おちつま-堕妻- の商品レビュー
愛憎渦巻く壮絶な調教凌辱の果てに訪れたぞっとする結末
タイトルこそ『おちつま』だが実際は「螺旋快牢」という物語が全12話(各話16頁)で繰り広げられる長編作品。果てしない調教の壮絶さはなかなかのもの。肉欲的な陥落は早いのだが、それが逆に愛する夫への操という心を苛むこととなり、その狭間で揺れる懊悩や、それでも繰り返される凌辱に屈して牝...
タイトルこそ『おちつま』だが実際は「螺旋快牢」という物語が全12話(各話16頁)で繰り広げられる長編作品。果てしない調教の壮絶さはなかなかのもの。肉欲的な陥落は早いのだが、それが逆に愛する夫への操という心を苛むこととなり、その狭間で揺れる懊悩や、それでも繰り返される凌辱に屈して牝と化してしまう様が描かれている。 ことの始まりに留まらずヒロインの若妻【恵】が巻き込まれてしまう理由なども含めた大体の流れは第1話で見えてしまうが、これはむしろ第1話で全体像を示しておいてから後に詳細をじっくり描いていく手法かと思われ、ここから本格的な調教へと至るまでの第2・3話から、首謀者である女性【静美】の動機となる壮絶極まる過去を盛り込んだ第4~6話を挟み、日常には戻れなくなるほどの調教に次ぐ調教を受ける恵が描かれた第7~9話を経て決定的な崩壊へと至る第10~12話という4分割の構成が透けて見える。言ってしまえば静美の粘着質で歪んだ恨みが発端ではあり、恵にすればとんだ理不尽な話なのである。 描写はハードの一言。抵抗する間も無くありとあらゆる無慈悲な集団調教凌辱が繰り返される淫靡な様には凄味さえあり、否が応でも牝に堕とされてしまう絶望感もある。さらには遂に人との交わりを超えた合体まで屈辱的に描かれては好みを大きく分けると言わざるを得まい。 最終話においても夫への想いを失っていない恵の一途な心は最後の最後に見せつけられた決定的な情景で絶望的崩壊へと至るのだが、復讐によって終わるハズだった物語は世代を越えて輪廻されることを示唆するエピローグによって一段と深みが増している。 誰が父親か?などと深読みし始めるとさらにぞっとしてしまうところだが(静美の方はホクロでさすがにそこまでではないことを示しているが)、迫力のある作画は元よりこのインパクト絶大な結末によって話の組み立て方というかコツが分かってるな~と思わせるストーリーテラーとしての力量も感じた次第である。
DSK
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