半分の月がのぼる空(下) の商品レビュー
どこにでもいる普通にいいかげんな少年が、入院した病院で少女と出会って、葛藤しながらも逃げないで人生と向き合う青年に成長していく過程を丁寧に鮮やかに描いた話。思春期の行ったり来たりを大人になっても鮮明に覚えていて良く描けるなぁ。脇役の友人が微笑ましかったり、シリアスなテーマだけど心...
どこにでもいる普通にいいかげんな少年が、入院した病院で少女と出会って、葛藤しながらも逃げないで人生と向き合う青年に成長していく過程を丁寧に鮮やかに描いた話。思春期の行ったり来たりを大人になっても鮮明に覚えていて良く描けるなぁ。脇役の友人が微笑ましかったり、シリアスなテーマだけど心が抉られすぎないで読めるバランスは、この作者らしいが、筆者の他作に比べ抜きん出てメッセージが強い超力作。
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ヒロインが死ぬ。主人公は悲しみ、彼女が遺した想いを胸に前を向く。本に限らずドラマや映画で見たことはない人がいない王道展開ではないだろうか。 ならヒロインが死ななければ、二人はどうなるか? その答えの一つをこの物語は教えてくれた。完全なハッピーエンドか。いいや違うのだ、私は考...
ヒロインが死ぬ。主人公は悲しみ、彼女が遺した想いを胸に前を向く。本に限らずドラマや映画で見たことはない人がいない王道展開ではないだろうか。 ならヒロインが死ななければ、二人はどうなるか? その答えの一つをこの物語は教えてくれた。完全なハッピーエンドか。いいや違うのだ、私は考えが甘かった。 死にゆく原因となるものを抱えた者に寄り添うこと。その道は過酷であり残酷さも内包している。それでも共に歩んでいく希望と優しさ。それは真っ直ぐに心を打つほど美しいのだと知った。
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主人公・裕一はイタイが、その親友・司がとてもいい。なにかと裕一に絡む、里香の主治医・夏目はなかなかに大人げないが、肝心なことは間違えない。方言を知らない者としては伊勢弁の柔らかさが、情景をより抒情的にしている気がする。
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ひたむきな若人達が成長していく様は微笑ましいです。おばちゃんの私は、それだけでもうお腹いっぱいです。映画の方が好きかも。
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後半はまぁ妥当なところでまとまったって感じ 多分、全体を絞り込んでブラッシュアップしたらいい本になったと思う が蛇足が多すぎる あとキャラクターの心情がどの人物かわからなくなるほどに思考回路が一緒過ぎる せっかくこせいのある登場人物が作者の性格一人分だけしかないのが残念 まぁラノ...
後半はまぁ妥当なところでまとまったって感じ 多分、全体を絞り込んでブラッシュアップしたらいい本になったと思う が蛇足が多すぎる あとキャラクターの心情がどの人物かわからなくなるほどに思考回路が一緒過ぎる せっかくこせいのある登場人物が作者の性格一人分だけしかないのが残念 まぁラノベってどうしても括ってしまうw
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具体的な内容は、文庫版のレビューとハードカバー版の上巻のレビュー参照で。文庫版の4巻・5巻を収録しています。
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上巻を読むのに3、4日かかりましたが、この下巻は1日で読み終わるほど、面白かったです。 里香の手術は成功するが、裕一は里香に会うことを許されなかった。 里香の母の願いだったから。 裕一は、抜け殻のようになる。 また、夏目は自分の過去を亜希子に話しだし、明らかになっていく。 裕...
上巻を読むのに3、4日かかりましたが、この下巻は1日で読み終わるほど、面白かったです。 里香の手術は成功するが、裕一は里香に会うことを許されなかった。 里香の母の願いだったから。 裕一は、抜け殻のようになる。 また、夏目は自分の過去を亜希子に話しだし、明らかになっていく。 裕一が選んだ人生とは、どんなものなのか。 感動の物語。 今回は、裕一の今と夏目の昔話が交互に繰り返され、物語が進んでいきます。 結構急に場面が切り替わるのが印象的でした。 また、上巻に比べ、裕一と山西、司、みゆきの友情がより深く描かれているのも良かったです。 上巻を読んだ時は、なんか長いなぁと思ってしまった時もありましたが、下巻は一気に読み進めました。 橋本紡さんのお話は、綺麗な文章で書かれるので、読後感もとても良かったです。 また橋本紡さんのお話を読みたいと思います。
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一緒にいたいというより、一緒にいるという覚悟そのものが愛なんだ。 「なんで、アイツの事そんなにすきなんだよ。」 「あいつのどこがいいんだよ?」 昔、からかうつもりで友に投げた言葉。 「わかんねー。ww一緒にいてくれるからじゃねー?」 はにかみながら発したそのセリフを、ふと...
一緒にいたいというより、一緒にいるという覚悟そのものが愛なんだ。 「なんで、アイツの事そんなにすきなんだよ。」 「あいつのどこがいいんだよ?」 昔、からかうつもりで友に投げた言葉。 「わかんねー。ww一緒にいてくれるからじゃねー?」 はにかみながら発したそのセリフを、ふと思い出した。 恋で人間成長できるんだよね。
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裕一と里香と、2人のまわりの人たちのお話。 裕一は、ずいぶん大人になったね。 この後、2人がどんな人生を送るのか、気になる。
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里香の担当医“夏目”のエピソードこそが、この作品の肝なのではないかと思えた。 十分な才覚と野心を持っていた夏目が、自分の人生と 大切な人とを秤にかけたときの決断、そこにいたるまでの葛藤、そしてその後に待ち構えていた別離と空白。 この描写だけでも、この本を読む価値はある。 誰かのために、自分の“あったかもしれない人生を諦めること” その重みと、時の長さを、ずっしりと感じさせてくれる作品だった。 誰かを選び共に生きるということは、その人に何かを与えることであり、その人から何かを奪うことでもあるんだ。
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