世界史読書案内 の商品レビュー
ネット渉猟中に見つけたもの。新書が占める割合がかなり高かったけど、題材の性質上、どうしてもそうなってしまうか。そんな中、気になったのは下記。 ハワイの歴史と文化 大君の通貨 23分間の奇跡 ◯ 夜と霧 アラブとイスラエル 戦争中毒 石の花 不都合な真実 バルミ ローマ帝国とキリ...
ネット渉猟中に見つけたもの。新書が占める割合がかなり高かったけど、題材の性質上、どうしてもそうなってしまうか。そんな中、気になったのは下記。 ハワイの歴史と文化 大君の通貨 23分間の奇跡 ◯ 夜と霧 アラブとイスラエル 戦争中毒 石の花 不都合な真実 バルミ ローマ帝国とキリスト教 小説 十八史略 ビジュアル版 イスラーム歴史物語
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902 歴史的に見て、隣り合う国どうしは文化的・民族的に近い位置に あるにもかかわらず、仲が悪いことが多いのです。というよりもむ しろ、近い位置にあるからこそ仲が悪いと言うべきでしょうか。 くたちが「イギリス」と呼んでいる国と、アイルランドとの関係も その典型事例です。両国の間...
902 歴史的に見て、隣り合う国どうしは文化的・民族的に近い位置に あるにもかかわらず、仲が悪いことが多いのです。というよりもむ しろ、近い位置にあるからこそ仲が悪いと言うべきでしょうか。 くたちが「イギリス」と呼んでいる国と、アイルランドとの関係も その典型事例です。両国の間では、まず民族が違います。アングロ ・サクソン系のイギリスに対し、アイルランドはケルト系。次に宗 教が違います。イギリスはイギリス国教会を信奉するのに対し、ア イルランドでは伝統的にカトリックが強いのです。そしてなにより も両国の間には、征服者と被征服者という不幸な歴史が存在してい ます。 イスラームは宗教であると同時に世界観でもあります。さまざま な言葉や文化、歴史的な背景を異にする民族を、イスラームは、 つに、かつゆるやかに統合してきました。 ハワイの産業を支えているのは、日本からやってくる大量の観光客 の存在⋯⋯。本書は、移民、戦争、観光をキーワードにして、ハワ イの歴史を解説しています。そしてそのすべての場面で、日本の影 がちらついているのです。 さらに言うならば、ハワイに移民したのは日本人だけでなく、ポ ルトガル人やドイツ人、プエルトリコ人、中国人なども多くいまし た。中でも朝鮮人や琉球人の置かれた位置について述べてあるとこ ろは必読です。ハワイの歴史は、異文化交流についての一つのモデルです。 なお、ハワイ観光の最大の日玉であるオアフ島のワイキキビーチ の白い砂は、観光のために大量に持ち込まれて海岸に敷き詰められ た「人工の砂浜」なのだそうです。さあそろそろ、本書を読んで、 本当のハワイを見つめなおしてみよう! 歴史というものは、人間の営みの集成ですから、本来さまざまな見方や解釈ができる ものです。本書はそのあたりの自由度が高いし、多面的になっています。つまり、本の 中で執筆者どうしが対話をしているのです。だから読んでいて、「ああなるほど」とか、「こういう観点もあるのか」とたくさんの発見があるのです。 歴史を見るということは、裏側から(逆から)日本の近代史を見ることになるのです。人 は自分自身の顔を自分の力で見ることはできません。鏡や水などに映してはじめて、間 接的に見ることができるのです。ぼくたちが世界史を学ぶ意味もおそらくここにありま す。自分の姿1日本の姿を見るためには、他者の歴史(鏡や水)に照らすのが有効でしょ う。そしてそれは日本と関係の深い国であればなおさらのことで、朝鮮や中国などは格 好の素材をもたらしてくれるはずです。 日本に住むぼくたちが、自分自身と切り離して他国のことを調べても、何の役にも立 たないだけでなく、時として大きな落とし穴にはまる危険性があります。世界のさまざ まな国を知るのも、もちろんいいのですが、でもまずは自分の足元を見つめることから 始めてみたいと思うのです。 『石の花』 坂口尚 講談社漫画文庫(一九九六年) これは世界史を学ぶ人すべてに読んでもらいたいマンガの一つです。 