反アート入門 の商品レビュー
このひとの本を読んだのは初。おれリスペクトする人リストに入りました。いい本です。まず現代アートというものを初めて知りました。今まで何もわかってなかった。わかるっていうのも違うっていうはなしだったけど、そういう観点も含め、感謝。そしてその先、時代や人間や世界やこの国に対する洞察から...
このひとの本を読んだのは初。おれリスペクトする人リストに入りました。いい本です。まず現代アートというものを初めて知りました。今まで何もわかってなかった。わかるっていうのも違うっていうはなしだったけど、そういう観点も含め、感謝。そしてその先、時代や人間や世界やこの国に対する洞察からの切り口、また提言が素晴らしい。読むべし読むべし。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「神なき世界で、美術はいかにあるべきか」 これを読んでいて、村上春樹を解説した本を思い出しました。 「聖なる天蓋のない世界で、それでも我々は「よきもの」としてあることはできるか」 当面、自分の手の届く範囲の「ローカルなルール」を打ち出していくこと以外に方法はない、というような話だった気がする。 芸術の世界に置き換えるとどうなんだろうなぁ。 「神に代わる何か」という考え方自体が、旧体制のシステムを引きずっていて、「神」の面影が消えない。でも多分、西洋の美術を理解していくためには、このシステムの踏襲は必要不可欠、なのだろう。 でも、そうではない方法だってあるのではないか、というのが、多分この本の核となるようなところなのだと思う。 でも、ちょっとまだ、分かりにくくて、どうしたら良いのかしらと、わたし自身も読み取り切れていない。 もう一度読んで、理解を深めたい。
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とても面白く、かつ、まっとうな入門書。現代アートについて説明しよう時、語りきれないからこそ「反」という形になってしまうというのはとても誠実だと思う。それは歴史と伝統なき国家、アメリカが芸術の中心となるための必然的手法であり、神や王権の様な捧げるべき権威対象を失ったが故にアートはそ...
とても面白く、かつ、まっとうな入門書。現代アートについて説明しよう時、語りきれないからこそ「反」という形になってしまうというのはとても誠実だと思う。それは歴史と伝統なき国家、アメリカが芸術の中心となるための必然的手法であり、神や王権の様な捧げるべき権威対象を失ったが故にアートはそれ自身がアートであることを証明し、資本主義という市場でその価値を決定される。また日本で美術館やアートに一種の距離が存在するのは、こうした西洋の文脈上に接ぎ木の様に日本の文化が接続されているという説明は非常に納得がいくものだった。
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タイトルとは逆に全く入門ではない現代アートの流れにある精神を読み解く書。言葉遣いが読みにくいという意見が多いみたいだけど、読みにくさの中に真意がある(本当に書く力がある人!!)。
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アートとは、神=自然 ではないもの それが欧米の芸術観。 新たな定義を塗り替える人が歴史に名を刻む。 コンセプトを作り上げる人。 中国のアーティストは宇宙に向かう。 日本は・・・工芸には長けてきたが。 自然との融合という欧米とは別の価値観でアートを定義すべき。
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思ったこと。 ・近代化っていう言い方があるけれど、それはそもそも、「欧米の近代化」だ。日本は近代化したわけではなく、それまで中国などの文化を輸入していたように、「近代化した欧米文化」を輸入した。近代化というものを考えたら、そもそもそれは欧米文化の背景のもとにあるものなので、近代化...
思ったこと。 ・近代化っていう言い方があるけれど、それはそもそも、「欧米の近代化」だ。日本は近代化したわけではなく、それまで中国などの文化を輸入していたように、「近代化した欧米文化」を輸入した。近代化というものを考えたら、そもそもそれは欧米文化の背景のもとにあるものなので、近代化を研ぎ澄ませていっても、地元には勝てない。 しかし、その近代化が生活に大きく染み付いているのも事実。そういう認識をした。 ・アートであろうがなかろうが、アートと言われるようなものに惹かれた吸引力に習って、楽しめばいい。 ・だからこそ、歴史を知るのは面白い。
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「アートってなんだろう」と思って読む本。絵とか彫刻とかのアートね。 たまに美術館に行ってみるのを楽しみにしてる俺は、まさに「アートってなんだろう」と考えるのにいい距離だったのだろう。美術史の勉強をしたこともなければ、美術の本を購読してる訳でもない。そこまでするほどではないが、そ...
