名画で読み解く ブルボン王朝12の物語 の商品レビュー
「歴史とは斯くあるべし」と読みながら思った。 絵画に込められた物語性を歴史として浮き彫りにするのは、そもそも歴史とは点でなく線であることを改めて思わせる。 他のシリーズも読みたい。 歴史が苦手だと思ってる人にお勧めしたい。そんな気持ちがあるが、やけに難しい単語が並んでるので、教養...
「歴史とは斯くあるべし」と読みながら思った。 絵画に込められた物語性を歴史として浮き彫りにするのは、そもそも歴史とは点でなく線であることを改めて思わせる。 他のシリーズも読みたい。 歴史が苦手だと思ってる人にお勧めしたい。そんな気持ちがあるが、やけに難しい単語が並んでるので、教養を必要とする読み物かもしれない。 私にとって小難しい単語はむしろ荘厳さを醸すエッセンスになるが、初学者や苦手な人にとってそれは凶器にしかならない気もする。 つまり、こんなに面白いのに初学者にお勧めしにくい。ナンテコッタイ。
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12枚の絵画を通してフランス・ブルボン王朝の歴史を紐解く1冊。 ちょこちょこ小説で読んでいる人物が絡んでくると、急に解像度増す気がするから歩楽しい。 こういう自分の中にある知識の点と点が、読書中に線になって繋がってゆく瞬間がたまらなく気持ちいい。おそらくこの瞬間の気持ちよさのため...
12枚の絵画を通してフランス・ブルボン王朝の歴史を紐解く1冊。 ちょこちょこ小説で読んでいる人物が絡んでくると、急に解像度増す気がするから歩楽しい。 こういう自分の中にある知識の点と点が、読書中に線になって繋がってゆく瞬間がたまらなく気持ちいい。おそらくこの瞬間の気持ちよさのために読書をし続けているのだな、と思います。 その瞬間は、読書中だけではなく、ゲームでも映画でもたわいのない会話中でも同じ。 ふとした瞬間に、繋がる気持ちよさ。知識が繋がるのはとてもいいです。 絵画は12枚だけでなく、各章ごとに補足するためにいくつか追加で紹介されています。知っていたのは「ガブリエル・デストロとその妹」乳首摘んでるやつですね。思春期には印象は強いですこの1枚。「ぶらんこ」スカートの中覗いているやつ。あの貴族に気づいてなんちゅう性癖絵画だと思った記憶。 「ナポレオンの戴冠式」「アルプスを超えるナポレオン」「民衆を導く自由の女神」の有名すぎる3枚。 「メデュース号の筏」極限の暗さ。 世界史というかヨーロッパ史の複雑さは、各時代各国の婚姻関係にあると思います。 これに比べたら、日本史の同じ感じ使用している名前(偏諱のせい)が多くて覚えられない、なんて戯言じゃないかと思うんですけどねぇ。まあ、覚えられないと言っている時点で覚える気持ちを半ば放棄していると思うので、死ぬ気で覚えるしかないのですが。テストなら丸暗記でいいのでしょうが、物語として楽しんでいる身としては、するする覚えたい。 なので、点と点が繋がると気持ちがいいのです。あ、この知識がランクアップしたという感覚。他人にはわかりづらいでしょうが、楽しいのです。
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新婚旅行でパリに行ったため、予習のため読んでいた。 ロマノフ、ハプスブルクも読んできており、やっぱり中野さんの文章は読みやすいしとっつきやすい。 ちょうどパリでルーブル美術館に行く予定があったため、本書が大いに役立った。歴史を学ぶという意味でも、絵画が描かれた背景を知るという...
新婚旅行でパリに行ったため、予習のため読んでいた。 ロマノフ、ハプスブルクも読んできており、やっぱり中野さんの文章は読みやすいしとっつきやすい。 ちょうどパリでルーブル美術館に行く予定があったため、本書が大いに役立った。歴史を学ぶという意味でも、絵画が描かれた背景を知るという意味でも。 ルーブル美術館ではルーベンスの『マリー・ド・メディシスの生涯』を見ることができたし、なぜこの絵が描かれたのかという背景も事前知識として持っていたのが良かった。 また、『ナポレオンの戴冠式』はルーブル美術館にもあるがヴェルサイユ宮殿にもある。なんとどちらも本物のようだ。この細かさと大きさの絵を2枚も描いたということ…。
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ヨーロッパ、特にスペイン、フランス、イギリスの探求が止まりません。 ブルボン家=歴代ルイ(特に14世)による、“これぞ王族”のきらびやかな衣装、宮殿、逸話の数々。 ルーブルにヴェルサイユ、厚みのあるマントを羽織った肖像画。芸術の開花… そこから生まれた物語「三銃士」「ヴェルサイユ...
ヨーロッパ、特にスペイン、フランス、イギリスの探求が止まりません。 ブルボン家=歴代ルイ(特に14世)による、“これぞ王族”のきらびやかな衣装、宮殿、逸話の数々。 ルーブルにヴェルサイユ、厚みのあるマントを羽織った肖像画。芸術の開花… そこから生まれた物語「三銃士」「ヴェルサイユのばら」… 末路はともかく、この足跡たるや!!
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中野京子さんの本を読むようになってから、絵画に描き込まれてる何気ない一つ一つがそれぞれ重要な意味や暗示をしているということに気付かされ、絵画ってこんなにお喋りなのねーと思えるようになった。絵画鑑賞の面白さを教えてくれた作者さん。なので彼女の出す本は大抵面白い。 絵画を深く見ようと...