舞台は一九四一年から四五年のユーゴスラヴィア。複合多民族国家の典型ともいえる この国は、第一次世界大戦後の民族自決原則の適用を受け、南のスラヴ族(=ューゴ・ スラヴィア)の寄せ集めとして誕生しました。スロヴェニア人、クロアチア人、セルビ ア人、マケドニア人など、どの民族を取り上げても単独では多数となり得ない国。 つの国境線、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つ の国家」と揶撤される、世界に類を見ない複雑な構成を持つ国。社会主義国でありなが ら自主管理をおこなってソ連に対する独自路線を貫き、非同盟諸国のリーダーでもあっ た国。ここからは「国家とは何か」「民族とは何か」「社会主義とは何か」「宗教と国 家との関わりについて」など、さまざまな問題のケーススタディを導くことができるで しょう。そしてまた、ボスニア内戦のような悲劇の再現をふせぐためにも、その歴史か ら学ぶことはこれからも大いに必要になることでしょう。 一級の学問研究というのは、その根底のところで、他のさ まざまな学問分野と共鳴し合う力を持っています。本書は二〇世紀の分子生物学の歴史 と展開を記したものですが、「生命とは何か」という根源的な問いは、「人間とは何 か」を問いかける哲学や歴史学や文化人類学とも、自然環境を考える学問とも通じる普 遍的なものです。本書を読むのに専門的な知識はいりません。高校で習う生物の知識が あれば十分でしょう。将来さまざまな分野で活躍するみなさんに、ぜひとも読んでもら いたい一冊です。
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まさか著書ご我が母校で教鞭を取っていたとは、とまずは驚いた。自身が世界史に興味を持ったのも高校時代だったので少なからぬ縁を感じた。すべての歴史は現代を生きる我々がよく生きるためにあるというのは本当にそうだと思う。
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現役社会高校教師津野田さんが、これを読め歴史本約90冊を紹介してくれます。岩波ジュニア新書勉強になりますねえ。
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高校の世界史の教員による、読書案内。歴史は暗記しようと思うとつまらない、面白い歴史の本を読もうというコンセプトで、本を紹介している。岩波ジュニア新書だが、紹介されている本はほとんど大人向けなので、大人の読書案内としても良い。新書や学術書が多いが、小説も紹介されている。私はこの本に...
高校の世界史の教員による、読書案内。歴史は暗記しようと思うとつまらない、面白い歴史の本を読もうというコンセプトで、本を紹介している。岩波ジュニア新書だが、紹介されている本はほとんど大人向けなので、大人の読書案内としても良い。新書や学術書が多いが、小説も紹介されている。私はこの本に紹介されている本で読んだことがあるのは「砂糖の世界史」「李陵・山月記」の2冊だけだった。どちらも良かった。他にも面白そうな本があったので、読んでみたい。
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すっかり大人になってから 「勉強する」ことは ほんとうに 面白い 十代の多感な若者たちには わかるかなぁ…? わからねぇだろうなぁ…! そして 本書は 「世界史を学ぶ」に特化して 「こんな素敵な本がありますよ!」 という読書案内 読んできた本も まだ 読んでいない本も まぁ...
すっかり大人になってから 「勉強する」ことは ほんとうに 面白い 十代の多感な若者たちには わかるかなぁ…? わからねぇだろうなぁ…! そして 本書は 「世界史を学ぶ」に特化して 「こんな素敵な本がありますよ!」 という読書案内 読んできた本も まだ 読んでいない本も まぁ 魅力あふれる 「じゃあ もういっぺん!」 「じゃあ 手に取って!」 本当に 愉快にさせてもらえる一冊 ということで 勉強する って 楽しいよ!
