アルコール・薬物依存臨床ガイド の商品レビュー
アルコール・薬物依存の疫学と治療に関するエビデンスをくまなく網羅している。 近年,動機づけ面接や認知行動療法など,12ステップアプローチ以外の治療法も、本邦で紹介されつつある。しかし,暴露療法や随伴性マネジメントなど,本邦でほとんど知られていなかった治療法も本書では取り上げてお...
アルコール・薬物依存の疫学と治療に関するエビデンスをくまなく網羅している。 近年,動機づけ面接や認知行動療法など,12ステップアプローチ以外の治療法も、本邦で紹介されつつある。しかし,暴露療法や随伴性マネジメントなど,本邦でほとんど知られていなかった治療法も本書では取り上げており,治療の選択肢を広げてくれる。また,重症度に関係なく節酒ができる患者が実際には多く存在するという事実は,「絶対断酒」を信仰する本邦の治療文化に対して一石を投じるものといえる。さらに,物質依存以外に複数の精神疾患が併存している患者に対して,どの問題からアプローチするべきかについても述べられており,興味深かった。 研究レビューだけでなく,実際の事例に対するアプローチの過程が記されていて,臨床の参考になる。
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アルコールや薬物依存のわが国での治療は経験的なものが主流を占めるが、この分野でも世界ではエビデンスが積み重ねられている。その中でも、動機付け面接が主要なエビデンスを積み重ねつつある状況が良くわかった。また自助グループに向かない人もいるのだという当たり前のことも研究されていることが...
アルコールや薬物依存のわが国での治療は経験的なものが主流を占めるが、この分野でも世界ではエビデンスが積み重ねられている。その中でも、動機付け面接が主要なエビデンスを積み重ねつつある状況が良くわかった。また自助グループに向かない人もいるのだという当たり前のことも研究されていることがわかった。
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この本はわが国に唯一存在する物質使用障害に関する邦訳書。そこまで新しいものではないが,これまでのアルコール・薬物依存に対して行われてきた様々な治療法をプロトコル別,疾患別,併存疾患別に細かく記述されているとこはすさまじい。文字だけをただただ連ねた読者の読む気持ちをこれほどかと阻害...
この本はわが国に唯一存在する物質使用障害に関する邦訳書。そこまで新しいものではないが,これまでのアルコール・薬物依存に対して行われてきた様々な治療法をプロトコル別,疾患別,併存疾患別に細かく記述されているとこはすさまじい。文字だけをただただ連ねた読者の読む気持ちをこれほどかと阻害するような訳本とは異なり,大変読みやすく勉強になる本。 ただ,あくまでも概説書であり,どうしてそのような結果になったのか?という点は論文まで遡って読まないといけない(ま,それはどんな本でも一緒か…)。でも,依存症に関連して治療に携わる人は,最低限の知識として現在行われている治療を偏りなく知る上では非常に良い一冊。ギャンブルを勉強している私としては,もう少し物質依存に特化した情報が得られるのかと期待したが,ある程度だったので☆4つ。
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