1,800円以上の注文で送料無料

蛇行する川のほとり の商品レビュー

3.7

171件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    55

  3. 3つ

    54

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/11/06

恩田陸さんの作品は世界に行きたくて時々読みたくなります でもなぜだろうか、この人の作品は読み終わってみると、毎回なんだか消化不良です 読んでる間はその世界を楽しめるのに 「はー、面白かった」「読み切った」とならないのはなんでだろう? そう思いながらまた読みたくなるんだろうけど

Posted byブクログ

2024/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1992年にデビューした恩田陸氏による作品。文芸誌に分割掲載されたのち、2004年に単行本化。 強いてラベリングするならば、ミステリー系青春小説!? ・・・ 恩田氏お得意の群像劇系の作品。 構成としても4章からなる各章を一人称で語らせるもの。この手法も馴染んできました。 ・・・ 第一章は毬子の視点。 高校二年生の美術部。まだ純真。高校三年の憧れの先輩二人(女)と演劇祭の舞台背景作成のため、先輩の家(女ですよ)にお泊りにいくということでウキウキ。 また、親友がダブルデートを仕組んで他校の男子と知り合いになったり、身辺に動きがあります。ただし、先輩の家にお泊り合宿すると、物事は予想しない展開になってゆきます。 第二章は芳野の視点。 彼女は高校三年の美大志望の女の子。香澄という相棒とともに、学校でも超然とした様子に映る彼女からの視点。非常に冷静に世界を観察し、毬子のあどけなさ、相棒の香澄の分からないところ、香澄の家での女子合宿への闖入者たる月彦(香澄の従弟)やその友暁臣の心情を読み取り、時に牽制し、時に操ろうとします。 第三章は真魚子の視点。 ってか名前が妙に少女マンガっぽい雰囲気。 彼女は毬子の親友。素直過ぎる毬子と比べれば彼女はかなり冷静。仲間として毬子も好きだし、ボーイフレンドも好き。一学年上の芳野と香澄の超然コンビに憧れもあるものの、違和感もある。そうした中で毬子が二人に抱きこまれるように合宿に参加するのが若干悔しくもあるという感情も。 物語りの後半以降を締めくくる重要なポジション。言わば物語の見届け人のような立ち位置。 終章は香澄の視点。 あたかも彼女の辞世の句のような短章。 三章までではいまいち確証が持てない空白部分を彼女の独白が埋めてくれます。 ・・・ ということで、恩田作品でした。 夏休みの私的合宿(お泊り会)から一つの事件が発生し、それには過去から因果があったことがつまびらかになる、というものでした。 性格のはっきりと異なるキャラを配置して一人称で語らせる、というのがいかにも恩田さんらしい作品でした。

Posted byブクログ

2024/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ろくにあらすじも読まずに装丁買いしたので、ミステリとは思わず、だんだん謎が深まっていく展開にドキドキしながら読み進めました。3部+終章という構成でそれぞれ別の語り手が登場しますが、第1部の世界がとても美しくて、毬子ちゃんには世界がこんなふうに見えているのかと思うと、皆が毬子ちゃんに惹かれるのもわかります。 また、登場人物の書き分け、世界観を補填するための細部の描き込みが絶妙で、登場人物によって世界の見え方に違いを持たせながらも、それでいて作品全体として統一感もあり、作者の技量を感じました。

Posted byブクログ

2024/08/08

これは少女の持つ、一瞬のはかない繊細さ、その雰囲気を味わう作品なのだ。 だからリアリティを申し立てるのは野暮だということはわかっている。 しかし、舞台の上で明かされた真実はあまりにも机上の空論で、物理的に無理だろう、と何度も突っ込んでしまった。 そうしたら、最後の最後に…。 3...

