光媒の花 の商品レビュー
一話が40ページ前後の六話の短編集です。しかも一話ずつリレーされていて最後の話が振り出しの話に繋がっています♪ どれもが文体も内容も切ないような物悲しいようなホロリとしてしまう話です。 たくさん出てくる童謡の歌詞も効いてますね。
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判子をつくる遠沢が別荘の近くで出会った少女、虫捕りをする兄妹とホームレス殺害事件、昆虫学者を目指していたホームレス、耳が聴こえなくなってしまった少女、病気で入院する姉・母にいじけた態度をとってしまう弟、猫に小石を投げてしまった生徒を持つ新米教師… いろいろな人間模様が描かれ、それ...
判子をつくる遠沢が別荘の近くで出会った少女、虫捕りをする兄妹とホームレス殺害事件、昆虫学者を目指していたホームレス、耳が聴こえなくなってしまった少女、病気で入院する姉・母にいじけた態度をとってしまう弟、猫に小石を投げてしまった生徒を持つ新米教師… いろいろな人間模様が描かれ、それぞれ繋がりながら物語が進んでいく。
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*認知症の母とひっそり暮らす男性の封印された過去。ホームレス殺害に手を染めた小学生兄妹の畏れ。病に伏せる姉を見舞う、配送ドライバー青年の誤解・・・、一匹の蝶が見た、悲しみの先に広がる光景を描いた6章の群像劇。大切な何かを必死に守るためにつく悲しい嘘、絶望の果てに見える光を優しく描き出す、渾身の感動作* これは・・・もうお見事としか言いようがない。哀しく儚くやるせなく、救いがないかと思いきや、物語が進むにつれ、その先にある微かな光や希望や優しさがふわりと舞うような光景。陰があるから、ほんの少しの陽でもあたたかい。心にしんと染み入る読後感。また、素晴らしい本に出会ってしまった。
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2016年5月21日読了。道尾秀介による連作短編集。どこか暗い翳を宿す人々による6つの話が最後に「光」に向かって収束する。冒頭の「隠れ鬼」は救いようも無く暗い話だが、読み終わると何となく救われたような、ちょっと明るい気持ちになれるのはさすが。世の中にはいろんな人がいて、いろんな辛...
2016年5月21日読了。道尾秀介による連作短編集。どこか暗い翳を宿す人々による6つの話が最後に「光」に向かって収束する。冒頭の「隠れ鬼」は救いようも無く暗い話だが、読み終わると何となく救われたような、ちょっと明るい気持ちになれるのはさすが。世の中にはいろんな人がいて、いろんな辛い出来事もあるのだけれど、どんなときでも「少しほっとする瞬間」や「ほほえましい瞬間」はあるもので、ほんの些細な思い出であってもそれを抱いて一生生きていくこともできるし、そこから勇気を得て人生を変えようと踏み出すこともできる。そんなメッセージを感じた。
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この小説は、連作短編集なんですが、あんまり、道尾秀介さんぽくなかったですかねえ。 それでも、「隠れ鬼」と「虫送り」は、道尾秀介さんぽかった気がします。 で、この小説は、それぞれの話がつながっていて(ひとつの短編の中に出てくる脇役が、次の話の主人公になったりします)、前半は暗い感じなんだけど、後半に行くにつれ、話に光が射してくる、というのは前情報として知ってはいたんですが、実際に読んでみると、たしかにそういった雰囲気はあるんですが、それぞれの話の登場人物たちが、ちゃんと救われるといった感じではなかった気がします(あくまでも、そういった雰囲気といった感じ)。 ということで、久しぶりの道尾秀介作品でした。
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道尾秀介の短編小説。物語の脇役が、次の物語の主人公、という連鎖で続く作品群。この構図、書いていて楽しかっただろうなぁと。4話めの「春の蝶」が好き。途中、モヤモヤした状態で終わった話も、最終話で全てにスッキリと結論が付されるのは道尾の得意とするところ。シャドウまでの衝撃はないものの...
道尾秀介の短編小説。物語の脇役が、次の物語の主人公、という連鎖で続く作品群。この構図、書いていて楽しかっただろうなぁと。4話めの「春の蝶」が好き。途中、モヤモヤした状態で終わった話も、最終話で全てにスッキリと結論が付されるのは道尾の得意とするところ。シャドウまでの衝撃はないものの、なかなか面白かった。
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6つの短編集。 舞台はそれぞれ同じ街の中。 それぞれの話が人をつながりにしてループしています。 前の3篇はひやっとする話。 後の3篇はすこしほっとする話。 でもぜんぶ切なく哀しいです。
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この作品は短編6編集なのですが、必ずその前に登場した人物が次の短編の主人公となっていくドラマです。 いろいろな人物の人間描写が詳細で東野圭吾チックな感じを受けましたが、なかなか面白い作品でした。 道尾秀介作品は初期の頃はホラーチックな作品でしたが、最近の作品は人間描写を主体とした...
この作品は短編6編集なのですが、必ずその前に登場した人物が次の短編の主人公となっていくドラマです。 いろいろな人物の人間描写が詳細で東野圭吾チックな感じを受けましたが、なかなか面白い作品でした。 道尾秀介作品は初期の頃はホラーチックな作品でしたが、最近の作品は人間描写を主体とした作品になってきていて面白くなってきましたね!
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短編集だけど、一人一人の人生がどこかでふれあっています。 道ゆく人に、まさかこんな過去があったなんて。今こんなことを考えていたんだ…そんな感じです。 サチが一番好きかなあ。幸せになってほしいなあ。 そして、もう一度再開できたらいいなあ。 きっと二人は近くにいると思います。
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全六章からなる連作短編。 前半の三章は悲しく残酷な話。 後半の三章は救いのある話。 最後の六章では前半に登場した人物も少しだけ出てきて、、光が射してきたのかなって思った。
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