死化粧 の商品レビュー
表題作含め医師の視点から描かれた五つの短篇集なのだけれど、どれも暗澹とした筆致で、身近な者の死や障害を持つ子どもたちについて描かれている。決して気持ちの良い作品たちではないけれど、普段目をそらしがちなことに、改めて直面させられる印象を受ける。人の死を決めるのは誰か。自分の身におけ...
表題作含め医師の視点から描かれた五つの短篇集なのだけれど、どれも暗澹とした筆致で、身近な者の死や障害を持つ子どもたちについて描かれている。決して気持ちの良い作品たちではないけれど、普段目をそらしがちなことに、改めて直面させられる印象を受ける。人の死を決めるのは誰か。自分の身における決定を、身体的あるいは精神的理由で決められない時、それを下すのは誰か。
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オンライン無料閲覧期間に読了。 短編なので会社の昼休みにすぐ読めた。 母が死にゆく過程を 儀式的にこなしていく親族と 医者として、客観的事実としかとらえられない主人公。 この亡くなったお母さん、かわいそうすぎる。 誰も、心の底からその死を 悲しんでくれていない。
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- ネタバレ
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死といつも向き合うということは、こういう事なのかな。と思わせる小説。 自分以外の家族は母の生存を信じ、願っている。しかし、青年医師は母の死を確信している。そして、孤立する医師。
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死という非日常に日常的に触れている医者だからこそかける小説です。 生や死を感情を排除して淡々と語る主人公達から逆に優しさや辛さを感じました。
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最後の二ページ。自分の顔が険しくなっていくのを感じた。 自分の脳は、ともかく、今、頭の中に浮かんでくるおばちゃまや七穂を寂しいホルマリンの中にいさせてはいけない責任を自分に課す。
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