発するかのような発言を繰り返すのだ。 9つの物語を聞き終えた後、白いドレスの女の正体を知ることとなったロバートは、人生のどのような局面にも女に象徴されるものの影が潜んでいることを悟るのだけれど、二人の間の会話もまた、彼女の前では小手先の理屈は通用しない、ということを示唆しているかのよう。   Tales of Terror from the Tunnel's Mouth by Chris Priestley

Posted byブクログ

2010/08/11

叔父さん、船乗りに続いて第3弾は白いドレスの女。 相変わらず怖いです。 可愛い絵とのギャップがまたたまりません。

Posted byブクログ