終わらざる夏(上) の商品レビュー
薔薇色の磔刑「サクセス」 日本・ソ連・現実・幻…場面がさまざまに変わり、生と死が交わり合いながら物語は進みます。読者の期待は次々と裏切られ、しかし静かな幕切れを迎えます。 浅田さんらしい「壬生義士伝」「カシオペアの下で」のようなぐっと泣かせる場面はありませんが、終戦時分の日本...
薔薇色の磔刑「サクセス」 日本・ソ連・現実・幻…場面がさまざまに変わり、生と死が交わり合いながら物語は進みます。読者の期待は次々と裏切られ、しかし静かな幕切れを迎えます。 浅田さんらしい「壬生義士伝」「カシオペアの下で」のようなぐっと泣かせる場面はありませんが、終戦時分の日本のようすが感じられるよい作品でした。
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すげぇ。 久し振りの浅田さんを読みました。 ところどころ感動場面がありジ~ンと来てしまいました。 赤紙、怖いです。 イヤです。 そして自由! これって とっても素敵で素晴らしいものなんですねぇ~。 なかなか、感じて、わかることが忘れがちになってしまう ものなんでしょうか。 今...
すげぇ。 久し振りの浅田さんを読みました。 ところどころ感動場面がありジ~ンと来てしまいました。 赤紙、怖いです。 イヤです。 そして自由! これって とっても素敵で素晴らしいものなんですねぇ~。 なかなか、感じて、わかることが忘れがちになってしまう ものなんでしょうか。 今の時代。 (当たり前だと思ってしまうのですかね?? 意識せずに) 自由って素敵で、奥深いですね。 自由の素晴らしさ、自由な選択肢。 昔、今との時代の違い。 考えさせられました。 第二次世界大戦は、天皇を神にまつって仕立て上げた 戦争なのでしょうか? (わたくしは、無知で知らなくてスミマセン) 後半にスポットで焦点を当てているのですけど (他にも沢山色々なことがあったんでしょうけど・・・) ちょっと今の時代感覚のギャップと 歴史ににおいても無知の私では わからないことが多くありました。 申し訳ないです。 それからアイヌ人も2種類存在するというのも 初めて知りました。 北千島の占守島(シュムシュ島)のクリルアイヌ人の存在。 驚きました。 アイヌといえば北海道の先住民でしょ! 正直☆4なのですが 少しわたしの脳がついていけない感じがりまして ☆3にさせていただきました。 ですが下巻への期待値は高まるばかりです!!
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終戦間近の北方領土に進駐命令を受けた弘前出身の3人を軸に話が展開する。時代考証の綿密さはさすがにこの作家の力量が現れていて面白い。様々な事物で細部をゆるがせにしないところはいいが、「壬生義士伝」のように読者の感情を玩んでほしいと思う浅田フリークにとっては少し物足りない。敗戦の日に...
終戦間近の北方領土に進駐命令を受けた弘前出身の3人を軸に話が展開する。時代考証の綿密さはさすがにこの作家の力量が現れていて面白い。様々な事物で細部をゆるがせにしないところはいいが、「壬生義士伝」のように読者の感情を玩んでほしいと思う浅田フリークにとっては少し物足りない。敗戦の日に上巻だけを読了したが、下巻は図書館の順番待ちだ。同潤会の江戸川アパートが舞台の一部に使われているが、著者とはどのような因縁があるのだろうか。
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登場人物は各々魅力的で、おもしろくない訳ではないのだけれど、なぜか読むのに時間がかかる。小説のテンポとわたしの読み方がシンクロしない。旧仮名遣いと方言の問題ではないと思うのだけど。
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第二次大戦最終盤、多少なりとも世の中を読みぬく力を持ちえた人なら戦争の「終結」が明らかになりつつある時期に、その力ゆえに必要のなかった戦争にまきこまれてゆく人たちを描いています。 登場人物一人一人の、人間としての当たり前の人生を細やかに描くことで、「戦争」というものがあまりに不条...