中野京子さんの本を読むようになってから、絵画に描き込まれてる何気ない一つ一つがそれぞれ重要な意味や暗示をしているということに気付かされ、絵画ってこんなにお喋りなのねーと思えるようになった。絵画鑑賞の面白さを教えてくれた作者さん。なので彼女の出す本は大抵面白い。 絵画を深く見ようとすればするほど、歴史や宗教への理解は不可欠なのだが、ヨーロッパの歴史と宗教は非常に複雑で、なかなか覚えられない(覚えたそばから忘れていく笑)。本書もしっかりと巻頭の系譜を見ながら読んでいったけど、いかんせんヨーロッパ王室は同じような名前の人が男女ともに多くてこんがらがる。極端な話、アンリって名前をつけたいなら長男から順につけていけば良いのにそうじゃないし、国まで違うアンリも出てきて「あなたはどちらのアンリ様?」となる(笑)シャルルもそうだし、マリーもわんさか。これはひとえに私の勉強不足に尽きる。が、多少曖昧でも知りたいことをピンポイントに書いてくれるのがこの著者のすごいところ。特に逸話が多いので面白く、歴史上の人物がより身近に思える。そんなわけで今回も終始楽しく読めた。西洋史をちゃんと知ってたらもっと堪能できたかも。勉強しなおそうかな。
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ハプスブルク家、ロマノフ家、に続いて読んだ。相変わらず面白い。 P185 この時の新聞記事の変遷が、情けないやら可笑しいやらで、「怪物、流刑地を脱出」に始まり、「コルシカの狼、カンヌへ上陸」「王位簒奪者、グルノーブルへ入る」「専制皇帝ボナパルト、リヨンを占拠」「ナポレオン、フォ...
ハプスブルク家、ロマノフ家、に続いて読んだ。相変わらず面白い。 P185 この時の新聞記事の変遷が、情けないやら可笑しいやらで、「怪物、流刑地を脱出」に始まり、「コルシカの狼、カンヌへ上陸」「王位簒奪者、グルノーブルへ入る」「専制皇帝ボナパルト、リヨンを占拠」「ナポレオン、フォンテーヌブローへ接近」、最後は「皇帝陛下、明日パリへご帰還」ときたものだ。
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マルクスを読んでの感想が、オルレアン家のルイ・フィリップとは誰ぞや、だったので読みました。ルイ14世の弟の家族なんですね。 ロシアの時より、他の国との絡みが多くて面白かったです。当事者でないから言えるけれど。 そしてヴィジェ・ルブランの描く絵の繊細で美しいこと。本人も可愛いし。 ...
マルクスを読んでの感想が、オルレアン家のルイ・フィリップとは誰ぞや、だったので読みました。ルイ14世の弟の家族なんですね。 ロシアの時より、他の国との絡みが多くて面白かったです。当事者でないから言えるけれど。 そしてヴィジェ・ルブランの描く絵の繊細で美しいこと。本人も可愛いし。 全然美女が出てこねえなあと思っていたら突然のポンパドゥール夫人。綺麗ですねえ。 ブルボンの封印は14世でいいんだっけ?鉄仮面も少し期待してました。 絵本みたいにあっという間に読めてしまうので高いけど、他も読みます。本屋行かなきゃ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
このシリーズはこれで全部読んだことになるが、あまり真面目に考えたことがなかったヨーロッパの王室について、各王家のつながりも含めて理解するのに最適な本だった。ブルボン王朝がたかだか200年程度の王政で、しかしながら現在のスペイン王家がブルボン家の分派とは全く知らなかった、スペインハプスブルク家が滅びた後にブルボン家がスペインの王家になっていたとは驚きである。また、ルイ16世が決して凡庸な王ではなく、読書が大好きでイギリスのピューリタン革命で散ったチャールズ一世の歴史から打開策を見つけようと考えていたが、フランスの経済危機により結局フランス革命を止めることができなかったというのも同情してしまう。 本シリーズは名画の解説とともに象徴的な歴史をコンパクトにまとめており、大変勉強になる。何年かしたらまたすべてのシリーズを読み返してみたい。
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ハプスブルク家の〜に続けて読了。同じ時代を違う視点から見ることで歴史に立体感が出て余計に面白かった。
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貴族が自領を離れヴェルサイユへ引っ越すことを参勤交代に例えるなど、解説が分かりやすい。 それにしても、フランス革命時にルイ16世がパリ市民に被せられた帽子が古代ローマ時代の解放奴隷の帽子に由来していたとは。 事件のことも古代ローマの風習も知っていたが、この本でこれらが初めて結び...
貴族が自領を離れヴェルサイユへ引っ越すことを参勤交代に例えるなど、解説が分かりやすい。 それにしても、フランス革命時にルイ16世がパリ市民に被せられた帽子が古代ローマ時代の解放奴隷の帽子に由来していたとは。 事件のことも古代ローマの風習も知っていたが、この本でこれらが初めて結び付き「そういうことか!」 と膝を打った。 敵意を持った市民が国王に帽子を被せられるほど接近できるなんて絶体絶命であり、市民はもはや少しも国王を崇敬していないのだな。としか思っていなかった。 しかし市民が解放奴隷の帽子を国王に被せるということは、すなわち王権神授されたとされる国王を平民(市民)の手によりその身分(特権)から解放して(取り上げて)やるぞ。という皮肉が込められていたのではないだろうか。 国王の味わった屈辱感は相当なものだっただろうと新たに思った。
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