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光媒の花 の商品レビュー

3.7

251件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    108

  3. 3つ

    77

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    2

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2013/01/13

6編の連作だが、それぞれが完結しているように見えて、登場人物が関連している.最後に出てくる印章店は第一章での主役だ.巧みな構成で読み終えた時の感じがとても良かった.

Posted byブクログ

2013/01/06

直木賞候補に挙がった作品。失礼ながら、これ以上のものは書けないんじゃないかと懸念してしまうほどの良品。最初はいつもと同じ感じかと思って読んでいたけど、最後の展開は予想以上によかった。全体が報われた感じがする。

Posted byブクログ

2012/12/25

短編が連なり一つの大きな物語を作っています。ただ、それほど繋がりを意識しないで読んだほうがしんみりと心に響く気がします。 道尾秀介さんのインタビューを聞いたことがあるのですが、とても人間的に魅力的な話をする人で、その魅力が小説の人物にとても良く現れているように思います。 現実...

短編が連なり一つの大きな物語を作っています。ただ、それほど繋がりを意識しないで読んだほうがしんみりと心に響く気がします。 道尾秀介さんのインタビューを聞いたことがあるのですが、とても人間的に魅力的な話をする人で、その魅力が小説の人物にとても良く現れているように思います。 現実を見ること、それが難しくもあり簡単でもある矛盾を考えさせられます。 読後、爽やかな風のような応えは病みつきになりそうです。

Posted byブクログ

2012/12/12

短編集ではあったが、全体を通して関連性を感じさせる作りになっていて、短編があまり好きではない私も、抵抗なく読めた。むしろ、どう関係しているのかを探すために楽しめた。 隠れ鬼の中の、「母の知性は、日向に落とした飴玉のように、ゆっくりと溶けていった」の表現を読み、「あぁ、やっぱり道...

短編集ではあったが、全体を通して関連性を感じさせる作りになっていて、短編があまり好きではない私も、抵抗なく読めた。むしろ、どう関係しているのかを探すために楽しめた。 隠れ鬼の中の、「母の知性は、日向に落とした飴玉のように、ゆっくりと溶けていった」の表現を読み、「あぁ、やっぱり道尾さんいいなぁ」としみじみと思ったのと同時に、更にぐっと引きつけられた。 この表現の優しいようで切なく哀しい感じがとても好きで、飴玉をもって知性を描く事で、幼児性も感じさせる。ゆっくりと溶けるという言い方がとても哀しく、止められない事だと思わせる。 なんて、自分の解釈を書くと偉そうに見えてしまうけど、本当にこの一文で「読んで良かった」と思ったから記録しておく。 勿論、ここだけでなく後に続く話も面白かったし、読後は満足している。 解説でも書かれていたが、私も道尾さん独特の手法というか、書きっぷりにハマっている1人で、ぬるっとした気持ち悪さというか、スーッと切り込まれてゾクっとする感じというか、なんと表現したら良いかわからないが、それを短編全てで感じられた事がとても心地良かった。

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2012/12/07

短編集なんだけど そうじゃない感じで はじめはなんか読んでたら気分暗くなる系の小説かとおもったけど そんな事なかった 笑

Posted byブクログ

2012/11/29

平易な文体であり、すらりと読めたし、何より面白かったので退屈しなかった。 人間の光と影を描いた短編集。短編は別の短編と何らかの形でリンクし、一方の登場人物が何らかの形で他方の短編の登場人物に影響やきっかけを与えていたりする。 群像劇。様々な場面を回り回って、登場人物に一筋の救...

平易な文体であり、すらりと読めたし、何より面白かったので退屈しなかった。 人間の光と影を描いた短編集。短編は別の短編と何らかの形でリンクし、一方の登場人物が何らかの形で他方の短編の登場人物に影響やきっかけを与えていたりする。 群像劇。様々な場面を回り回って、登場人物に一筋の救いがもたらされる。最後まで読み切るとほっとした。

Posted byブクログ

2012/11/24

短編それぞれがつながっていて悲しくせつない話も他の話で少し救いがあったり・・・。語り手が変われば、人って全く別人になっちゃうんだなぁ。日頃の偏見や思い込みにドキッとさせられる。

Posted byブクログ

2012/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「光媒の花」という題名に惹かれて買った本… 光媒という非現実的な事象に思いを馳せ手に取ってみた。 6つの短編は蝶の道を飛ぶ、白い一匹によって繋がっている。 お互いがお互いを知らず繋がっている。 それぞれに起こる(起こった)出来事が、私には現実を越えていて(小説だからそれでいいのだけれど)、それが日常の隣にあることが恐ろしかった。 人は重い「秘密」を内に抱き「日常」を生きていけるのだろうか? 秘密が「重い」か「軽い」かなんて判断は、もしかしたら、それを持たない者の驕りなんじゃないだろうか? 重い秘密が日常である人たちの物語。 第六章「遠い光」に出てくる女の先生が、自分の能力なさを(内面では)素直に肯定していることになんだかホッとしてしまった。 自信たっぷりなのが外に向かう人も、自信のなさを別の感情で補い外へ向けてくる人も本当にめんどくさいから(笑)

Posted byブクログ

2012/11/15

もう、駄目だと思った。それでも世界は、続いてい た―少女は無限の想像力でこの世界を生き延び、少 年はたった一つの思い出にしがみつく。一匹の蝶が 見た悲しみの先に広がる光景とは…渾身の連作群像 劇。 ―――――― 短編集なんだけど、登場人物がどこかで繋がっていて面白かった☆ 内...

もう、駄目だと思った。それでも世界は、続いてい た―少女は無限の想像力でこの世界を生き延び、少 年はたった一つの思い出にしがみつく。一匹の蝶が 見た悲しみの先に広がる光景とは…渾身の連作群像 劇。 ―――――― 短編集なんだけど、登場人物がどこかで繋がっていて面白かった☆ 内容としては似た傾向のものもあったりと、またかって思う部分もあり。 言葉の使い方とかは滑らかでわかりやすく、登場人物に共感できる部分もあるので、闇の中から光がさして世界が広がるイメージが伝わって良かったです(´∀`) さらっと読めてしまうので、ぜひ☆

Posted byブクログ

2012/11/14

認知症の母親とひっそり暮らす男性の、封印された過去 ホームレス殺害に手を染めた小学生兄妹が抱く畏れ 密かに心を通わせた少女のために、少年がついた嘘 両親の諍いを機に、耳が聞こえなくなった少女の葛藤 病に伏せる姉を見舞う、配送ドライバー青年の誤解 自信を失った女性教師と、孤独と戯れ...

認知症の母親とひっそり暮らす男性の、封印された過去 ホームレス殺害に手を染めた小学生兄妹が抱く畏れ 密かに心を通わせた少女のために、少年がついた嘘 両親の諍いを機に、耳が聞こえなくなった少女の葛藤 病に伏せる姉を見舞う、配送ドライバー青年の誤解 自信を失った女性教師と、孤独と戯れる教え子の希望 光に満ちた景色も、暗くて哀しい風景もすべてがこの世界だ。 全部の話が少しずつつながっていて、意味をなしているのが、 読んでておもしろかった。 病に伏せる姉と自信を失った女性教師が同一人物だけど、弟視点の姉とはまったく違う人に見えた。 見る人によっても、ぜんぜん違うんだな。

Posted byブクログ