日本一短い「母」への手紙 の商品レビュー
福井県は丸岡町で開催された「一筆啓上賞」。 安土桃山時代に徳川家康の家臣、本多作左衛門重次が妻に宛てた「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」という短くも要点を突いた手紙にあやかり始まったイベント。(お仙は後の丸岡城城主、本多成重) 本当に短い。短歌くらいの長さしかない。...
福井県は丸岡町で開催された「一筆啓上賞」。 安土桃山時代に徳川家康の家臣、本多作左衛門重次が妻に宛てた「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」という短くも要点を突いた手紙にあやかり始まったイベント。(お仙は後の丸岡城城主、本多成重) 本当に短い。短歌くらいの長さしかない。だけどその短い文字数に詰め込まれた情景やドラマには万の言葉に匹敵するほどのものがある。 直接書かれていない背景にどれだけ想像力を掻き立てられることか。そういう意味で俳句や短歌のような味わいがある。 一緒に暮らしていたり、離れて暮らしていたり、死別していたり、生き別れていたり、顔も知らなかったり、心の底から愛していたり、愛憎渦巻いていたり、「ありがとう」だったり、「ごめん」だったり。 千差万別、十人十色。 それぞれの作品にそれぞれの母への想いがある。 どれもが優秀作品だった。 自分も、今、天国の母へ書いてみようと思う。 本当は、生きているうちに書けばよかった。
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