がらくた の商品レビュー
高校生の頃から何度も読み、私の恋愛に大きく影響を与えた作品。 人はいつだって自由に恋愛ができるということ、相手を所有したいと思うならば相手の周辺環境や何から何まで全て所有し許さなければならないこと。 大人になった今ならなんとなくわかる気がします。
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若さは時に高潔に映るということ 読み始めてすぐ『悲しみよこんにちは』に似ていると思った どちらも奔放な父と大人びたようでまだあどけない娘のバカンスから始まる物語である 以前から薄々感じていたのだが私は江國香織の恋愛を扱った小説が苦手なようだ 江國香織の小説の中で始めて読んだ『...
若さは時に高潔に映るということ 読み始めてすぐ『悲しみよこんにちは』に似ていると思った どちらも奔放な父と大人びたようでまだあどけない娘のバカンスから始まる物語である 以前から薄々感じていたのだが私は江國香織の恋愛を扱った小説が苦手なようだ 江國香織の小説の中で始めて読んだ『すいかの匂い』にはとても感動したのだが『冷静と情熱のあいだ』を始め恋愛を扱った小説は好きになれなかった 『すいかの匂い』を本当に好きで大切に思っているだけに少し残念に思った 解説にもあるようにこの小説が恋愛について語ろうとしている訳ではないことも分かるのだが恋愛が絡むとどうも読み進めることが辛くなってしまう 美海が
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前半のミミの瑞々しさは、どこへ行ったのかと思った。 不倫をする人達が、冷静に受け入れている時点で、共感はできなかったんだけど、 きれいなものが、きれいなままでいられなくなるときもある。 がらくだだって、かつては大切にされ、きらめいていた頃がある。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「知性と官能が絡み合い、恋愛の隙間からこぼれ出す愉悦ともどかしさを描く」 ・It was something, but it's over. ・肌が触れあうことよりもっと、纏っている気配のまざりあうことの方が刺激的だ。動物的で礼儀正しく野蛮で。 ・勘定を普遍のまま保存することはできないのよ。 「きっかい」とか「あっけらかん」とか日々の生活に出てこない言葉がたくさん並べられていて、いつも不思議とpoeticな気持ちになる。 ストーリーに対しては不服。だって45歳の翻訳家が、マスコミ男子で女たらしの夫をこよなく愛し、さらに旅先でみつけた女の子に妙に惹かれて、なんとなく先が見える(気がしている)くせにその二人を出会わせて、最後案の定、夫と女子高生はセックスなんて。 女子高生。主人公。いつも江国さんの描く女性はきれいで美しくて、頑固で(芯がある、では済まされないような頑なな精神)友人が極端に少なく、男か音楽か酒かアートに酔いしれている。そして芸術センスと言葉選びのセンスが抜群に高い。一方男の描写はいつも曖昧でふわっとしていて、さも重要ではないように描かれている。 あとは性に奔放。というか寛容。でも納得いかないなりに読了1時間が経過して思う。隼人くんのいうとおり、もしかしたら「過程」をのぞきみれただけで十分なのかもしれないと。まどろんでいるような、ぼやけていてでも美しい世界観にのんびりつかればいい気もしてきて、また他の本を読みたくなるのだ。
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今 読みたい新潮文庫 大人の恋 TOP 3。 翻訳家の柊子、その母の桐子、たくさんガールフレンドがいる柊子の夫の武男。 柊子と桐子がプーケット旅行中に出会った若いミミとその父親。 柊子が夫 武男の事が好きすぎて、、、 モテる武男と柊子が設定だから?なかなか物語に入っていけない。...
今 読みたい新潮文庫 大人の恋 TOP 3。 翻訳家の柊子、その母の桐子、たくさんガールフレンドがいる柊子の夫の武男。 柊子と桐子がプーケット旅行中に出会った若いミミとその父親。 柊子が夫 武男の事が好きすぎて、、、 モテる武男と柊子が設定だから?なかなか物語に入っていけない。 でも、ミミがとても可愛らしくって、目が離せない。 最後はやっぱり、、、 それぞれの心の描写はとても面白かったです。
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あとがきを読んで、 私は美海を主人公にして読んでいたから違和感が無かったんだとおもった。 登場人物は常々、年上の男を好きになるなあとか、 柊子の旦那である原さんは実際にいたらどんな男なんだろう、とか そんな違和感はあったけど、 美海の生活の出来事としては何も違和感を感じなかった。...
