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1950年のバックトス の商品レビュー

3.6

34件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2011/07/17

ナンセンスとは少し違うかもしれないけれど、何とも捉えがたい短編集でした。あ、いいな、と思ったのは「雪が降って来ました」。最後の「ほたてステーキと鰻」もファンには嬉しい短編でした。

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2011/05/12

短編集です。短編だと怖いものが多いですね。でも、最後はほんのり心が暖かくなる、生きていくことっていいかもと思える締めかたです。

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2011/04/18

文庫化したので再読。20ページに満たないものがほとんどの短編集です。「洒落小町」は僕もときどき似たようなことを考えるなあとちょっと共感し、ライターを「燃えないごみ」に捨てたことを思い出しました。「ほたてステーキと鰻」は「ひとがた流し」のその後の話で、寂しさを感じるよりも先を見よう...

文庫化したので再読。20ページに満たないものがほとんどの短編集です。「洒落小町」は僕もときどき似たようなことを考えるなあとちょっと共感し、ライターを「燃えないごみ」に捨てたことを思い出しました。「ほたてステーキと鰻」は「ひとがた流し」のその後の話で、寂しさを感じるよりも先を見ようとする様子が素敵です。表題作の「1950年のバックトス」がやっぱり一番好きで、野球の思い出話が胸に響いて温かい気持ちになれました。巻末にある桜庭さんの真夜中の匂いという表現も分かりますが、僕の中では澄んだ空気の中にいる感じです。

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2011/02/01

なかなか達者な短編集。最初ちょっとホラーっぽい雰囲気の作品がいくつかあったので、そういう勢いの作品を集めたのかと思ったけど、そういうわけではなかった。いろんな雰囲気の作品が集まってて、全体としては心にふわっとしみてくるような短い作品が多い。正直、ちょっと技巧的な味が鼻にぷんと来る...

なかなか達者な短編集。最初ちょっとホラーっぽい雰囲気の作品がいくつかあったので、そういう勢いの作品を集めたのかと思ったけど、そういうわけではなかった。いろんな雰囲気の作品が集まってて、全体としては心にふわっとしみてくるような短い作品が多い。正直、ちょっと技巧的な味が鼻にぷんと来ることがないわけでもない。が、全体としてはいい味だ。 後半に並ぶ、老いをテーマにしたような作品が、妙にほろ苦くてじんわりと胸に広がった。言い尽くしたようで言い足りないようで、なかなかオツなものだ。ミステリとはまた違う、作者の力を感じる。正直、ちょっと技巧的な味が鼻にぷんと来ることがないわけでもないけど。

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2010/12/03

みなさんは長編と短編とどちらの小説がお好みでしょうか? 自分は長編です。小説ってその話ごとに設定があるじゃないですか。たとえばこの人物は性格的に狡猾だとか、この人物とこの人物が敵対しているとか世界観が中世だったりSFだったり。 短編って、その設定が読む話読む話で違ってくるのでそ...

みなさんは長編と短編とどちらの小説がお好みでしょうか? 自分は長編です。小説ってその話ごとに設定があるじゃないですか。たとえばこの人物は性格的に狡猾だとか、この人物とこの人物が敵対しているとか世界観が中世だったりSFだったり。 短編って、その設定が読む話読む話で違ってくるのでその世界観にどっぷりとつかれるまでちょっと読みこまないといけない。それがちょっと疲れちゃうんですよね。もちろんそんなものを吹き飛ばすくらいの質の高い短編ってのもあるわけなんですが。 この小説は一編一編が非常に短い短編集となっております。さすが短編の名旗手ともいうべき北村薫なので一つ一つはそれなりに質が高いんですが・・・上記の理由で結構読んでて疲れましたw あと、もうちょっとこの話続きが気になるなあ・・ってところでどれも終わっちゃうというか。もっとその話にどっぷりとつかりたいぞ!!という欲求があったりなかったり。

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2010/11/25

23作品収録の短編集。 怖い話、泣ける話、笑える話など色々。 小説というより、一場面を切り取ったような短い作品も多い。 再読で、前に読んだのは2007年12月。一番はっきり記憶に残っていたのは「昔町」、「1950年のバックトス」、「林檎の香」。 「林檎〜」はカーナビの音声を吹き込...

23作品収録の短編集。 怖い話、泣ける話、笑える話など色々。 小説というより、一場面を切り取ったような短い作品も多い。 再読で、前に読んだのは2007年12月。一番はっきり記憶に残っていたのは「昔町」、「1950年のバックトス」、「林檎の香」。 「林檎〜」はカーナビの音声を吹き込むという珍しさで覚えていたが、あとの2作は登場人物の昔が鮮やかに浮かび上がる話である。この作者の懐かしさの描き方が好きなのか、あるいは単に自分が年をとったせいなのか。

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2010/09/15

「小正月」(泣きそうになった)、「眼」(鳥肌が立った)、「真夜中のダッフルコート」(大好き)が特にお気に入りです。

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2010/10/27

色合いも手法も長さも短さも、様々な23編。 やや技巧に走りすぎている感もあるが。 myイチオシは『昔町』。 発想に「あっ」と唸ると共に、すさまじい郷愁感に胸打たれる。

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2010/08/08

短編集。掌編と呼んでもいいような短いものも含めて、巧いなあと唸らされる一冊です。日常の何気ないシーンをスッと切り取られています。しかしそこは何かが動いた瞬間なんですね。切り取り方が鮮やかで、ここでしかないという瞬間が凝縮されています。 読後まず思ったのが、国語の教科書に載りそうな...

短編集。掌編と呼んでもいいような短いものも含めて、巧いなあと唸らされる一冊です。日常の何気ないシーンをスッと切り取られています。しかしそこは何かが動いた瞬間なんですね。切り取り方が鮮やかで、ここでしかないという瞬間が凝縮されています。 読後まず思ったのが、国語の教科書に載りそうな話だなということですね。雰囲気がそういう感じなんです。静かで穏やかな文章だけど、心の動きが大きく記されたりするので。ちょいと背筋を伸ばしたくなる、そんな作品でした。

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2010/07/25

帯に「人生の時間を彩る<時と人>の名短編集」と書いてありました。「時と人」シリーズというと『スキップ』『ターン』『リセット』の三部作を思い出してしまいます。そういえば、会社の同僚に『スキップ』を勧められたのが、北村薫を読み始めたきっかけでした。 北村薫が覆面作家だったとき、男性か...

帯に「人生の時間を彩る<時と人>の名短編集」と書いてありました。「時と人」シリーズというと『スキップ』『ターン』『リセット』の三部作を思い出してしまいます。そういえば、会社の同僚に『スキップ』を勧められたのが、北村薫を読み始めたきっかけでした。 北村薫が覆面作家だったとき、男性か女性かというのが話題になっていたことがありましたが、男性だと分かってみるとオヤジギャク的なものが多いことに目がいきます。ほろりとさせるいい話をストレートに書くことに照れがあるのでしょうか?雰囲気的には「昔町」というのが、ちょっと『20世紀少年』のともだちランドに似ている感じで好きです。

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