第二次大戦最終盤、多少なりとも世の中を読みぬく力を持ちえた人なら戦争の「終結」が明らかになりつつある時期に、その力ゆえに必要のなかった戦争にまきこまれてゆく人たちを描いています。 登場人物一人一人の、人間としての当たり前の人生を細やかに描くことで、「戦争」というものがあまりに不条理で意味のないものであるのだということを、まざまざと浮き彫りにしています。 とあるインタビューで著者は「僕は徹底的な性善説主義者で、悪いことをやっているやつにも、それを犯すに至った理屈があると思えるんだよね。それは悪人の論理ではなくて、弱者の論理のようなもの。そう考えていくと、世の中に根本的な悪人はいなくなって、僕の小説の中に悪人が登場しなくなっちゃうんです」と述べています。 この小説にも、人の命を左右するような立場の登場人物も出てきますが、なるほど人間らしい葛藤とともに描かれています。 あの戦争で、戦争を推進する立場の人に直接命を絶たれた諸先輩をもつ私としては「そんなに甘いものではなかったのでは」という思いを持ちつつも、弱者が翻弄されることで戦争の不条理さをみごとに描くこの本に何度も涙したのでした。
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浅田次郎さんの本を初めて読みました。上巻は主要人物が次々と変わり、話の展開があまり進まなかったため淡々と読み終えました。 しかし、民間人に赤紙が届くまでのいきさつを書いた本は初めて読んだのでそこは印象に残りました。
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人物が多く、耳慣れない北方の地名も出て来る。さらにとつとつとした南部訛り。しかし引き込まれる。いつもこれだ。
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第二次大戦末期、突然赤紙が届き召集された翻訳家の片岡、医者の菊池、鬼熊軍曹こと富永を中心とした物語。 勝手に最前線のお話だと思っていたので、意表をつかれた。 戦争で何千万人がどうこうと言われるよりも、こうして、一人一人の色々な思いや事情を知る方が、より戦争の悲惨さをリアルに感じら...
第二次大戦末期、突然赤紙が届き召集された翻訳家の片岡、医者の菊池、鬼熊軍曹こと富永を中心とした物語。 勝手に最前線のお話だと思っていたので、意表をつかれた。 戦争で何千万人がどうこうと言われるよりも、こうして、一人一人の色々な思いや事情を知る方が、より戦争の悲惨さをリアルに感じられる。 子供達が何とも健気で、せつない気分になった。
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東北弁ネイティブなのでまずい、しみる…主要の登場人物がつかみづらくてスローペース。あの時代の兵隊さんがどううまれていくのかわかった。廃墟になったふるさとを歩くあたり、今の状況と重ねてしまう。日本はまた踏ん張りどころ。ああ、下巻読みたくないなあ…
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1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾して無条件降伏した。だが終わったはずの戦争が、千島列島最北端の島、占守島(シュムシュ)で再び起きる。 占守島には、最新鋭の戦車連隊と1万3千の精兵が無傷で置き去りにされていた。大本営の作戦本部は、敗戦を予見し、和平交渉のため英語に堪能...
1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾して無条件降伏した。だが終わったはずの戦争が、千島列島最北端の島、占守島(シュムシュ)で再び起きる。 占守島には、最新鋭の戦車連隊と1万3千の精兵が無傷で置き去りにされていた。大本営の作戦本部は、敗戦を予見し、和平交渉のため英語に堪能な兵隊を密かに送り込む作戦を立てる。 東京の出版社勤務で洋書の翻訳出版部編集長をしてる45歳の片岡が召集され、カムフラージュに、同郷の岩手医専の医師・菊地を軍医とし、呑んだくれで厄介者の鬼熊と異名を持つ富永軍曹を加える。占守島を目指す彼ら3人を軸に学童疎開してる片岡の息子たち、生徒らを守る教師、妻・久子との手紙のやり取り、それぞれの視点から戦争の悲惨な思い、理不尽さが描写されていく。
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