これは少女の持つ、一瞬のはかない繊細さ、その雰囲気を味わう作品なのだ。 だからリアリティを申し立てるのは野暮だということはわかっている。 しかし、舞台の上で明かされた真実はあまりにも机上の空論で、物理的に無理だろう、と何度も突っ込んでしまった。 そうしたら、最後の最後に…。 3章それぞれに違う少女の一人称で語られるのには意味がある。 一人称になると、ほかの人物の心情を書かなくてすむのだから。 最初から不穏な空気があふれていた。 おどろおどろしいとは違う、とらえどころのない違和感。 登場人物の誰もが何かを心に秘めていて、せっかくの高校生の夏休みが、全然きらめいていない。 そもそも両親が不在の先輩の家で合宿って、ありなのでしょうか? 私は部活動をしたことがないからよくわかりませんが、大人の監督のない一週間の合宿って、私が高校生の娘に言われたら、参加を認めません。 いやだから、リアリティはさておいて。 登場人物みんなが少年少女を逸脱した、大人の苦さを持ち合わせているのに、みんなが頼りないくらいにはかなげ。 不穏の正体がわからないから、余計に不安。 作中でダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』について書かれているので、多分にそれをイメージしていると思われる。 っていうことは、これはホラーなのか? ホラーでもありミステリでもあるかもしれないけれど、これは少年少女が大人になっていく過程をこそ書きたかった作品なんだと私は思う。

Posted byブクログ

2024/05/12

再読。購入本。実家で見つけて。 恩田陸の書く少女はやっぱりいいな〜。お話もほとんど忘れてたからハラハラしながら読めちゃった。

Posted byブクログ

2024/05/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高校生くらいに呼んだ気がする、再読。 その頃の感想は「やっぱり恩田さんの描く女の子たちは強くて、こうなりたい」 今となってはそれが毬子なのか、香澄なのか、芳野なのか、真魚子なのか、わからない。 てか香澄死ぬんだっけ びっくりした 終わり方も綺麗だったなあ 香澄の視点で終わる感じがいい わたしがあの時感じた「強い女の子」って誰だったのかな 強くて綺麗なんだよなあ 誰だろう、でもみんなそれぞれ強さがあった気がするな そして美しい 「少女」の残酷さが美しいな ストーリーの展開も静かで美しい 本格サスペンスには遠いけど、恩田さんの作品が好きな人にはわかる感覚だと思う 月彦が香澄のお母さんを殺した犯人が香澄だと告げた、最後に香澄の視点でそれはお母さんからの指示だったと それを知ってる人はそして誰もいなくなる 残酷な終わりで美しい

Posted byブクログ

2023/09/09

少女たちの一人称小説。ミステリでよくある、結末→本当の結末 の構成だった。 お嬢様、美少女、御屋敷での合宿と来ると、百合っぽいのかなと思ったけれど、そんな感じではないかな。 少女の一人称視点+世界観で、ややべっとり、叙情的な表現が続く。ミステリと言われると微妙。

Posted byブクログ

2023/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

完璧な美少女・香澄と芳野に、香澄の家で演劇部の舞台背景を完成させるべく夏合宿しようと誘われる毬子が、数年前に香澄の家で起きた事件を巡って起きるあれこれに巻き込まれる話。毬子・芳野・毬子の友人の真魚子と視点人物を変えて語られる。青春小説かつサスペンスアンドややホラー。 香澄の母の自殺だった、というのは納得するんだが、結局香澄と毬子の事故は香澄の仕掛けた自殺だったのか、だとしたらその動機はなんなのか、いまいちわからない。登場人物が死んでオチをつける話は、それで感動する場合もあるけど納得の展開でなければ往々にしてチープなオチに思えてしまう。だから前半までは面白くハラハラしながら読めたけど、ちょっと不完全燃焼な気がした。

Posted byブクログ

2023/08/24

百合もののミステリが読みてえ!! その結果たどり着いた作品。恩田陸は初めて読んだ。 少女の世界を描くリリカルで繊細な表現はさすが名のある作家だなあと思うが、男が出てくる点とミステリの薄さがコレジャナイ感。 肌に合わなかっただけで、クオリティは高い。

Posted byブクログ

2023/08/22

不穏な空気の中で、それぞれが秘密を抱えながら進んで行くストーリーに引き込まれた。 美しくも、どこか残酷さも備えた少女たちの描写が印象的だった。

Posted byブクログ