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いろいろな角度から世界を見つめ直す機会になりそうな本が多数紹介されている。 私も早速たくさんリストアップした。 もう読んだ本でもまた新たな視点で読み直すことができそうなものもあり、選書が良いと思う。
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あー、いい先生だなー。これを読んでもなお僕は世界史でまず大切なのは記憶だと思うけれど、それでも書かれている内容自体には深く共感するし、紹介の仕方のうまさには舌を巻く。 ここに載っている本、かたっぱしから読んでいきたいと思わされた。
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「世界史読書案内」岩波ジュニア新書、2010年、津野田興一さん。 「世界史についての面白い本を読むのは素敵だよね」と思っている人にとっては、麗しい一冊、コロンブスの卵のような本。 「世界史についての本を、(たとえ多少面白くなくても)読むのが大変に好きな人。好きで、それを仕事に...
「世界史読書案内」岩波ジュニア新書、2010年、津野田興一さん。 「世界史についての面白い本を読むのは素敵だよね」と思っている人にとっては、麗しい一冊、コロンブスの卵のような本。 「世界史についての本を、(たとえ多少面白くなくても)読むのが大変に好きな人。好きで、それを仕事にしてしまった人。だから、大変に長い歳月に渡って、たくさんのそういう本を読んだ人」 そういう人が、「そうっすね、これとか、面白かったっすよ」と興奮しながら紹介する。 と、いうダケの本なのです。これが盲点、素晴らしい。 「こういうジャンルの、こういう感じの本…。いやそりゃ一杯あるけれど、どのあたりが自分のレベルにあっていて、かつ、オモシロイんだろうか?」 という疑問って、どれだけネット情報が多くなっても、なかなかある程度以上はワカラナイ。(本以外の、いろんな情報の需要についても、意外と同じだったりしませんでしょうか) # この本がまた味わい深いのは、津野田さんという作者の方が、大学の歴史学者ではないところなんです。高校の歴史の先生なんですって。 専門的な歴史学者だと、まず自ずと専門領域がある。そして大抵は領域外のことにはあまり発言を慎む。ま、なわばりですから。さらには、「オモシロイ」「初心者にも読みやすい」「とにかくわくわくする」みたいな本は、あまり情熱的に評価したりはしないのが常です。 そこへ行くと高校教師さんっていう立ち位置は、なかなか強くてユニークな気がします。だって、どの時代のどの地域のことだって教えなきゃならないし、読み手の側のレベルが低くても取り込んでくれる本ぢゃないと、生徒には意味がありませんものね。 つまりは、「子供がアレルギーで」とか「腰痛が治らない」というときに、「俺はこのあたりの医者は、何十年もかけて全部行ってるし、今でも仕事としてほぼ全部の医者に回っている。その症状なら、あそこの医者がぜったいオススメだよ。だってね、あそこの先生はこういう履歴でね、人柄も、●●なんだよ。あとあそこはとにかく看護師さんが☓☓。あそこは、待ち時間が☓☓なのは覚悟していかなきゃだめ。子供の扱いはとにかくあの病院が親切で、でもアレルギー系なら、別のあそこのほうがとにかく専門で診断が詳しい…」とか、親切丁寧に、実名出して教えてくれる人がいたら、便利だし、助かるぢゃないですか。 そういう感じです。 # というわけで、こういう本を作った岩波ジュニア新書の編集部さんに拍手喝采、さくさくワクワク読み終えました。 最後に備忘録として、「これは、いずれ読まねば!」と強く思った本をメモっておきます。 「歴史学ってなんだ?」小田中直樹 「ことばと国家」田中克彦 「物語イタリアの歴史」藤沢道郎 「物語アメリカの歴史」猿谷要 「大君の通貨 幕末円ドル戦争」佐藤雅美 「ヨーロッパの歴史」フレデリック・ドルーシュ
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読みたくなった: 『歴史学ってなんだ?』(PHP新書、二〇〇四年)。 『哲学ってなんだ自分と社会を知る』 『大人のための近現代史19世紀編』 『そうだったのか!現代史』 『シュメル人類最古の文明』 『フランス革命歴史における劇薬』
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