あとがきを読んで、 私は美海を主人公にして読んでいたから違和感が無かったんだとおもった。 登場人物は常々、年上の男を好きになるなあとか、 柊子の旦那である原さんは実際にいたらどんな男なんだろう、とか そんな違和感はあったけど、 美海の生活の出来事としては何も違和感を感じなかった。 ただそれは、私が美海のような生活でも考えでも環境でもなく、 また、柊子のような生活でも考えでも環境でもなく、 ただきっとなりたい生き方が美海寄りだったからだと思う。 また、私はまだ美海のように生きてもいいと自分で思っている。 大人になること、歳をとること、嫌ではないけれど、 持ってないものによるまぶしさが今は好き。 少なからず、持っていない、不完全な自分にも完璧さを感じているんだろうなと。 そんなことを言ったら柊子も、持っていない、不完全で完璧であると思う。 何度も読み直して、私は主人公を誰に思うのか、その時何を思うのか、嫉妬に狂うのか、気になるし、 大人になりたくないね、15歳とか23歳でいたいね もっともっと大人になったら、美海を、失うまえの自分に重ねるのだろうか、全てががらくたではなかった時を思い出すのかな、そんなことないって今の自分は思うけど。 でも、 美海がこれから「がらくた」を拾っていっても、大切なものが「がらくた」になっていくかもだけど、 そんなのはいつだって、おとなもこどもも同じなのだと思う。 だってみんながらくたが全てでしょ
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久しぶりの江國香織。よかったです。 ファンタジー小説とかじゃないのに、ファンタシーのようなふわふわした不思議な気分にさせてくる。 翻訳家の柊子、その母の桐子、たくさんガールフレンドがいる夫の原。そしてプーケットの旅行で出会った若いミミとその父親。 柊子が原さんのことを好きで好き...
久しぶりの江國香織。よかったです。 ファンタジー小説とかじゃないのに、ファンタシーのようなふわふわした不思議な気分にさせてくる。 翻訳家の柊子、その母の桐子、たくさんガールフレンドがいる夫の原。そしてプーケットの旅行で出会った若いミミとその父親。 柊子が原さんのことを好きで好きで好きすぎて、2人の関係性が理解できなさすぎて切ない。原さんどんだけ魅力的なんや。原さんはいろんなガールフレンドと寝るし、柊子だって違う男と寝るし、でもお互いめっちゃ好きで、すごく自然に2人はラブラブで。 ミミは柊子が失ったものやこれから手に入れるものすべてを持っていて、それは多分若さだったり「知らなさ」だったりするんだろうな。主人公がミミでもいい気がする。 ひとりの女の子が、歪な大人たちに揉まれながらひとりの女性になって世界を知っていくお話。 1人の女性が、愛する人に愛されて、1人の女の子に戻るお話。 この作品でタイトル「がらくた」なんだ。若くて魅力的で、女の子から女性になったミミは、この先どんながらくたを集めたり捨てたりするんだろう。原さんに出会ったことで今まで輝いていたものががらくたに見えたり、これからの人生で知らないうちにがらくたを集めていったりするのかな。 ラスト、原さん…オイオイとなりつつ、やっぱりそうならなきゃねとも思った。すごく自然で当たり前の流れだろう。原さんは何歳の、とかどんな、とかじゃなくて1人の人間として目の前の人を見る。
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これも好きなお話だった〜読み終えてしまうのが惜しい がらくたってなんなんだろうって、最初に思い浮かんだのが桐子さんの家具だった。不適当に保存されているもの。でもとっておいた感情はどうなんだろう、あまり分かった気がしない〜 原と柊子の関係は憧れるもので、a type of pe...
これも好きなお話だった〜読み終えてしまうのが惜しい がらくたってなんなんだろうって、最初に思い浮かんだのが桐子さんの家具だった。不適当に保存されているもの。でもとっておいた感情はどうなんだろう、あまり分かった気がしない〜 原と柊子の関係は憧れるもので、a type of perfectじゃんねえと思ってしまった。批判があるのはもちろん理解できるんだけど。 原と美海の関係にちょっとした気持ち悪さを感じるなら、原が良くも悪くも美海を子ども扱いしないから???登場人物は皆そうだと思うんだけど、、これも難しいなあ 江國さんの物語を読むと、事実なんて全く重要じゃないと思わせられる。
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すごい久しぶりに小説を読んだ。詳細な日記のような形で物語が進み、読みやすい。表現だけで空気感も風景も分かりやすく、面白くて話も大人チックで満足感もある。 ある意味こんな夫婦生活はみんな理想かもしれない。色んな女性と関係を持ちたいとは思わないが、お互いを理解し、存在を常に更新し続けて飽きがこない。それをお互いができている。理想じゃない?ある意味でこの夫婦に憧れる。40超えても50超えてもパートナーと楽しく過ごせるなら人生も華やぐだろうな。ミミちゃんの大人びた感じも年頃でいい。なんて途中なんとなく上から目線に読んでいたけど、ラストにやられた。学生感もありつつしっかり大人になっているし、余裕もでている。少女が女性になる瞬間をわずか数ページで鮮やかにラストシーンにもってきたのはズルい。いい小説だった。
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