ソフトウェア品質会計 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・品質管理にかんするエッセンスが詰まっている。さすがと思わせるものが多く、やはり品質を作り込むというのはここまで徹底してやらないといけないと感じた。 ・「品質を追求しよう。生産性は後からついてくる」と言う点が非常に気に入っている。 ・上流工程(基本設計~詳細設計)における品質管理の手法が非常にためになった。今まで自分は「レビュー工数」「レビュー指摘数」程度しか管理ができていなかったが、「構成する機能」「作り込み工程」「重要度」「原因」「発生条件」「発生事象」「摘出者」等のファクターでバグ分析をかける考え方になるほどと感じた。 ・バグを負債と考えて、プログラムに対してどれぐらいバグ(負債)があるのかを目標値としておきながら管理していく手法に感銘。組織的にバグの予測モデルの精度をあげてきたのだろう。すぐにでも導入したいが、予測モデルの確立が難しいと感じた。実績の収集が大事なのだろう。
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1982年以来NECが長年培ってきたソフトウェア品質管理の体系やノウハウを公開した本です。 本書に書かれている方法は、わかりやすく、どこの会社においても明日にでも採用できる容易な方法です。 「えっ!?そんないい加減でいいの?」「もっと複雑な理論式を使った方が合うんじゃない...
1982年以来NECが長年培ってきたソフトウェア品質管理の体系やノウハウを公開した本です。 本書に書かれている方法は、わかりやすく、どこの会社においても明日にでも採用できる容易な方法です。 「えっ!?そんないい加減でいいの?」「もっと複雑な理論式を使った方が合うんじゃないの??」と思われる読者の人も多いんじゃないかと思うくらいです。 しかし、「そこが落とし穴なんだよ」と教えてくれているように思うのです。 ★★★ たとえば「バグ収束モデル」について筆者は、様々なモデルを当てはめた結果、最もフィッティングする曲線を採用するのは、「単に説明に都合の良いソフトウェア信頼性モデルを選択することになってしまい(……略……)責任者の直観に頼ることと同じである」と喝破しています。 では、NECではどうしているかというと、式で予測精度をあげるのではなく、テスト終盤において「バグ傾向分析」をしっかりと行って全員の知恵を結集するとともに「バグ分析と1+n施策」によって残存する課題に対して考えられる限りの品質向上施策を実施して課題を取りきるというのです。 「品質会計におけるバグゼロ」とは、組織として蓄積したすべての経験と知識にもとづいて考えられる限りの確認をした結果、バグが検出できなくなったことを意味する。 といいます。ソフトウェアの品質管理の王道ってこういうことなんだと改めて感心しました。 スパイラルアップを続ける組織におけるリーダの考え方を学ぶことができる貴重な一冊でした。
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検証工程のチームリーダークラス以上にお勧め。 検証テクニックについて書かれた本ではありません。誤解のないように。 検証工程において、「品質」を根拠をもって見積もる必要があります。当然、より高品質へ誘導するための見積もりでなくてはなりません。この点について様々な施策についてケースス...
検証工程のチームリーダークラス以上にお勧め。 検証テクニックについて書かれた本ではありません。誤解のないように。 検証工程において、「品質」を根拠をもって見積もる必要があります。当然、より高品質へ誘導するための見積もりでなくてはなりません。この点について様々な施策についてケーススタディで説明されています。 なかなか現場で完全に実行するのは困難ですが、思想的な面は、しっかりと理解すべきだと思います。
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