「アートってなんだろう」と思って読む本。絵とか彫刻とかのアートね。 たまに美術館に行ってみるのを楽しみにしてる俺は、まさに「アートってなんだろう」と考えるのにいい距離だったのだろう。美術史の勉強をしたこともなければ、美術の本を購読してる訳でもない。そこまでするほどではないが、それでもアートってなんだろうという疑問は持つ。美術史を学びたいのではなく、アートって何か知りたいという純粋な疑問に全力で応えてくれようとした本って感じだ。 正直そこまで「アートってなんだろう」という疑問に応えてほしいと思ってそういう本を捜し求めてたわけではないが、表紙の絵と、「反」で始まり「入門」終わるタイトルに惹かれて買った。 アートを理解するには、先人の通った道をもう一度なぞって、今のアートを理解して、その先どうなるのかを考えられるようになることだと思う。でも、美術館で作品を見てると、ピンと来ないものはピンと来ないのに、ある作品にだけ妙に気になるということが何度かあった。そうなるとその作者のことを知りたくなり、その作者の他の作品も見てみたくなる。他の作品を見てもすべてが気になるわけでもないということも知った。アートは歴史を知るとより楽しめるのかもしれないが、本質的にそういうものではない気がしてた。また、作者を知らないとアートを楽しめない訳がないとも思ってた。 そういう俺の「なんとなく」を踏まえて、アートを語ってくれる本だったので、だいぶありがたかった。 本書は「入門」と銘打ってるが、一般的な美術の入門書のように歴史を語るのではなく、アートの本質への「入門」というべき内容になっている。「反」としてあるのは、現在のアートに疑問を投げかけて、こうあるものではと語りかける内容になっているためだ。 美術館に行くようになって、アート関連のマンガも読むようになって知ったことだが、昔は宗教画だけがアートだったという史実だ。この感覚は俺にはさっぱり理解できなかった。本書では、その史実をスタートとして、現在のアートの姿と移り変わりを示した後、後半から本題に入っていく。アートとは何かを語り、その本質がなんなのかを深く突っ込んでいき、最後は精神的な話にまで入っていく。そこまでやるかというくらい、アートを知らない人のためにアートとは何か知らせようとしてる。本来入門書とはこうあるべきだろという内容だ。 だいぶディープに説明してもらったので、アートとはどんな感じのものなのか雰囲気はつかめた気がする。しかしこの内容は、ちょっとディープ過ぎるよなw多分軽い気持ちで読み始めると、ショックだろうな。本当に「アートってなんなの?」って疑問を持ってないと読めないだろうなw美術史を知りたければその辺の本を読めばいいと言わんばかりw
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芸術関連の本をしっかり読んだのは、これが始めてのような気がする。高校の終わりくらいから、近代と呼ばれる時代に関心を持ち始めて、今までいくつかの衝撃的な本にも出会ったけれど、こちらもその一つとなった。同時に、今まで芸術について関心を払って来なかった自分の視野の狭さを思い知らされた。...
芸術関連の本をしっかり読んだのは、これが始めてのような気がする。高校の終わりくらいから、近代と呼ばれる時代に関心を持ち始めて、今までいくつかの衝撃的な本にも出会ったけれど、こちらもその一つとなった。同時に、今まで芸術について関心を払って来なかった自分の視野の狭さを思い知らされた。 人間から芸術を抜き出せばそれは動物となり、芸術から人間を取り去った時に残るのは機械にすぎません。(p.297) アートというものは、突き詰めて考えると、ひとりひとりの人間が、いまここに存在しているという驚きそのものなのです。(p.303)
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現代アートの出生と来歴を解説し、その問題と新たな芸術の可能性への展望が語られている。 まず著者は、現代アートの潮流を解き明かすことからはじめる。近代以降、芸術の秩序の中心にあった神が退場すると、芸術とは何かという問題が個々の芸術家や美術批評家たちに鋭く突きつけられることになった...
現代アートの出生と来歴を解説し、その問題と新たな芸術の可能性への展望が語られている。 まず著者は、現代アートの潮流を解き明かすことからはじめる。近代以降、芸術の秩序の中心にあった神が退場すると、芸術とは何かという問題が個々の芸術家や美術批評家たちに鋭く突きつけられることになった。その中から、絵画とは何よりもまず、一定の質を持つ画布の表面に絵の具をこすりつけたものだという「無神論」的な絵画が生まれた。現代アートの歴史において主流をなす抽象表現主義はそのようなものとして理解できる。著者は、こうした潮流が美術批評家のC・グリーンバーグやMoMAに主導されて登場する経緯や、J・ジョーンズ、F・ステラらの作品、アースワークの思想を、平明な言葉で解説している。 その上で、そうしたアメリカの主導で進められてきた現代アートの歴史が、同時代の政治力学との密接な関わりを中で構成されてきた一つの「制度」だったと著者は指摘する。また、そうした「制度」からはみ出すようなアートのあり方を示すものとして、ウェスト・コーストのアートや、中国の新世代の芸術家の実践が紹介されている。 ところで、これまで国家や社会という制度と芸術という制度は、対立するように見えながら、じっさいには相補的な役割を果たしてきた。だが現在、グローバル化によってあらゆるものの価値が市場に一元化される事態が進行している。いまや美術批評家は、市場で起こっていることを現代思想や批評理論を駆使して釈明し、これから起こることを中短期的に予測するコンサルタントになっている。 こうした状況を踏まえて、著者はこれからのアートのゆくえについて思索をめぐらせている。ただし著者は、「芸術の精神的価値を取り戻せ」といった復古的なやり方はとらない。すべてが市場の中で流通する現代の状況の中では、芸術作品という「もの」に固有の価値が宿るとは考えられない。著者は、現代のアートが立ち至ったこうした状況を必然的なものとして受け入れる。その上で、芸術作品という「もの」からの解放によって、一元的な市場社会の中でべつの次元が開かれる可能性を探ろうとしている。
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